【詩】 スコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドという猫を飼い始めた
とは言っても 頭の中で大事に大事に育てている
小さな耳を垂らしたその猫は
外の人々とは違って決して私を笑わない
爪を隠した手は焼きたてのスコーン
尻尾で描く虹は決まっていつもシャーベットトーンだ
こんな狭いところから 早く出たかろうに
私の頭の中には何がある?
鳴らない電話を待ち続ける歌謡曲の回りくどい歌詞とか
友人の結婚式で感じたなんてことのない焦燥
スポットライトの当たらない人生についてだとか
きっとそんなものばかり
だけ