大野宗達

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最近の記事

人に対して普通という言葉を使うことへの違和感

よくあるスーパーにある七夕の短冊のひとつにたまたま目が留まった。 「ふつうのおとなになれますように」 おそらく小さな子供であろうたどたどしい平仮名で書かれたお願いは、まるで子供らしくない表現だったことに少し引っかかった。 普通であるということ。 平凡とはまた違うニュアンスをまとっている表現。 普通ってなに、というありきたりなツッコミで終われせるにはもったいない題材だと思った。 当たり前に世界中の人の数だけ個性があり人格がある。 有り体に言うとみんながみんな違う人間なのであって

    • かもめが教えてくれること

      かもめが気持ちよさそうに空を飛んでいる。 いや、気持ちいいと思うのは人間の視点であって実際は大変なのかもしれない。 ずっと観察をしていると、羽ばたかずに止まったままうまく気流に乗ってすいすい進んでいるかもめ、同じ条件なのに風に押されて進めていないかもめ、一生懸命羽ばたきながらも進んでいないかもめ、がいることがわかる。 後者に限って泣いているので子供なのだろうか。 その違いはきっと気流をうまくつかめるかだと思う。 羽ばたきは推進力に過ぎなくて、気流にさえ乗れれば最小限の力で遠

      • 振り返る大切さ

        道は必ずどこかにつながっている。 道は全国の隅々にまで広がっている。 それを作った人、人間ってすごいなと思う。 人間の何倍も大きい建物も難なく作っていく。 どんどん上に高く大きく作り、空を飛んだり宇宙にも行けてしまったり。 大きな人工物を見るたびに漏れる感想はいつも決まって人間はすごい。 すごいという表現は曖昧だけど、人類の叡智や技術の積み重ね、みんなで協力して生み出せるエネルギーは度を越してしまうと尊大で恐怖をも生み出せるすごさという意味合いも同時に含んでいる。 戦争に核

        • 朽ちること寂びること

          都会から少し離れただけで空き家や空きテナントの張り紙がちらほら見えてくる。 無理もない、否応なく日本は人口減少が進んでいるから。 不思議だと思うのは、それらの建物がそのまま放置されていること。 人の気配がない不気味さはなんとも形容しがたい。 撤去する人も時間もないのだろうか。 廃墟があるだけで街の景観は少し悲しさを帯びている。 廃れること、枯れること、朽ちること、にどこか美しさは含まれない。 現代の資本主義社会では人口と経済成長は密接につながっているので、この先経済活動が活

        人に対して普通という言葉を使うことへの違和感

          護るために作る

          朝霧に包まれた山道を登っていく。 雨の残る木々、湿った空気、鳥たちの囀り、静寂、人の気配はまったくない。 雲の中にいるような感じ、生い茂る深い緑から獣は現れるし、帰り道のない異世界に迷い込んだような錯覚はまるでジブリの世界みたい。 名前を奪われるなら本来の自分が立ち現れる不思議。 そこは戦争の時に作られた要塞のあと。 砲台や防空壕の残骸を見ることのできる場所。 これに限らず歴史的な場所を観光名所としてビジネスにしてしまう人間に違和感を覚えながらも、思ったことはそれと別のこと

          護るために作る

          ある街という個性

          料理学校で一緒だった同級生がやっているお店へ数年ぶりに訪れた。 もうかれこれ17年もやっているという。 大阪で勉強して故郷で飲食店を開業した、いわゆるUターンの典型的な例だ。 そのある街は決して田舎というわけではないが、ガラが悪く、民度が低く、どこか寄りつきがたいイメージ。(ちょっと大げさだけど) 個人的な偏見なのはもちろんわかっているので、実際の街の名前を伏せている。 故郷に対する愛着がまったくない自分にとって、地元を愛する気持ちを持っている同級生が羨ましくもあり

          ある街という個性

          祖母と数珠

          幼い頃に祖父を亡くしていて、何か行事がある時には決まって祖母を中心に親戚がたくさん集まるのが慣習になっていた。 主に祖父の供養がメインイベントで、子供ながらにいなくなってもその献身をずっと続けていることに感心していた。 今から思うと、それはきっかけとしてあるだけで、親戚が集まるひとつの口実になっていることも確かにあるなと気づけるようになった。 根っからのおばあちゃん子として育ったぼくは、良くも悪くも孫というより子供として接してくれていたように思う。 実家にいた時、当たり前に

          祖母と数珠

          変わっていく食事の在り方

          人類は火を囲むようになったことで、 会話が生まれ、言語と神話が作られるようになりました。 その長い進化の中で、人は根源的に健康的な食事を、 他者とゆっくり分かち合いたいと思っています。 ところが最近は家族が揃って食事をする機会も 少なくなり、孤食という言葉にもあるように、 一人で簡単に食事を済ますことが増えてきています。 和食がユネスコ無形文化遺産に登録されているように、 一つの特徴として、食を分かち合うこと、家庭での躾、 家族が集まる必要性が強調されてる日本でさえです。

          変わっていく食事の在り方

          やってみたいこと

          料理人の世界観に焦点を当てたグルメサイトを作りたい[飲食業界の現状] このコロナ禍において、飲食業界は危機にさらされています。 外食できない必然性が、わざわざ外食する必要性がないという価値観に変わってきた。食事にかける時間も短くなっていき、早くて安くて栄養さえ取れればいいという流れになってきている。 そもそも飲食業界は薄利多売で自転車操業的な構造で成り立っていて、 誰でも起業がしやすい分、廃業率も年々高まっていく一方です。 すでに飽和状態のお店はこれから少子化を迎え、新型コロ

          やってみたいこと