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ファンドの商品選びのやり方を知りたいならこの記事を読め!前半

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こんばんわ!この度掲載させていただく記事は2部構成の記事にさせていただきます。
つまり本記事が前半の記事で後半の記事はまた別で投稿させていただこうと思います。
前回私は「「米国金融の仕組み」という本を読んだわたしから「積み立てnisa」を検討、使用しているあなたへ」というタイトルの記事を投稿しました。その記事では「nisa」の概要と「積み立てnisa」についての私の考えを簡単にまとめさせていただきました。しかし、「長期の積み立て投資はパフォーマンスが悪くてもやめない方がいい理由」、「インデックスとアクティブファンド」の違い、「ファンドの選び方」、記事のタイトルにもしていた「米国金融の仕組み」という本について殆ど触れることができなかったので、この度はそのことについて触れていこうと思います。本記事では本書で作者が述べている言葉を丸々引用する箇所もある為「ですます調」と「だ、である調」が混合してしまうかもしれないのでそれを避けるため次の改行してからは、「だ、である調」で文章を書かせていただきます。ご了承いただければ幸いです。
 本記事では、「米国金融の仕組み」の内容を主に扱いたと思っている。なぜなら、本書には上記で説明したい内容がすべて記載されている。本書は、世界的に有名な「バンガード・グループ」の創業者であり、ファンドに長年携わり発展に大きく貢献し、1999年に「20世紀における4人の投資業界の巨人」に選ばれたあの「ジョン・C・ボーグル」氏によって書かれた本である。ボーグル氏は60年にも及ぶ金融業界での経験の持ち主だ。アメリカの金融市場、少なくともファンド市場の最前線にいた人物であることは間違いない。60年もあれば投資のシステム変化、金融業界自体の変化、「ITバブル」や「リーマン・ショック」といった好景気、不景気も目の前で体験したはずだ。そんな体験をもとに書かれた本が本書であり、本書は1部~9部構成になっている。その為本記事では1部~4部までについて触れていきたいと思う。そして5部~9部までは後半の記事で触れていくつもりだ。
 
本章では長期投資の衰退と短期投資の台頭について書かれている。
気を悪くされる方がいたら、大変申し訳ないが本書では短期投資のことを「投機」と呼んでいる。投機の増大は凄まじい勢いで増している。1951年アメリカ株の年間回転率は約15%程度であった。しかし、1990年代には100%にまで増加し2005年には150%、2008年には280%まで増加した。一日あたりの取引量も同様に増加した。この増加は一見アメリカの市場の活性化を促している様に感じるがこれは、危惧すべきことである。
恐らく1900年代から近年にかけてインターネットの普及、多くのファンドマネージャー、機関投資家によって株式に興味を持つ人が増加し市場に参入できる人が増えたのも一つの原因ではあるだろう。これだけならいいのだが年間回転率の上昇の仕方は投機をする個人投資家、機関投資家が増えた事は非常に悪い影響を与える。このことについて1999年ニューヨークタイムズ紙は、「ウォール・ストリート・カジノ」と以下のように揶揄した。
 投機投資全体の資金を奪うことを理解するには、市場の重複性を理解すればよい。つまり投資家全体は、当然ながら株式市場の総利益を稼ぐ。ただし、そこから取引のための仲介コストを差し引かなければならない。もし、コストを差し引く前の利益がゼロであれば負けゲームになる。年々株式の回転率が増加して行っていることは、取引のためのコストが増加して株式市場で発生する総利益が減少していくようになる。加えて企業の資本金(事業に回すお金)が年々目まぐるしく動いているわけなので、企業価値がわかりにくい状況にもなってしまっている。このことを踏まえて私たち投資家はカジノ参加者で、投資でかかる取引金がカジノ側の取り分とされている。年に何回も取引を行っている投資家は他の投資家よりピンとくるのではないだろうか。
 この流れを作ってしまったのは他でもない機関投資家である。1950年には個人投資家がアメリカ株の92%、機関投資家が8%を保持する比率だった。しかし、2000年代にはいり機関投資家70%、個人投資家30%の比率になってしまい完全に逆転してしまった。機関投資家に投資するクライアント(企業や一般投資家)は短期的な利益を求めている。その為直近の実績が自分たちの給料に直結してくるため短期的な利益を求めるようになる。特に1990年代以降は「ITバブル」などによって短期的な投資が成功してしまった事例が多く発生するようになって加速させてしまうようになった。「ベンジャミン・グレアム」を始めとする多くの著名な投資家がこのことについて警鐘を鳴らした。
 そんな中日本では一番有名な投資家だと思われるウォーレンバフェットは以下の様な事を提案した。(本人は冗談だといった。)超短期的な投資家にはキャピタルゲイン(配当ではなく、株価の上昇で得た利益)に対して課税を課せばいいと提案した。
 次の章では現代の株式市場の現状をさらに深ぼっていくつもりだ。
株式とは本来企業は利益を出しその利益を株主に還元、企業の成長の為にさらなる投資に回すといった形が 本来あるべき姿である。しかし近年その仕組みは変化してしまっている。1章でも記述したが、近年個人投資家よりも機関投資家の方が圧倒的に株を保有している状態である。この状態だと個人投資家たちが株主としての権利を行使する力が弱くなってしまっている。その結果次の事態が引き起こされてしまう。
 大手企業の幹部、CEO、役員、監査役、弁護士、さらに投資銀行の担当者、セルサイドのアナリスト(売買の仲介を行う)、バイサイドの調査部門(運用を任される)、機関投資家の幹部が集まり共に企業の株価を引き上げ、その成果で短期投資家を喜ばせ、経営幹部はストックオプション(簡単に説明すると企業の役員が決まった価格で自社の株式を取得することができ基本的には自社の株価が設定株価よりも上がればその分だけ市場よりも安い値段で自社株を取得することができる仕組みのこと。)を行使して報酬を増やし、従業員の年金プランにおける自社株の魅力を高め株主を幸せにしようとしている。
本書では「ダブルエージェンシー」によって引きを起こされる利益相反を以下のようにまとめている。
・企業オーナーの立場が、能動的なものから受動的なものに変容している。いまのオーナーは企業に関する権利や期待が記された紙切れは持っているが、支配権はほとんどない。
・所有につきものだった精神的価値が損なわれてしまっている。かつて所有によって手に入る物理的資産は目に見える形の収益とは別にオーナーに満足感そのものを与えていた。
・それぞれの資産価値は企業を経営する人々の行動や、敏感できまぐれな市場における他人の行動によって決まる。そのため、予測できない変化や巧みな市場操作に左右される。
・個人の資産は市場での流動性が極めて高くなり即座に別の形態に変化しやすくなっている。
・最後に、企業システムにおいて、産業界の財産の「オーナー」であることは単なる所有権のシンボルとなり、従来は所有権の一部であった権力、責任、資産は、企業の支配権を持つ別のグループに移行されている。
次に投資の市場がここまで変化してしまった原因をより深掘ってしていこうと思う。
原因としてはまず経済界や金融業界の番人となるべき行政機関や専門機関が目の目で起きていることに対して行動を起こすこともなく、警告を発することもないことが一番の原因だ。
ここでは、いくつかのみの機関の問題について書かせてもらう。
 まずは、証券取引委員会(SEC)についてだ。SECが投資家の利益を守るという役割を果たせていない事例は多い。数々の大企業による誤解を招くような業績開示を訂正できていない状況だけ見ても、日常的に注意深く目を光らせているようには到底思えない。「ポンジ・スキーム」(出資してもらった資金を運用せず、新たな出資金を配当に回す詐欺)で600億ドルの被害を出したバードナー・マドフの巨額詐欺事件を発見できなかった。
他にも数々の失敗がある。
 次に金融ジャーナリストについてだ。ジャーナリストとは今も昔も多くの人に注目してもらう記事を書くために日々記事を作成している。近年だとネットニュースに移り変わっているが、基本的な考え方は変わらないはずだ。現在でもネットニュースに上がるのは比較的注目を集めやすい記事ばかりだ。ではネットニュースの金融、株式、企業についてみるとどうだろう。ここ数年「テスラ」に関連する記事をよく見かけると思う。そして注目されている分株価の乱高下がとても激しい。過去にも似たような事例はあるが警鐘をならした人は少なかったという。
 このことから作者は経済界や金融業界の番人となるべき行政機関や専門機関が役割を果たせておらず、ファンドへの出資者も自分たちで行動できない状態になっていると述べた。そのため調査分析能力があり、代理投票の経験が豊富なファンドマネージャーが、そのギャップを埋めなければいけないと指摘している。加えて大手機関投資家がこの沈黙を破りクラインとのために行動すべきだとも述べている。
本章では、ファンドの沈黙について書かれている。
多くの民間から投資金としてお金を預かり企業の統治権(企業の株の大部分を占めていてる)を保有する、大手のファンドマネージャーの多くは企業側の提案を受け入れている。
これ慣例は、積極行動主義や意見主張主義行為から大きくかけ離れてしまっている。
その理由をここでは2つ述べさせてもらう。1つ目は通常ファンドの株式の保有期間が短く、投資というより投機という形になってしまっている。前章でも述べた通り短期的な利益を追求し目の前の株価のみを気にしてしまっている。つまり、企業の統治権を使わないのは使ったところですぐその企業の株を手放す可能性があるからわざわざ使わなくてもよいというわけだ。2つ目は、大手ファンドは特に経営よりもビジネスに重点を置いてしまっている。その為、経営としては企業の統治権を行使することが健全ではあるが、企業の統治権を行使して賛否両論を起こしてしまうより何もせず無用な注目を集めない方が大手企業から多額の年金プランの運用を任されることが予想できるからだ。
以上の理由を挙げたがこれについては1990年代の状況であり、現在ではウェブサイトやSECのHPでファンドの決議行使状況を確認することができる。その為、ファンドが短期な投機を行うことに変化はなくとも、決議権の行使の状況が開示され始めた現在決議権を行使するファンドも徐々に増えているのではないだろうか。
 前章のダブルエージェンシーに近い内容になるが、作者は以下のことを述べている。
近年のアメリカでは大手企業のCEOが大きな権力を持ちすぎてしまっている。その理輔として以下のことがあげられる。
・お金は大きな権力の象徴である。企業内の権力はCEOに国家の権力は企業に集まってしまっている。2010年のCEOの報酬の中央値は不況から抜け出せてないにもかかわらず、35%も増加している。一方で長年経営者たちを支えてきた従業員への年金の支給を停止して企業も存在する。企業のCEOの報酬がこんなにも増加しまったのは幹部報酬に関するコンサルティング会社が大きく介入してしまったのが原因で、コンサルティング会社はラチェット効果を用いて企業のCEOの報酬を吊り上げたとされている。
ラチェット効果について説明するとかなり長くなってしまうので、気になる方は各自で調べていただければ幸いだ。
・いまやアメリカ企業の資金力は、立法、行政、さらに司法といった政治のあらゆる局面を支配している。2010年のシチズンズ・ユナイテッド判決では、最高裁が企業の政治献金に対するあらゆる法的制約を撤廃した。そのばかけた判断は、国家ではなく企業価値の最大化につながるだけである。
この様なことになってしまってもファンドは決議権の行使を行っていない。つまり企業の暴走を止めていない事と変わらない。本来であればファンドは決議権を行使してCEOの報酬に対して反対票を投じるべきだった。他にもSEC証券取引委員会又は他の機関がCEOの報酬に規制をかけるべきだった。
 次の章ではどのファンドが適した「受託者」なのかというのを見分けるために作者が作った「受託責任指数」という内容が書かれている。
ここまで述べてきた内容だとファンド会社は利益の求めるために短期的な時を繰り返し信託者のうち投機を好む信託者を喜ばせることができたかもしれない。しかし、そうでない信託者には常に不安を与えているのではないだろうか。一般的にはファンドに投資する人というのは将来的に使うお金に余裕を持たせるために投資を行う人が多いはずだ。子供の教育費、老後の資金など他にもいろいろな目的がありファンドに投資をするだろう。しかし本来信託者が得るはずだった利益お金はファンドマネージャーの利益や企業のCEOの報酬、度重なる短期投資の取引手数料に流れてしまっている。この出来事だけでもすでにファンドへの信頼は失しなわれているだろう。
しかしこれに加えて、2003年にとんでもない出来事がファンド業界を襲う。ニューヨーク州で不正撲滅に動く司法長官「エリオット・L・スピッチャー」という人物が大手ファンド会社4社を相手に民事訴訟を起こした。優遇された特定の出資者にアメリカ市場の取引終了後に起こった最新ニュースをもとにアメリカ以外の証券に投資するミューチュアルファンドの売買が許されてしまっていた。その価格は、取引前の外国市場ですでに決められている終値だったのだ。スピッツァーの比喩表現によると、その行為はレースが終了した競馬への賭けを得別な投資家に許しているようなものらしい。この不法行為には最終的には400ものファンド会社が参入していたそうだ。この件に関係したファンド会社は多くの投資家やクライアントから信頼を失い中には倒産したファンド会社もある。
 問題発覚後に大手ファンド会社パトナムCEOに就任した「チャールズ・E・ハルデマン」も次のように述べている。「パトナムにも、判断を誤って、投資家よりも自社の利益を優先した人たちがいる。それは間違った判断である。投資の専門家が受託者として責任を裏切れば、次のチャンスはない。その時効もないと信じている。」
 では私たちは何を頼りに受託者を信じファンドへの投資を行えばいいのか。
その1つの答えをこの本の作者である「ジョン・C・ボーグル氏」は「受託責任指数」という形で表している。
まずは一番下にある「受託責任指数」の表を見てほしい。以下の表は作者である「ジョン・C・ボーグル氏」が極めて主観的に作ったものだ。この表を用いればファンド組織の優先事項がファンド出資者の利益なのかそうでないのかが判断できるようになっている。
 表の使い方を説明すると、まず項目と書かれている欄と同じ行にある数字は点数である。3点が最高点、0点が最低点とされている。気になるファンド会社を選び各指標をあてはめ、出てきた合計値を15で割り、その数値に100をかける。その数値が「受託責任指数」(SQ)となる。この本の作者である「ジョン・C・ボーグル氏」の調べによると、(SQ)の数値が200を超える企業のパフォーマンスは基本的に優れているとされている。しかし現実としてボーグル氏が当時調べた結果としては75を下回る企業が大半だったらしい。もし興味のある方は実際に下の表を用いて調べてみてもらえば幸いだ。できればこの記事のコメント欄に結果を載せていただければこの記事を読んでいただく他の方の役にも立つと考えられる。
今回は本書の構成として9章あるうちの4章分の説明をさせていただいた。今回の記事からファンド企業に起こっている問題と解決策の提示、投資先のファンド会社の選定の方法の説明を行った。
次回の記事ではこの記事で説目できなかった残りの内容を説明していきたい。ミューチュアルファンド歴史、インデックスファンドの台頭、年金プラン、ウェリントン・ファンドの衰退と再生(ファンド会社の戦略)、投資家の為のシンプルなルールと投機家への警告(ファンド商品の選び方)を説明していこうと思う。なお後半の記事はこの記事と同じ時刻に掲載させていただきました。
 ここまで読んで頂いたみなさには申し訳ないのだが次の記事は有料で投稿させていただこうと考えている。値段は500円で販売するつもりだ。これには明確な理由がある。500円というのは人によっては「はした金」だと感じるだろうが、大半の人はそうでもない。だがその500円を払うことで後半の記事を購入して読む方はきっとこの前半の記事よりも真面目に読むだろう。後半の記事には前半の記事よりも大切なことが多く詰まっている。だから真面目に読んでほしい。今回の記事と次回の記事を読めばファンドへの理解はもちろんのことどの商品を選べばいいのかも理解できるようになるだろう。あとは実際に投資をすれば500円以上の価値を生み出すことができるのは「時間の問題」だろう。
もし興味を持っていただいた、次回の記事でファンドに対する知識をきちんと身に着けて「積み立てnisa」などを利用して、実際にファンドの商品を買ってみたいと思ってくれた方が実際に購入して次回の記事を読んでいただければ私自身としても喜ばしいことだ。
 
 
 
 



   

 

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