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「太田記念美術館」で唸るの巻/東京探訪2Days②

「文学フリマ東京37」の熱狂から一夜。
11月12日の早朝。さらりと降った雨で濡れた、原宿の歩道を歩く。

原宿。
そんなところに、その建物はある。
太田記念美術館。浮世絵専門の私設美術館である。

東京探訪の隙間時間に訪れるにはちょうどいい場所なので、何度か訪れたことはあった。だが今回はお目当てがはっきりしている。

葛飾応為が手掛けた肉筆画「吉原格子先之図」である。

太田記念美術館所蔵のこの絵を、今回はどうしても見たい。
そう思った理由は、改めて書くと長いので省くがひとことでいうのなら
「林家あんこさんのおかげ」である。
ひとりの女性落語家の創作落語に突き動かされたのである。

開館時刻の15分前に入口につくと、6人ほどが並んでいた。5分後に後ろを振り向くと、いつのまにか40人ほどの列が。
私同様に、あんこさんの影響を受けた人もいるはず。そう思いながら開館を待つ。

入場するとお目当てはすぐに見つかった。
「吉原格子先之図」は葛飾北斎の娘・お栄こと応為の作として知られる限られた作品の中でも代表作とされる逸品。
あんこさんの「北斎の娘」の中では、物語の展開上、大きな意味を持つ作品でもある。

目の前の絵は、想像していたよりも小さかった。
だが、写真などでは感じ取れなかった質感や緻密な書き込みは伝わってくるような気がする。

ガイドブックも買いましたw

お栄は、応為は、誰のためにこれほどのクオリティの作品を仕上げたのか。
西洋画を思わせる陰影の技術をどうやって身に着けたのか。
ガイドブックには、オランダからの北斎工房への依頼が関わっているのではとの見立てが記されている。が、様々な可能性がそこには横たわっている。
そうした歴史の隙間で想像力の翼を広げた「落語」という創作物が、この作品の魅力を掘り下げる新たなきっかけづくりに貢献していると思うと、感慨深い。

……という、11月12日午前中の出来事。午後には別のお楽しみがありました(結果「西日暮里」の話はまた別だてに……)


太田記念美術館「葛飾応為『吉原格子先之図』」ー肉筆画の魅力

11月26日(日)まで開催とのことですので、興味を持たれた方は、日程に余裕をもってお訪ねくださいw

あっ!なぜこれを入れていなかったのか!追記です!



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