この楽器、和音が出ない
ぼくがやってきた楽器って、ピアノ、ギター、トランペットです。やってきたっていうのは「演奏」と言えるもの…ぐらいの。
ドラムとかベースは、やったことある、程度なのでまぁそこは省く。
耳コピで気が狂う日常茶飯事
ピアノは幼少期の頃にやって、すぐにやめました。まぁ、きつかった。昔のピアノの先生って(今はどうか知らないけれど)怖いのよ。先生っていうても母親なんですけどね。
母親だから厳しかった…とかじゃなく、結構あるあるかなって。あ、まぁそれはええか。そこからは、ぽろんぽろん、程度です
中学生の頃にギターを始めて、そこからずっとギター。大学ではバンドばっかり。毎日耳コピして練習して、なんやろう、あの大学生の無敵感というか、体力とか健康そっちのけでやる気持ち。
耳コピって、歪ませまくったギター、聴き取れん!速弾き…技術以前に耳コピする技術…。知識があれば予測できるだろうけど当時は…むずい。
「昔は良かった…」の逆です。今のほうがいい。再生速度を変えることもできなかったし…「音楽を再生する」ひとつにしても大変なのよ。ぼくはデータで音楽が聴け始めてた世代だったけど、CDは厄介者だった。巻き戻したり、繰り返したり…細かくワンフレーズをリピートできない。
やってはないけど「巻き戻してリピートする」っていうのはカセットテープが一番便利なのかもね
1秒間の中の最大6つの音を理解するのに1時間以上とかかかってた
ギターって和音が出せるから、コードの耳コピがめっちゃ難しくて…基本的なコードならわかるけれど、テンションコードとか少し捻られるともう…
これはなんでかっていうと、これまでの自分の中にそのコードの押さえ方や知識がなかったからだと思う。
ぼくは当時、パンクとかロックを演奏することが多くて、パワーコードが多用されてた。ので、うーん例えばACIDMANを弾いてみた時に、まぁコードわからんなって…BUMP OF CHICKENもそう、the band apartは複雑やし速いし
パワーコードが悪いとかではなくて、和音ってめっちゃ難しいなって思いました。極論、弦は6つなわけだからそれぞれの音を分解して拾えば弾けるやろう…
こういうの、もっとピアノを理解してたら早かったのかも。あ、それで逆に思い出した記憶が、パワーコードって発明よな、あんな簡単にかっこいい音が出るなんて(唐突)
…
とまぁそんな感じで脳筋?耳筋?で耳コピしてたけれど、たぶんもっと理論的に考えれば賢い方法あったんでしょう。あとタブ譜、あてにならなすぎだった(わるぐち)
和音が出せない楽器に出会って
そんで、トランペットを後に始めるんやけど、その時に衝撃だったことがひとつ。
この楽器…和音が出せない…!
「何を言うてんねん」って思うかもしれないけれど、わかる人にはわかってもらえるかも。和音が出せない、というか、同時に音が複数鳴らせないってすごいことだなぁと思いまして。
これはとてもおもしろくて、めっちゃ尖った楽器だなぁと。もちろん、自分史上でね。
だからこそ気付いたんですけど、周りとセッションやバンドをして、自分のトランペットの音が周りと和音を奏でる(表現合ってる?)っていうことにめちゃくちゃ感動しました。
ビッグバンドでトランペットを吹いてて、ぼくが入ってたのは4人のトランペットがいて…その4人で和音を作るみたいな場面もあり、その延長で、他の楽器とも和音を奏でる的な
吹奏楽など出身の方はすぐに理解できるかもやし、何をいまさら…って思うかもしれないけれど、音楽体験としてめちゃくちゃ有意義な経験でした。考え方とか聴こえ方、感じ方、演奏の仕方が変わった。
経験をしたっていうことを思い出す
ひとつの楽器を突き詰める、複数の楽器を経験してみる…それはどっちでも良くて、人によるし、なんなら楽器できなくても音楽作れる時代。
楽器が弾けないからこそできる音楽も必ずあるわけで、別にそれに関しては、もう人それぞれで、おもしろいことだと思う。
けれど、なんかこういう、トランペットを始めて、ひとりで和音が奏でられないことに気付いて「うわ、そうか」っていう驚きというか発見みたいな思い出?経験はちょっと定期的に思い出したいなって思います。
知ってることを反芻するのも良いけれど、知らないこととか初めての音に出会った時って感動するなぁ、そういえばしたなぁ、などと。これからもきっとあるんでしょうな
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