魔法も、奇跡も、あるんだよ

それが嘘か誠か、信じるのは貴方次第。
メイド喫茶の魔法って知ってるかい?
今日はそんなお話。

メイド喫茶のキャストの言ってることを、俺がどれくらい信じてるかといえば、まあ半分くらいとでも言っておく。
それはキャストにもよるし、話題にもよるし、俺自身のメンタルにもよる。
だがこれは俺なりに経験則があって言っていることなので、他の客ともなればキャストの言うことの全部が全部を信じてる方だっているだろうし、それはむしろ立派なことだと俺は思うのだ。

気付かないことも多いだろうが、客は自らが思っているよりキャストから見られているし、大事にされている。
そしてキャストはおそらく自分が思っているより客から好かれているし、その言動を観察されている。

だから経験がそれなり伴ってきた方々……これは客もキャストも同様だが、定期的に店での話が嘘か本当かわからなくて戸惑うことがあるだろう。
会話の端々にある矛盾や態度を汲み取って、それを感じることが次第に多くなる。

メイド喫茶の世界において、自分の言葉を信用させる手段って非常に限られていることを、多くの人は知らないか、あるいは知っていて放置している。

客もキャストも、双方が嘘や適当で誤魔化したことを、双方の都合のいい解釈で上塗りしていくしかない。

それを許容させる世界がメイド喫茶であり、またそれがメイド喫茶の魔法だ。

そして別名、『優しい世界』である。


それがいいことか悪いことか、それは考える意味がない。
メイド喫茶は元々そういう場所であり、そういう環境で育っている。

だからそれをどう使うかが大事だと思うのである。
キャストも客も双方である。

嘘をつくことは悪いことだ。
なんて綺麗事は言わない。
あるいは優しい嘘なんてのも、俺は好きではない。
だが、真実を全て喋ることは、メイド喫茶の世界にはそもそもそぐわない。
それは殺伐とした現実世界の中だけでいい。

と、まあ厳しい話をしておく。
これはあくまで前提の話なのだから。


ご期待に応えることもたぶんごろーの役割なのだろう。
じゃあこの魔法の世界で恋愛は成立するのかって話でも始めようか。


まあ俺としての答えはノーなのだが、それでは幾分味気ないだろう。
なら逆に、イエスの可能性でも探ってみようか。

例えばそうだな。メイド喫茶で人を好きになるきっかけって何だろう。
それは見た目かもしれないし、性格かもしれないし、態度や会話かもしれないし、仕草かもしれない。
丸ごと全部っていう人は、そりゃまあ随分と不幸な出会い方をしてしまったな。

俺は正直、メイド喫茶という場所では第一印象程度でしかその人を評価できない。

客として言うと、正直可愛いと思えるキャストって一つの店にもたくさんいるし、見た目どうのこうので恋愛をする時代はとうに過ぎている。
すると性格はどうかって話だが、そんなもんは実際付き合ってから気付くことだってよくよくある話で、キャストと客の距離感でわかるようなことなぞ知れている。
態度や会話に関しても、金銭を介してサービスを提供されている状態で、むしろ喜ばせる話や態度すらできないのは論外なわけで……。
仕草もカウンター越しだからこそ映えることだったりするわけだよな。

で、率直に言って
これで真剣に恋愛しろって言う方が無茶だと思うし、あくまで「んー。まあアリだな」くらいにしか思わない方が正常だろう。

なので、俺は異常者に分類される人間だし、今更それを否定しない。 

まあいいや。好きになったら仕方ないもんな。

じゃ、次。
好きになったとして、相手にそれをどう伝える?

メイド喫茶で告白したことがあるだろうか?
俺はあるよ。
顔面にケーキぶつけられたけどな。

まあ、そんなことをしでかすのは俺や俺の先人達だけで十分だし、それを魔法のかかった世界でやったところで何の意味も成さないのは多くの人が想像する通りだろう。
無意味とは言わないが、無価値にされるリスクを背負ってそこまでやる奴は……


俺は大好き……だな。


そういうバカがめっきり少なくなったけど、俺はなんだかんだそういう奴が好きだ。
結局勇気と覚悟の問題だと思うし、それを素直に表現できる人間ってそんなにいない。
さすがにそれを具体的に禁止してるメイド喫茶も見たことないし、それをやってのけるバカは想定していないだろう。
まあ迷惑行為と言われたらそこまでだが。


ああそうか。最終的にはこれしかないかもな。
命の保証はないけど。

あとはそうだな。
付き合うとして、色々背景問題はどうすんの?

これもクソめんどくさいところだが、客が客を続けるのか、キャストはキャストを続けるのかっていう問題を丸投げする輩は結構多い。
まあその結果悲惨なことになるケースを幾度も目の当たりにしたきたわけだ。

どうやったってどうせキャストにはバレるし、そのうち客にもバレる。
そりゃみんな拍手喝采お幸せにー!みたいなことになりゃいいけど、現実はそんな生温いもんではない。
はっきり言って店からすればいい迷惑だろうし、とっととキャスト共々消えてもらうに越したことはないだろう。
大体はコソコソしてるつもりでダダ漏れだし、そのスリルを楽しんでいるだけなのだから、他の客としてもいい気分ではない。
これは結構恨まれるし、人間関係を破壊するから俺はオススメしない。
なぜか安易に他人を信じすぎるのも、メイド喫茶の魔法に毒されているせいじゃないかと思うよ。

ま、ともかくこういう事態の当事者にもしなったとしたら、それまでの関係性は全て無くなると思った方がいい。
そんくらいの犠牲は双方覚悟しなくてはいけない。


まあ以上の理由から、俺は安易にメイド喫茶の中だけで恋愛云々を考えるのはナンセンスだと思うのだ。

つか、そんなのは恋愛ではない。
ただキャストと客の恋愛に高揚しているだ。

まあ少し助言をするとすれば、出会い自体は否定するつもりはないし、本当に好きかどうかを見極めたいなら、もうそれは全て外の世界でやればいいんじゃないかってことくらいだ。

だから俺は……ああ、俺はだからね。
俺は店外とかはちゃんと(?)した方がいいと思うし、そこからまず恋愛に発展するかどうかを考えた方がいいと思う。
それも周囲に迷惑になるようであれば、もう早々に店から消えた方が双方のためでもある。

褒められた話ではないが、そんな席に至って「こいつアカンやん」て思うことなぞ、いくらでもある。
それくらいメイド喫茶の魔法は強力だし、認識を甘くする。

でもまあ逆に言えば、そんな程度の関係性の人間たちを結びつけるのも、メイド喫茶の魔法のすごいところだろう。
それはそれで大切なものだと思うし、各々優先順位を考えて欲しいなと思うのである。

正直ここまで話す気はなかったが、あれもそれもメイド喫茶の魔法なのかもしれない。
あくまで俺個人の考えなので参考程度に留めて欲しい。

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