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トレードオフとタイムリミット

このnoteではOne for Dogのオンラインサロン「愛犬文化村」に毎日投稿している記事の中から、比較的刺激が弱いと思われるトピックを選び、辛味成分を調整した上でご紹介しています。サロンメンバーさんにおかれましてはマンゴラッシー感覚でお楽しみください。

いつもご利用ありがとうございます。
One for Dog の齋藤です。

この内容はラジオ放送「One for Dog Radio」で音声コンテンツとしても配信しています。"音声派"の方はそちらからもお楽しみいただけます。

早速本題です。

突然ですが、トレードオフという言葉をご存知でしょうか。

[トレードオフ(英: trade-off)]
何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである。 平たく言うと一得一失(いっとくいっしつ)である。 対義語は両立性。

Wikipedia兄さんより

だそうです。

一方で先日、長年ご来店いただいているお客さまとこんな話をしました。

「今のところお互い息を合わせてなんとか出来てますが、本当だったらもっと負担を軽くできる環境があるのですが…」

そのお客ワンは高齢でここのところ視力も低下し、足腰にも衰えが見られていたんですね。
それをお伝えしていた際の会話でした。

ちなみにOne for Dogはワンマンでトリミングを担当しています。

複数人で1頭を担当すると四方八方から手が出てくるので犬が怖がってしまったり、微細な主張を読み取りにくくなるため、開業当初からマンツーワンのスタイルを取ってきました。

しかし一方で、先のようなシニア犬の場合は補助があった方が良いこともあります。
ことお腹のバリカンや足を持ち上げる際など特にカットに関しては。

もちろん僕もそれなりの経験を持ち得ていますので、そのあたりの対処は可能です。
ですが、補助があった方がもっと負担は軽減できるのも事実です。

また、One for Dogではトリミングアームを使いません。
テーブル上での立ち振舞いをトレーニングすることが、後に飼い主さんへとバトンタッチする際に役立つと考えているためです。
したがって、落下防止や姿勢をキープする目的でアームを使うことはありません。

これが僕のトリミングスタイルです。

しかし一方で器具に頼らない分、姿勢やとっさの行動に備えておかなければいけません。
その時に生じる負担は犬ではなく僕の方にかかってきます。

よくサロンで見かける”アームで犬を固定しながらトリマーがイスに座ってカットしている姿”があると思います。
One for Dogにはそれがないんですね。

テーブルマナーがまだ備わっていない子は、僕が中腰になりながら手で抱えたりしながら教えていきます。
テーブルマナーが十分に備わっていないと、飼い主さんの技術ではお手入れ出来ないからです。

オンラインサロンの記事では再三お話していますが、トリミングは犬と人との協力関係で成り立っています。
一方の負担を軽くするには、もう一方が負担を負わなければいけません。
#お腹の下を覗こうとした場合かがみ込むのがしんどければ犬の後肢をより上げなければいけないみたいな

どれが正解というわけではありませんが、このやり方で救われたお客ワンや生徒さんがいること、それがこのスタイルを貫いている理由です。

そして、これが僕が自分で招いているトレードオフというわけです。

僕はかれこれトリマーになって25年になります。
四半世紀も続けてきたこの仕事ですが、ここに来てはじめての経験を迎えております。

遡ること1ヶ月前。
年末の繁忙期を迎え、ご予約はトリミングが中心になっていました。

これまでも年末のトリミング戦線は乗り切ってきたので、それほど重くは考えていなかったんです。
それが一昨年、11月と腰をやらかしてからイマイチだった体が一気に爆発。
膝まで壊してしまいました。

理由は分かっています。

このトレードオフを自分で選んだ限り、責任の全ては僕にあってお客様やお客ワンにはありません。
だからこそ、これを回避するためにもお手入れ教室で体を休めてきたんです。
そのバランスを読み違えてしまいました。

去年まで大丈夫だからといっても、老いぼれ加減は進んでいました。
トリミングを詰め込み過ぎたんです。

現在、週に一度のリハビリを受けていますが、担当医には「まずは体を休ませなさい」とのお叱り。
朝起きて1頭目のトリミングはなんとかなるんです。
2頭目あたりから徐々にしんどくなるのですが、間にお手入れ教室があると持ち直します。
しかし、連続でトリミングをする日の夕方は痛み止めに助けてもらっています。
で、翌日起きるとまたなんとか動ける。

この繰り返しです。
要するに、現役のタイムリミットを自分で引き寄せてしまったわけです。

だからといって今、トリミングをやめるわけにはいきません。
お客ワンの心配だけでなく、One for Dogの懐事情においても不可能だからです。

なぜなら、お手入れ教室が好評だからといってトリミングとの割合は1:3。
予約が取れるようになったからといって、そうそう急に入学ラッシュは起きません。
だからこそ徐々に…10年スパンで調整していくつもりだったんです。
気持ちはあるのに体がついてかないとはこのことです。

しかも、去年打ち出した「営業時間の変更」を覚えていますか?
前後1時間延長しやがったんです、このオヤジ。
本当、ポンコツ経営者です。

では今後はということなのですが、それらをひっくるめて「たまに休む」ことにしました。
#やっと気付いた
#年8日じゃダメらしい

当たり前のことを長々と話しただけですが、次回はもう少し踏み込んだお話をしようと思います。
最近何かと反響をいただくようになった同業者の方々には面白がっていただける内容かと思うのでお楽しみに…

無料オンラインサロン「愛犬文化村」

愛犬文化村では無理なメンバー間の交流などは必要とせず、基本的に毎日齋藤が更新する記事を読めるというありがた迷惑なサロンです。あくまで One for Dog に何らかのご縁がある方が対象なので、告知をしておいて誰でもご参加いただけないというツンデレサロンですが、One for Dog の活動を応援していただけるという方は是非一度覗いてみてください!

【今週のサロン記事】
・2022年1月30日(日)note/stand.fm 更新
・2022年1月31日(月)カルチャー依存症
・2022年2月1日(火)トリミングテーブルの上で行われていること
・2022年2月2日(水)やめろと言われても
・2022年2月3日(木)東京の姉妹店が好調です
・2022年2月4日(金)接客
・2022年2月5日(土)犬種区分:ダンディ・ディンモント・テリア
※サロン記事の内容をOne for Dog Radioでちょっとだけ触れています

ワクチン未接種の子犬だけを対象としたサロンデビュー参観を行っています

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ということで、今回はこの辺で。
それでは皆さま素敵なドッグライフをお過ごしください。

One for Dog 齋藤でした!

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