ガーンズバック変換 陸 秋槎 感想
北京出身の若手ミステリ作家によるSF短編集。雰囲気も長さも異なる8編が並ぶが、「物語」や「言語」を扱った作品が多く、洒落や風刺が効いている。どれもそれぞれに良さがあり、著者の博識を感じさせるが、それだけに趣味性も強くマニアックであるともいえる。
一番のお気に入りは『色のない緑』。2060年代の近未来、主人公のジュディは小説の翻訳者だが、この時代では実作業はAIが行なっており、彼女はその出力された文章を「脚色」するのが仕事だ。ある日、友人のエマから連絡があり、共通の友人、モニ