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ブランチュール

A:どうもー、おかしクラブでーす
B:違います。オカリナとゆいPのおかずクラブみたいなこと言わないでください。
A:間違えた。
B:どうしたんですか。
A:僕、こう見えて実はおかしが好きでして。
B:へえ。どう見えてるかは知りませんけども。
A:今はブランチュールにハマってるんですよ。
B:ああ、アルフォートの仲間みたいなやつですよね。
A:おい、失礼なこというな。ブランチュールはブランチュールなんだよ。お前、梨のことをりんごの仲間っていうか?
B:言うよ。普通に言うよ。
A:そか。まあ、とにかくブランチュールはサックリしたラングドシャクッキーで上品な甘さのチョコレートをサンドしてあって、まろやかな味わいのクッキーとそれぞれのチョコレートが織りなす、絶妙な味わいを楽しめるおかしなんだよ。
B:すご。え、きも。公式サイトみたい。
A:暗記しちゃってるから。
B:やっぱきも。
A:なんだろう。やっぱブランチュールはおかしそのものとしての味はもちろん神のごとくおいしいなんだけど。
B:おまえ神とか軽々しく言うタイプか。きええ。
A:色・形・香りとか食べ物としてのすべてにおいても最高の完成度なんだよ。
B:うわあ、うるせえ。
A:味わっている時間そのものが至福というか。その体験が永遠に自分の中に残り続けるところにも価値があるというか。
B:はい、もうやめてください。うるさいです。
A:何だよ、止めるなって。人が愛を語ってるんだから。
B:それがうるさいってんだよ。
A:そうかい、ごめんなさいね。
B:ちなみに僕らメーカーさんから頼まれてるわけじゃないですからね。大丈夫ですよ。
A:とにかくめっちゃ好きなんですよ。
B:まあね。そこは否定しないけども。
A:でも、どうにも理解できないことが1つだけあって。
B:ええ、あんなに褒め倒してたのに。
A:コンビニとかに売ってる筆箱みたいなケース入りのやつじゃなくてさ。
B:普通のやつね。
A:なんていうの、ぽっちゃり向けというかお得版というか。いっぱい入ってる袋のやつあるじゃん。
B:ああ、ファミリーパックとかいうかもね。デブと言わずぽっちゃりとソフトに言ったところで悪意は変わらんけども。
A:そうそう。あれがね、まったく解せない。
B:いっぱい入っててお得でしょうに。どこがさ。
A:あの1パックの中にホワイトとチョコの2種類あるのね。
B:へえ。
A:で、その2種類が袋の中でごちゃまぜになってるんじゃなくて、プラスチックのトレーにきれいに収まってるわけですよ。
B:おお、いいじゃん。
A:そこまでは百歩譲って良いとして、俺が許せないのは2種類が完全にセパレートされてるってとこ。
B:意味わかんないよ。どういうこと。
A:セパレートされてるから、普通に袋を開けたときにホワイトかチョコのどっちかしか、こっち側に揃ってないわけ。
B:ほお。いまだによくわからんけど。続けてください。
A:ファミリーパックで2種類あるんだからさ、袋に手を入れてホワイトとチョコどっちかなー、あチョコだった!みたいなプチサプライズが楽しいわけじゃん。
B:楽しんでますねえ。
A:だのに!
B:だのに?
A:セパレートされてるから、はいはい最初はホワイトですね。て感じでもうわかっちゃってるからおもしろくないんだよ。
B:いまだによくわからない。
A:わからないかあ。
B:袋の中にバラバラ入ってると割れちゃったりすんじゃない。それを防ぐためのトレイというか。知らんけど。
A:そうなんだろうけどさ。ホワイトの列、チョコの列て分けるんじゃなくて、それぞれ交互に並べるとかさあ。
B:それも手間つかコストになるんでしょうね。
A:ムリかなあ。
B:別にいいじゃん、おいしんだし。
A:いや、なんか好きだからこそ憎いというか受け入れがたいというか。買うたびにガッカリするから絶好しちゃってんだよね。
B:絶好!?あなた、おかしと絶好してるのね。珍しい。
A:愛ゆえにね。
B:うわ、サウザー。
A:うるせえよ。
B:お前が言ったんだろ。いや、苦言を通り越して不買しちゃったらダメでしょ。それで売上悪くなって販売終了とかなったら取り返しつかないじゃん。
A:俺一人が不買したとこで影響ないだろ。
B:そうだよ。調子乗んな。
A:お前が言ったんだろ。
B:きびし。
A:販売終了も仕方ないかなあ。愛ゆえに。
B:気に入ってんじゃねえよ。
A:その時は受け入れるよ。
B:あら、そこは意外と。
A:ブランチュールの至福の時は、永遠に残り続けるからね。
B:どのみちやべえやつだな。
A:今日のギャラ、ブランチュールにしてもらおうか。
B:ざけんな。


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