拝啓、大学生のガミー①
2017年4月は僕の大学生活の始まる。
俺は高3の1学期から絶対に大学デビューすると
決めていた。
高校ではもう彼女ができる気配はなく、
高3にもなると俺の学校での立ち位置は取り返しがつかず、角行も飛車も取られ
王手されては逃げ、王手されては逃げの繰り返しだった。
なら、大学では初手からバチん!と居飛車で攻めて行こう(大学デビュー)と決めた。
・まずは髪型だ。
髪を茶髪に染め、ツーブロックを決め込んだ。
〜飛車が動く〜
・次に服装だ。
高校3年間1度も服を買った事が無かったので
オシャレな友達に服から靴まで選んでもらいダサ男から脱却を目論んだ。
〜金と銀も使う〜
・そして、一番苦手な女子との会話。
これが一番大事だ、女子と話す時何故かカッコつけてしまう癖を治す為友達に温泉で擬似合コンを何度もやってもらった。これをやっておけば
あ、これはあの時の流れだと安心してしゃべる事が出来る。
〜金と銀が成る〜
バキバキに仕上がった俺は初めての顔合わせである学部ガイダンスに乗り込んだ。
しかし、不運が起きる。僕は大学にスポーツ推薦で入学してる事により前日に部活動に参加していた。その時、足首を捻挫してしまったのだ。
そのせいで、せっかく買った靴がテーピングで履く事が出来ず、歩くのも精一杯で足を引きずりながら歩くハメとなった。
僕はガイダンスにクロックス足引きずりデビューをかます事になる。
〜角行をとられた〜
しかし、それが陽キャにウケ、話しかけて貰えたのだ。
そして陽キャの飲み会にも誘われた。
(陽キャは既に陽キャで友達を作り、飲み会の計画までしていたのだ。恐ろしい)
俺はデビュー成功を目前としていた。
LINEを交換し、飲み会のグループに招待され
そのグループを覗くといかにもパチンコと麻雀を4年間しそうなトプ画の人ばかりだった。
〜飛車が成る〜
これだよこれ、俺は大学で1軍に属するんだよ。
1週間後にある飲み会で俺は変わるんだ。
〜王手〜
俺はその飲み会を飛んだ。
怖かった。
酒を飲んだ事がない僕が飲み会に行って、馴染む事が出来るのか?
変なノリとか始まって断ったらどうなる?
そもそも何も喋れず空気になってしまうパターンはないか?
そんな事がよぎって怖くなった。
何を弱気になっている俺、
1軍に属して童貞を捨てるんだろ俺、
これは待ち望んでいた未来じゃないかと
何度も自分を鼓舞しいい方向に持って行こうとしたが、人間服装や髪型を変えた所で中身は何も変わらない。
〜飛車をとられた〜
俺は見事に大学デビュー失敗を迎える。
後に、非常階段で1人で弁当を食べる事になるくらい失敗する。
〜歩しか残っていない〜
だが、大学デビューには失敗したが
僕はあの飲み会に参加しなくて良かったと
今では思っている。
だって、あの飲み会に行ってたらおもんない人間になっていたから。
参りました。
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