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ウズスタジオでシナリオを作った話

こんにちは。今回はマダミスアプリ「ウズ」の投稿機能ウズスタジオを利用して、シナリオを作った感想をお伝えしようかと思います。
※書き終わった後に気付きましたが、この記事、マダミスプレイヤーの方というよりも、ウズでマダミスを書きたい人向けの内容になってるかも……。
※記事中にマダミス作品の話が出てきますが、特にシナリオ内のネタバレなどはしていませんので、気にせず読むことができます。


■なんでウズスタジオ?

拙作『あの春をむすんでひらいてまたむすぶ』という作品をウズさんに掲載して頂いています。また、その後もシリーズで計3作(最終作も予定)が掲載されています。元々はBOOTHで展開していた作品ですが、掲載して頂いたことにより、さらに広いユーザーに遊んで頂ける可能性が得られたと感じています。ありがとうございます!
その経緯を踏まえ、感謝の意味を込めてウズスタジオ向けの作品『クマコインワンダーランド』という作品を作ったわけです(今後、BOOTH版とかを出すかもしれませんが、未定です)。
あと、これ自分が勝手に書いた記事ですので、ウズさんに依頼されたステマ記事とかではありません(笑)

まずは下記に申し込みをしました。
「ウズスタジオβ版アカウント申し込」https://forms.gle/dzA64upJAh1ERu3W6

上記に申請するとディスコードの専用サーバに案内され、注意事項やウズスタジオの使い方の説明を確認できるようになります。運営からアカウント付与されれば(申請から2~3日)、ウズスタジオに触れるようになります。

さ、ここからシナリオ制作だ!


■制作過程

●シナリオ執筆

ということで、実際にウズスタジオを触るのはもう少し後になるわけです。そもそもアップするためのシナリオが無いとダメなので(笑)

今回はウズで遊ぶということを想定してシナリオを用意しました。
ウズスタジオ上でシナリオを書くのはどこがどこか混乱してしまうと思いますので、ワードなどのテキストツールで準備するのがお勧め。今回は二人用でさっくり遊べるものという構想があったので、頭である程度まとめてから1日で一気に書き上げました。こういう時の「俺すげー感」って良いですよね。実際は未完成ですがテンションが上がってます。

・あらすじ
・プロローグ
・キャラクター情報
・この作品の独自のルール
・ゲームの流れ
・キャラクターシート
・追加情報
・エンディング

書いたのはこんな要素です。実は書き切ったといっても実際には完成はしていません。ある程度は書いていたのですが。テストの反応や調整により加筆修正した部分が存在します。
※ウズスタジオに移植していく作業の前にシナリオの完成度が高い方が、進行は楽になると思いました。結果論ですが、ウズスタジオに実装前に通常のオンラインマダミスのようなテストを何度か行なってクオリティアップする方が良いです。

●ウズスタジオに移植

書いたシナリオをウズスタジオにコピーアンドペーストして、移植していきます。移植したテキストはリアルタイムで実装後の画面をプレビューしながら進められるため、かなり見やすいです。
「マークダウン記法」を利用した装飾などもできますが、自分は最低限にとどめたつもりです。
必要な情報を埋めていくだけですが、もちろん想定していなかった部分などが出てきました。その都度対応していきました。

●確認テスト

本作は二人用です。
テストサーバーにアップロードしスマホとタブレットで起動して、どういった表示になるか、ということを何度か試しました。これは二人用の作りやすさが効いています。プレイ人数が多ければ多い程、この段階での確認テストは難しいと思います(いや、多人数の場合、テストプレイって本当に大変ですよね;;)。
この時点で大きな問題はなく、最後まで進行できることを確認。そのまま実際のテストに進めます。

●テストプレイ⇔修正

実機でのテストプレイを開始。毎回、フィードバックを受け修正し、またテスト……ということを繰り返していきます。普通にマダミスを作る時と変わりません。
※大きな修正をする際、少し手間取ってしまったので、このタイミングでの修正は誤字脱字修正にとどめたいと思いました。そういう意味では、この段階に来る前にPDFなどで遊べるように調整して、それでテストを重ねる方が良き、かと。

制作過程で、イラストがラフから完成版へと差し替えたり、BGMを追加し、ウズ用のマダミスとしての外側が出来つつあります。
おそらく6~7組ほどに遊んで頂き完成となりました(知り合いに声をかけたり、ウズスタジオ内のディスコードで募集しました!)。

※余談:完成したはしたのですが、実はオープニングやエンディングに「地の文」が多く、プレイヤー負担が多いことが確認できたため、最終的にはナレーションを追加する作業もしています。誰に頼むではなく自分が対応しました(遊ぶ際、不要でしたらBGMをオフにしてください!!)。ここは慣れない作業だったので時間がかかりましたね。
ただ、セリフ部分に音声を追加すること自体は難しくなかったのは良かったです。音量調整は正しいかわかりませんが、BGMよりは大きく、プレイヤーがしっかりと聞けるようなサイズにしました。

完成したらそこで終了です。ウズ運営に公開日などを相談し、準備を整え、皆様に遊んでもらうのを待つばかりとなりました。


■ウズスタジオで作った感想

シンプルに分かりやすかったです。
まるでマダミスにおいてのRPGツクールみたいなお手軽キットという感じです。要素を埋めてアップロードすればすぐに反映され確認も楽。とても便利です!
ですが、やっておいた方が良い点・分かりにくい点などいくつか気になった部分もあるので(あくまで私の主観です)メモしてみたいと思います。

●良かった点

まずは良い点を書き出しておきますね、疑問点ばかり挙げるのもアレなので。

①不備防止機能
②グラフィックデザインが不要なこと
③ウズスタジオで作るという一体感
④運営サポート

こんな感じです。

→①不備防止機能
できたマダミスをアップする際、不備が無いかチェックしてもらえる機能です。人力で見逃してしまう入力不備などを減らしてくれます。あくまでウズで動くかどうかという判定ではありますが、それでも不備が減るのはとても助かります。

→②グラフィックデザインが不要なこと
ウズは基本のフォーマットが整っているので、グラフィックデザインはそこまで必要でありません(ロゴやイラストはあった方が良いので)。制作コストという面で助かります。個人でマダミスを作る人への負担が軽減されます。

→③ウズスタジオで作るという一体感
ディスコードの専用サーバーで色々と制作過程をレポートしたり、テストプレイヤーを募集したりと、コミュニティが形成されています。同じ境遇の仲間たちがいるという安心感というか、なんかそういうのを感じられました!(特に自分が交流したというわけではありませんがw)

→④運営サポート
説明用のページがあったり、音楽の調整方法やその他の制作に関するノウハウなどもあります。また、最終的に完成したゲームを運営がチェックもしてくれます(任意)、マダミスを作るのが初めてで不安って人も安心……ではないですか?

●やっといた方が良いこと

ずばり「ウズでのマダミスプレイすること」です。理由は下記の通り


→表示/構造
ウズスタジオによる作品がどのように表示され、どのように進行するのかという構造理解は必要です。「構造を理解=できることの判別」なので、それを踏まえたシナリオ執筆が可能となります。
まずはウズスタジオ作品で何度か遊んでください。また遊ぶ場合は自分が作りたいプレイ人数やプレイ時間などが近い方がより多くの知見を得られるかと思います。

→タブという概念の理解
タブ表示はウズマダミスの特徴の一つです。キャラクターシートや追加情報などをタブで管理することで、スムーズに遊びやすく設計することが可能です。最適なタブ数やそのあたりも体感で得ておくと良いでしょう。

→カードの有無
ウズでのマダミスにはカード機能はありません(2022年6月3日現在)。代わりに疑似カードシステムの「手がかり」があります(得た情報を秘匿するか特定に見せるか全体公開するか、などが可能)。盤面を用意せずともカードでプレイ体験を損なわずに遊べます。
ですが、運営主導の作品に「手がかり」はありますが、ウズスタジオではそれがありません。タブや条件などを調整して疑似的に近しいことができますが、やはり「手がかり」のような挙動は難しいです。カード取得タイプのルールは採用できないということを考慮しておくと良いでしょう。

→GMレス作品は作れない
ウズはGM不要で遊べはしますが、厳密なことを言うと「進行役不要で遊べる」というだけです。「GM不要」と「進行役不要」は大きな違いがあります。本来のGMが必須な作品の場合、裏で条件を満たした人に情報を与えたり、一人の登場人物として存在したり、などGMが進行をするだけでは済まない作品が多々あります。現時点でそういったことはウズではできません。
ウズはあくまで「進行役不要」ということを認識しましょう。

ということで「ウズの理解」が大事だということをお伝えしました。また、制作中にシナリオ内容の修正が発生することは多かれ少なかれあると思います。誤字脱字・文字統一といった修正であれば良いですが、段組みが変わると、オープニングにあらたなキャラクターにセリフをしゃべらせるなど、枠組みに関わる修正は意外と大変です。
それを踏まえると、事前にテストプレイを重ね、ある程度完成してからウズへの移植をすると良いと思います。

●わかりにくい点

→編集画面について
編集画面がウズにおいてどう対応しているか、ということは最初分かりにくいと思います。ウズでマダミスのプレイ回数を重ねることで、対応箇所の理解ははかどると思います。

→BGM調整
実際に聴ける音量と実装後の音量が違うようで、少し手間取りました。現状ではユーザーごとに調整ができるので任せてしまえばよいのですが、とりあえず爆音にならないように気を付けました。

→投票&エンディング
投票結果によってエンディングがどうなるか、という繋がりの設定。若干戸惑いましたが、理解したら簡単なのが分かりました。ただ、分岐を作るにはかなり苦労するので、そういったシナリオを作り辛いです……。

→変更可能箇所がどこか
ウズスタジオのテンプレート(修正できる部分できない部分)を把握するのが難しかったです。たとえば「ゲームの流れ」での「キャラクター選択」や「ルール確認」といったテンプレートは必須であったり、その時間設定、また「オープニング」などの字の文の担当者が確定的での説明(音声入れたら読み上げないので、その説明分を変更したい)など。他にもありそう


■まとめ

あんまりまとまっておらず、とりとめのないレポートになりましたが、下記の通りです。

●思っていたよりも簡単

もっと手間取るかとは思ったのですが、どこに何を入力するかというのが明確で、画像配置・BGM配置・音声配置といったこともスムーズにできました。もちろん普通にマダミスを作るよりも手間がかかることはかかるとは思いますが、操作が分かれば苦ではありませんでした。

●ウズでマダミスを遊ぼう

普通にマダミスを作るわけではありません。いくつか例を挙げましたが、あくまでウズマダミスを作ると思って進めてください。ウズではできることできないことなどがあります。もちろんやろうと思えばできること、もあります。今後も運営さんがアプリを開発し、さらに遊びやすくなるかもしれません。
そのあたりの機能や表示などを理解することで、よりウズに適したシナリオが作れるのではないかと思いました。

●みんなで作ろう

マダミスを作るのって大変ですよね。自分も何度も制作に携わっていたりしますが、楽なことはそれほどありません。大体大変です。その大変さは、ゲーム内容や販売環境など様々な要因で異なります。本当に投げ出したくなることもありますが、完成した時にはその苦労が喜びに反転することが多いです。自分ももっと色々制作していきたいです。

ウズスタジオでマダミスを作る場合も、大変かもしれませんが、コミュニティでのやりとりや運営のサポートもあると考えると、制作環境としてはとても良いものではないかと感じました。ウズでマダミスを遊んでいて自分でも作ってみたい、という方がいらっしゃったら踏み込んでみることをお勧めします。創作をみんなで楽しみましょう!

以上! 拙いながらにレポートとさせて頂きます。


追記(2022/08/01)

●キービジュアルについて

少しだけ思ったことがあったので延長戦。
ウズスタジオで制作した作品には、それぞれゲームのタイトルとビジュアルを示すキービジュアルというのを配置できます(横縦比は16:9です)。ビジュアルやタイトルは、遊ぶ前に見るものなので見た人に興味を抱かせるようなデザインだと好ましいでしょう。
ただし、重要な点がありましたので、そちらをご注意させて頂きます

クマコインワンダーランドのキービジュアル

スマホ(自分はiPhoneSE)での表示はこのようになっています。中央にタイトル、そして左右にメインキャラクターをレイアウトしました。こちらはキャラクターイラストとして分割できるように、かつキービジュアルとしても使えるようにイラストレーターの竹内ユタケさんに相談しておりました。
上記はゲームを遊ぶ前に見える状態です。さて、ゲームを一覧で見た場合は下記のようになります。

ウズでの一覧表示

同じキービジュアルを使用しております。
伝えたいのは右下に「スタジオ投稿作品」という白い下地の文字が強制的にレイアウトされるということです。それは特に一覧表示の場合に大きな比率として掲載されます。
クマコンの場合は、タイトル・メインキャラクターがギリギリ表示できているのでセーフだと思っておりますが、それでもギリです。他の作品をいくつか拝見していると、この「スタジオ投稿作品」という文字が入ったせいで、タイトルが被って見えないというようなものがいくつも確認できました。
実はこちら、有料作品でも同じようなことが起きていますので(「〇〇〇コイン」と入ります)、ぜひキービジュアルを作成される場合は、右下に文字が差し込まれる、ということを意識してご準備をすることをお勧めします!

※よく考えたら、タブレットやPCやアンドロイド端末など遊ぶ環境は様々なので、必ずしもこの表示に当てはまるわけではないと思いましたが……iPhone勢はこう見えるよ、というご提案でした。


追記(2022/08/09)

ウズアワード2022上半期 RP部門受賞

ありがたいことに本作は「ウズアワード2022上半期」のRP部門を受賞しました!(RP必須なので対象狙いでしたが……いえ、嘘です。ありがたい!)
その記念に、スタンプ画像を運営様から頂いたのですよね、一目で受賞作と分かるように。ということで早速、そのスタンプの画像をキービジュアルに入れてみました!

クマコが隠れたー!(位置は左上で共通という指示があります)
ということで、ウズスタジオでキービジュアルを制作予定の方は、右下に「ウズスタジオ制作」という文字が入り、評価されると左上にスタンプが押されるということを念頭に置いておきましょう。
こちらは、後日調整したいと思います。

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