呟き日記 vol.45 日暮れのちひとりごと

急に『絶対にカツパン』の気分になり、横になってた身体を起こして読みかけの本とイヤホンをカバンにつっこんで家を出た。
雨上がり、風のある夜は涼しくて歩きやすい。いつまでも、どこまでも歩いていけそうだ。夏の夜の匂い。

恋は雨上がりのように、アニメ版をみた。
45歳独身バツイチのファミレス店長。生き様が真っ直ぐで誤魔化しが一切なくてすきだった。『夢を捨てきれないのは、未練じゃなくて執着だ。』って台詞が胸に響く。執着が、忘れかけてたただ純粋な気持ちを、単純な動機を、呼び醒すことがあるということ。それは、唯一の希望でもある。
日記を書くことをやめられないのはなんでだろう。残したいこと、忘れたくないこと、憶えていたいこと。そんな大層な理由じゃなくて、忘れてしまっても構わないような、気にも留めないような、振り返っても思い出せないような、そんなことだとしても。
『そのときに書いた』という事実が、すべての理由なのだから、べつにそれでいいじゃないか。
考えても答えの出ないことをどこまでも考えてしまうのは、あつさのせいで頭が溶けてしまいそうだからなのか、そういう熱の渦にのまれてしまっているからなのか、わからないけれど。

読みかけの本、なかなか最後の項目が読めずにいる。3.11のはなし。今まで本は、読みはじめたらその1冊を最後まで読み切ってしまわないと、次の本に移ることができなくて、それに加え続きが気になって仕方ない為に、大概すぐに読み終えてしまうことがほとんどだった。だけど、そういう本読みじゃなくても、全然いいんだなって、思ったというか、気づいた。読みたいと思ったときに読めばいい。気が向かなければ先送りすればいい。本も、タイミングだ。いくつになっても、じぶんの中の発見があると、おもしろいものだね。

やるべきことを一時でも忘れられる時間を過ごすということも、折に触れ必要なのである。