呟き日記 vol.34 振り返ればいつだってここにいるよ

世(夜)が明けていく空のグラデーションを眺めてる。
冬はじんわりと陽が溢れてくるけど夏は勢いよく日が差し込んでくる感じがする。
冬の夜明けの方が好きかな。何事も"突然"という現象に順応できない。
どちらにせよ、もう夜が明ける。朝がくる。

愛について考えてた。
本読みや音楽を日常的にこなしていくとふと、今までまったく気づけなかったことに眼を見張ることがある。
千早さんのエッセイ。
解説までじっくり味わって、コロナ禍の世の中の一変とか、それに伴う食生活の多様性とか、そんなことが千早さんの視点からそれはそれはもう忘れかけてた(馴染んでしまったともいうかもしれない)当時の記憶を、ひとつずつじぶんの中のページを遡って思い出さずにはいられないほど、鮮明に記録されてた。
『パフェはまだ手土産(テイクアウト)としての普遍性を獲得してはいない。私にとってパフェとは純度の高いエンターテインメントなのだと改めて実感した。』とか『日差しの強さは肌や目で感じる以外にも、アスファルトの灼ける臭いや地面の水分が蒸発する匂いで気づく。こうして、鼻で世界を食べて、季節の移り変わりを知る。』だとか、まさにザ・コロナ禍でしか浮かび上がってこない心の声。
2020年は本当に世界がまるで違ってみえた。
人と人のつながりや関係性や境界線が、よりはっきりみえた(気づけた)気がする。
終わりのみえない日々に馴染める日なんてこないんじゃないかと思ってたのに、いつの間にかすっかり日常にすり替わってた。
大切な人のちいさな変化にも敏感で在りたい。その人をちゃんとみること。感情を言葉や表情に出さない人の微妙な変化だって取り溢したくない。言葉にして伝えるだけが伝えるじゃないし伝わるでもない。だから、ちゃんとみる。

わたしが大切にしていたいのは、出際にしようと思ってたゴミ捨てが気づいた時にはもう済んでるような、選んだケーキを崩さないように大事に抱えて帰るような、そんなささやかな愛だ。ささやかだけど、ものすごく愛。