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尾崎世界観が地元のキャバクラで熱唱

JFNネットで放送中の『尾崎世界観 声にしがみついて』で面白い話があったので紹介します。

葛飾の地元に久しぶりに帰った尾崎さん。区の取材依頼を受けて、インタビューや写真撮影をしたそうです。母親と、弟の奥さん、子供たちとご飯を食べたり。そして、地元の友達でクリープハイプの最初のドラマーでもある市川くんと4年ぶりくらいに会って、彼の馴染みのキャバクラに連れて行ってもらいました。

尾崎さん曰く「どうしようもないひと」の市川くんからは、尾崎さんの元へずっと電話がかかってきていました

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掛け直して『何?』っていうと、『ちょっと。なんでもないんだけどさ』と言うので、『だったらいい、今は無理、レコーディングしてるから』って切るんだけど。

この歳になるとこういう急な電話は心配になって怖いんですよ、訃報とかあるから。だから掛け直すんですけど。

ちょっと仕事が行き詰まったときに、気分転換にこちらから電話してみたら、『今キャバクラにいる、もう帰るから一瞬待って』って、ガヤガヤ、キャーキャーした声の中で言っていて。

『今出た。今日はシャンパン入れちゃったよ』とか言うから、何やってんだよと思いながら。『『キケンナアソビ』(クリープハイプ、2020)が人気あるんだよな、ああいう娘に』って。

市川くんには、新曲できたら聴かせて感想をもらうんだけど、偉そうに知ったようなことを言ってくるから、だんだんこっちも腹たってきて『うるさい、もう二度と聞くなお前は』って電話を切るっていうくだりがあって。

『キケンナアソビ』のときは『これは弱いな、カップリングじゃないか』と言われて、それが悔しかったんですよ。それが、『あんなに人気になるとは思わなかったなぁ、俺が間違っていた』と、その時の電話では言っていたんですけど。

市川くん、クリープハイプの曲を、地元のキャバクラで頑張って布教活動してくれてるんですね。

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というような、微笑ましい腐れ縁的なエピソードがあった上で、久しぶりに尾崎さんが市川くんと地元で会うという流れになるわけです。

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市川くん、「俺、キャバクラめちゃくちゃ通ってんだよ。連れてってやる」っていうから、(尾崎はそういうところには)これまで行ったことなかったので、連れてってもらったんですよ、綾瀬のキャバクラに。

(行ったはいいものの)どうしていいかわからず。楽しみ方もわからず。バンドをやってるとは言わずに、最後のバイト歴が警備員だったので、こいつ警備員なんです、って紹介してもらって。

カラオケを歌う流れになって、市川くんが歌って、接客の女性とデュエットもしたりして。で、どんな曲が歌われてるのかなと思って電目を見てたら、クリープハイプの曲も結構あったりして、綾瀬のキャバクラで歌われてるなんて嬉しいなと思って市川くんに言ったら、『それ俺だよ』って。それお前かよ。さすが常連。

横のテーブルについてる接客の女性もお客さんと歌い始めて。結構、この店では上手くて、歌姫的な存在の人で。そのテーブルとこっち側が交互に歌い合う形になって、ちょっと悔しくなってきて、市川くんが歌っている曲のサビの部分だけ一緒に歌ってみたんですよ。

俺が歌った瞬間に、歌姫の女性が、『こいつどっちだ?』っていう顔になったんですね。あれっ、上手いのかな、ん、どっちなのかなって。

俺って、上手い人じゃないんで、バンドマンで曲も作って、でも上手い下手じゃないじゃないですかクリープハイプって。だからあの一瞬の女性の迷いって、滅茶苦茶良かったんですよね。こいつどっちだ、堅気じゃないけど上手くはないぞっていう一瞬の葛藤があって。

俺もそれすごい感じながら攻め立てて、その結果、その女性が「ん、う、うまぁ〜い!」って言ったんですよ、ちょっと迷って(笑)。

ああ迷ってる迷ってると思って。一応上手いって言われたんで、一曲丸々入れて歌ってみたんですよ。そうしたら向こうも歌ってきて、止まらなくなってきて。俺も本気になって『ナイトオンザプラネット』をライブで歌ってるくらいの気持ちでマジで歌って。そしたら相手はBOA歌ったんですよ。ずっとその攻防で、結構、疲れちゃって。

変な酒飲まされるし、とにかく早く帰ろうってなって。でもその女性に引き止められて、なかなか終わらなくて。ようやく帰れた頃にはかなりの金額になっていて、でも全部市川くんが払ってくれましたけどね。

本気出しちゃったもんなぁ俺。綾瀬のキャバクラで。でもねぇ、俺ってやっぱ歌上手くないんだな、って思いましたね。あの接客の女性は正直な娘なんだなと思いましたね。

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いやぁ面白い話でした。プロのシンガーがプライベートで歌うのはどんな時だろう、どういう心境になるんだろう、どんな反応があってそれに対して何を感じるんだろう、といったことが垣間見えたエピソードでした。

歌が人の心を動かすのは、もうそれは訳もわからず感動するのであって、技術論とかそういうことではないんだな、ということも改めて思いました。

尾崎世界観 声にしがみついて(JFN系列)2022年12月放送回より