ごめんな、モルモル

8年間、うちにいてくれたモルモットが召されてしまった。ぼくの猛反対を押し切って飼うことを決めた子供たちは既に家を出ていて、それどころか家内も留守がちで、近頃は専らぼくが世話をしていた。それだけにかなり情が移ってしまっていて、なんでここまで仲良くなってからこういうことになるんだろうかと。シコリと間違うくらい骨がでっぱってきたり、ぼくが容易に捕まえられるくらい動きが鈍くなったり、柵から草をひっぱりだすことができなくなってきたりと、予感はあった。それでも餌は大量に食していたし、水もがぶがぶ飲んでたし、何よりぼくを見るたびにきゅいきゅい鳴き叫んでいたから、まだ大丈夫だと思っていた。一昨日、昨日と次男の入試の付き添いで家内が不在になり、当然ぼくが世話をしたのだが、丸まってまったく動かなくなって、寒がっていたので、てんやわんやで暖かい場所に移して、そしたら動き始めたのでほっとしたばかりだった。ケージが邪魔になってまともな写真撮ってないなあとか、きゅいきゅいを動画に収めないとなあとか、そんなことを思いついたばかりだった。ちょっとばかり憂鬱な用事で家を留守にしていた。家内から「危ない」とlineが入って、すぐに折り返したらもう泣いていて、「もうだめだからお医者さんには連れて行かず、最期まで一緒にいてやる」と。それでも自分は大慌てで高速に乗り、でも途中で電話が鳴った。最寄りのPAで電話すると「もういってしまったからゆっくりでいいよ」と。祖母も祖父も父も間に合わなかった。そして今度も。家に着いて亡骸を見る。目が若干違うけれど、でもまだ生きてるみたいだ。なでてやったら軽く動いた気がして、「動いたぞ」と。でもそれは気のせいだった。ほんの一日なのにすっかりやせ細っていた。こんなことになるのならもっとあそんでやればよかった。どうせ寿命が尽きるのなら庭に放して、四方八方草だらけのところを歩かせてやればよかった。なんでこうかなしいことばかり起きるのだろう。さすがに早まる気はないけれど、世間さまから見たらちっぽけなかなしみだろうけど、それでも喪失感が大きくてぼーっとしてしまっている。

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