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この町の話

この町に本屋があればいいのにと思うたび、「ブックオフがあるじゃないか」と思う。
そして、そうじゃないんよなと思う。

TSUTAYAが信用金庫になって、その信用金庫も見慣れてきた。信用金庫の人が朝、店の周りを掃除する日常。爽やかな朝。

かつてカラオケも入っていたパチンコ屋があった場所はにょきにょきとマンションが建とうとしている。人が増えるのはたぶんいいこと。ここは人々が通り過ぎるだけの町だから。

スーパーに続く小さな道の名前募集が少し前に行われていて、先日その道を通ると名前決定!のポスターが貼られていた。そうでしょうなと納得するようなシンプルな名前だった。
親バカなので子供の名前をこの道につけようかと応募しかけたが、子が大きくなった時にそれが原因で嫌な思いをするのが怖くなってやめた。してもしなくてもその道はシンプルな名前に落ち着いただろう。

駅前のドラッグストアにたまに行くが、ネットが繋がりにくく、レジに来たはいいものの、ポイントカードをスマホで表示させるために少し外に出るという間がある。
私自身はそれに慣れてしまったので当然のように外に向かうが、店員さんによっては「なんだこの間は…?」という感じの間がうまれる。
いつも支払いする直前でそのことを思い出すのである。

この町に本屋があればいいのに。ブックオフは本屋というより古本屋だし。とはいえ定期的に行くからそのままでいて欲しいけど。あいらぶブックオフ。ブックオフ永遠に。

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