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【ワントーーク!第7回】仲林圭プロ

麻雀スクールOne Gameに関わるプロのお話を聞く『ワントーーク!』、第7回はセミファイナルも盛り上がりを見せるMリーグで、U-NEXT Piratesのメンバーとしても活躍中の仲林圭プロ

仲林圭プロに教える仕事や、会社員がプロになるということなどについて、お話をうかがいました。

仲林圭
日本プロ麻雀協会、U-NEXT Pirates所属。
好きな牌は【8ソウ】
好きな役は【立直】
仲林圭🏴‍☠️(@jagabayashi)さん / X (twitter.com)


きっかけは生徒さんの熱烈リクエスト!

――『OneGame』で講師をすることになったきっかけを教えてください

仲林プロ:久山さんからのオファーですね。

久山校長:生徒さんからのリクエストの声がすごくて。仲林さんの前に優さん(U-NEXT Pirates 鈴木優プロ)に講師としてきていただくようになっていたのですが、「仲林さんは来てもらえないんですか?」と。当時のリクエストNo.1でした。他の麻雀店さんで勉強会をやってらして、「ここ(『OneGame』)にも呼んでほしいです」の声が上がり、「どうして呼んでくれないの?」「まだなの(怒)」みたいに…(笑)。「いやいや、仲林さんの都合もあるし、そんなにすぐには」みたいな(笑)。

仲林プロ:ありがとうございます(笑)。

――麻雀を教える仕事はいかがですか?

仲林プロ:最初は「お仕事いただいたんでやってみるか」くらいで、別に対した想いをもってはじめたわけではなかったんですが、やってみると楽しいですね。生徒さんによってレベルが違うんで、生徒さん別に目線を合わせて話すのが結構難しいなっていうのは実感しました。
特に初心者の方に教えるのが難しいですね。「どこがわかってないのか自分もわかってない」みたいな方も多いので、そこをちゃんと聞き出さきゃいけないですし、麻雀をある程度打ってきていると「一目見てこれだな」みたいなものがあると思うんですけど、その直感的な部分も言語化させないといけない。
「何を切ろうと思ったんですか?」「なんでそれを切ろうと思ったんですか?」というのを聞いてそれにどういうメリット・デメリットがあるのかを説明するんですけど、まだ本人が「なんでこれを切ったのかもわからない」ということも多いので、ちゃんと理由をつけてから打ちましょうね、というのを教えるのは難しいけど面白いですね。

――『OneGame』で教えていて印象的だったことはありますか?

仲林プロ:印象的だったこととは違うかもしれませんが、勉強会のあとに生徒さんたちが「勉強教えてもらってよかった」みたいなことをツイートされてるのは結構嬉しいですね。

――エゴサーチされるんですね?(笑)

仲林プロ:そうですね、「仲林」で検索するとだいたい僕しか出てこないんで(笑)。

――以前仲林プロの勉強会参加させていただいたとき、「白(ハク)がオールマイティ」というのをやらせていただいた回で、とても楽しくためになりました。脳が溶けるかと思いましたが…(笑)

仲林プロ:あれはもう本当に頭の体操で、イーシャンテンの形なんですよね。例えば白が1枚浮いてての2‐5ピン2‐5ソウだと4メンチャンなんですけど、くっつきの方が広いんですよ、みたいなのがあれで意外とわかるので。僕は実際昔あれで遊んでて牌効率というか、牌理が強くなったんで。
白オールマイティはエゴサしたとき面白かったって方が10人くらいいらっしゃって、やってよかったなって思いました。

リクエストがあったらすぐに連絡しちゃう久山校長と
受けてくださった仲林先生

麻雀プロとしても活きている、会社員時代に得たスキル


――仲林プロは昔、会社員とプロを両立されていた時期があったと思うのですが、社会人だったことが今のプロ活動に活きていることはありますか?

仲林プロ:ありますね。二つの軸があって、一つは社会人スキルを手に入れたこと。実際そのおかげでスポンサーさんを自分で二社連れてこれましたし、社交的な部分とか論理的に説明する部分ができるようになったのは会社員として営業をやってたおかげだなと思います。

――Mリーガーになる際の面談でもプレゼンをされたという記事も拝見しました。そういうところにも活かされているのかなと

仲林プロ:そうですね、あれもパイレーツというチームの課題に対してのアプローチみたいなものを考えて提出した感じでした。
社会人をやっていてよかったことのもう一つは、論理的思考ですね。僕はソフトバンクで働いてたんですけど、「ゴールから逆算して今やる行動を決める」っていうのがソフトバンクの考え方なんですよね。営業数字もそうですしなりたい自分もそうですし。5年後の目標があるとして、そうなるには3年後は?2年後は?とマイルストーンを置いて行って、そのために「今日」何をすればいいのか、と。
そういうのを訓練してやることによって麻雀においても、例えばゴールを「トップを取ること」としたときに、それに対して今現状何をするべきか、何をしたらゴールに近づくのかっていうのを論理的に考えられるようになりました。手牌をもらって、今最低限やること、一番やったら嬉しいこと、一番やっちゃ駄目なこと、みたいなところをまず考える。麻雀って巡目が進むにあたってやっちゃいけない方にどんどん寄ってくるんですけど、そういうのを逆算して考えられるようになったのは社会人経験のおかげですね。

※この「逆算して考える」という思考論が本になったのがこちら!
2024年3月21日発売『逆算から勝つ麻雀』
すごくよかったので勝手に宣伝しちゃいます…!

――『RED゜』のコラボカフェも以前の仲林さんのツイートきっかけだったのでしょうか

仲林プロ:ゲームセンターでアニメのコラボカフェをやってるのを見つけて、「これMリーグでやるのいいじゃん」と思ってツイートしたんですよ。そしたら結構反響があったんでMリーグ機構に持っていったら「ちょっと検討します」みたいになって。しばらくしたら「東京タワーとかでコラボできるようなりました。仲林さんの方から投げてもらってたんで監修やってもらえませんか」と。僕が何も言わなくても実現できていた可能性もありますけど。

――でも何かきっかけがないとタイミングがなかったかもしれないですね。アンケートをとって目に見える反響があったという方が、ただ持っていくだけよりも説得力がありそうです

仲林プロ:そうですね。

――その辺もすごく会社員ぽいですね(笑)

仲林プロ:そうですかね(笑)。とりあえず物はいっぱい投げてみてる感じですね。いろいろ他にも投げてることあるんで。まだすぐに実現に至るようなことはないですが。

新たな企画、期待してます!

プロとして上を目指すなら本気で。
新人プロに思うこと


――今、社会人からプロを目指したいという人も増えてきました

仲林プロ:結論、僕はやめた方がいいと思います。みなさんが今見て憧れてるものってたぶん、もう本当に麻雀プロの中の一握りなんですよ。何千人っていう中の36人が一般の生徒さんたちにとっての当たり前になってるんで、全くあんな世界じゃないんですね。
「Mリーガーになりたい」っていう目標があってプロになっても結構大変ですし、本当に限られた人しかなれない。僕も15年麻雀プロやってやっとって感じですし、みなさんが思ってるようなキラキラした世界じゃないですよ。
趣味とかサークルに入るみたいな感覚だったら、プロ試験受けるのもいいと思います。友達増やしたいとか競技麻雀やってみたいっていうんだったらいいと思いますけど、サラリーマンやりながらがっつり上を目指すのは難しいと思いますね。
時間ももったいないしお金ももったいない。年会費もかかりますし、対局や大会に出るのにもかかかりますし…どの団体でも所属してリーグ戦に出るだけでも結構な金額かかりますからね。
麻雀プロのビジネスってどっちかっていうと、芸能事務所に近いんですよ。
みなさんが見ている芸能人って芸能事務所のピラミッドの中の頂点の人たちだけであって、その事務所の主な収益って登録費とかレッスン料とかで得ていることが多いので、まさに麻雀プロも同じなんですよね。
麻雀で食べていけてないから、ほとんどの人は厳密に言うと”プロ”でもないですし。プロテストを受けて受かった人、という感じで「運転免許持ってる人」みたいな感じだと思った方がいいですね。
競技麻雀やりたいとか、プロの対局をやってみたいっていう人は麻雀プロの世界に入ってもいいと思うんですけど、サラリーマンやりながらガチンコで今から一番上を目指しますっていうのはかなり難しいですね。もう麻雀のお店で働いててそこから一番上までいきたいとか、天鳳がっつりやってて一番上までいきたいっていう人だったら全然いいと思うんですけど。
僕がプロになったときもともとC3リーグだったんですけど、今はもうスタートがF1リーグとかなんですよね。4~5年で僕は上まで行けたけど、今はもう何年かかるかわからない。
それに今Mリーグで活躍してるような人たちって基本昔から毎日麻雀のことしか考えてない、みたいな人たちなんですよね。そんな中で淘汰されていった生き残りみたいな。毎日毎日麻雀だけ打って勝ちまくってた人しか上がってないんです。それかタレントとかですね。
だから、遊びというか、「より強い人と打ってみたいみたいな」ぐらいだったらいいと思いますけど、サラリーマンしながら上目指すのは僕的にはお勧めしないですね。完全に麻雀だけで本気でやるなら別ですけど。

久山校長:ライセンスが欲しいって人もいるでしょうしね。

仲林プロ:受かって満足してる人も多いですけどね。リーグ戦に出て満足みたいな。何をゴールにしているかわからないというか。本来は協会に入ったら雀王を目指すと思うんですが、そこがゴールになってない人もいる気がします。

「ちゃんと上、目指してる??」

「麻雀はもっと楽しいもの」だと伝えたい


――どんな人に仲林さんの講義に来てほしいですか?

仲林プロ:麻雀に興味を持った方ならどんな方でも来てほしいです。「麻雀ってもっと楽しいものだよ」というのを教えてあげられたらなって思います。もちろん完全初心者の方にも来てほしいんですが、牌や役、ルールというかゲームの流れはわかった状態で来ていただいた方がより深く楽しんでいただけるかなと思います。そこから不安だなという人は是非『OneGame』さんの他の講義で慣れていただいてから来ていただければと(笑)。

久山プロ:宣伝もありがとうございます(笑)。

スクールに飾られている仲林プロのサイン
「放銃は【何】」と書いてあるでしょうか?
答えをぜひスクールに確認しにきてくださいね!

インタビューの間、終始丁寧に、わかりやすい言葉を選んで話してくださいました。
常に真剣に麻雀に取り組んでいる、向き合っている姿勢がどのお話からも感じられて、でも常ににこやかにお話しくださって、仲林先生の魅力に触れられたインタビューでした。

仲林先生の勉強会はその日のテーマについて座学→実戦、仲林先生が後ろ見で教室を回って質問ができるというスタイル。いいアガりの時には「ナイスぅ!」の声が生で聞けちゃいます☆

仲林先生の勉強会が気になる方は是非、『One Game』のホームページやTwitter(X)をチェックしてくださいね。
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今回のちょい足し!!

今回のちょい足しは、鈴木優プロから仲林圭プロに頂いたちょこっと質問への回答と、UKコンビの誕生秘話(?)です☆

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