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「あ、男に戻ろ」と思った話。

おっとが作るお弁当の方が「お母さんが作るお弁当」っぽくて、わたしが作
るお弁当の方が「お父さんが作るお弁当」っぽいなぁと思う。

おっとは色のバランスを考えて綺麗に入れるし、わたしはとにかくぎゅうぎゅうに盛って入れる。色とかは揃えばラッキーという感じで。 自分の弁当に至っては、冷凍唐揚げとお米のハーフアンドハーフだったし。 夫の当初の自分の弁当は10品目くらい綺麗に入ってた気がする。

弁当に限らず、子供への接し方も一般的なイメージの父母逆だなぁって思う。夫の方が細かく気がつくし細かく注意する。わたしは仏の顔も10度まで制だしそんなに気が付かなかったり、気がついてもあまり細かく言っても入らんかもな??ってので見逃す時もあるし。

買い物行ってもおっとは新作スイーツと服を見るのが好きで、わたしはヨドバシでパソコンの周辺機器見たり文具とか本を見るのが好き。なんか一般的な男女のイメージと逆だなぁといつも思う。

男はみんなーとか女はみんなーとかの主語デカ一般論みたいなのに全然当てはまらなくて、20年くらい傷ついたり落ち込んだり怒ったりしてきたけどそもそも、自分は女じゃなかったんだなって気がついた今日この頃でそう気がついたら爆発的に生きるのが楽になった。ありがとう。

ああいう論理がおかしいのではなく自分がイレギュラーな存在だったってこと。

よかったdes。なんかになるんじゃなくてずっと自分に戻りたくてよくうやく戻ってきた気がする。日に日に戻れてる感触があるのは安堵感と地に足がついた感覚をもたらす。無意味に感謝したくなる。何にだろうね?


年末に友達に、リアルに立ち上がるエアちんこの話だとか、その再現方法だとか、自分の性癖を話していたら「へぇ、自分にはわからないけど、きみは本当に男だよねー」とたくさん笑ってもらって自分も「そうだよね、男だよね」って一緒に笑って
その後帰りの電車でふつふつと「あ、男だってこと、認めてもらえた。そっか、男に戻っていいんだ」って気がつくと、わーっと涙がでて止まらなくなった。
え、涙出るってマジかよ、マジでそうなん?となかなか半信半疑だったけど「男に戻る」ってことを思うとその後も何度も涙が出っ放しでしょうがなかったから、ああ自分は本来の性自認は男なんだなって思った。
「男になりたい」ではなく「男に戻る」って感覚。
その後試しに、下着も男物に変えたら失われし自分の体が戻ってきた感覚があってすごくほっとした。最初の方はちょっと泣いた。

別に女をやめたいとか社会的な立ち位置がしんどいとか疑問とかそういうことじゃなくて、僕は単純に男の身体で人とコミュニケーションを取りたかったし人間関係を作りたかったなあって思った。ただ、性癖やなんかが、ただ本当にそこ。
「あー、男の身体で人間関係作りたかったなあ」と思ったら割と涙がとまらなかった。

ずっと女装をしている感覚だったんだよね。って思い出した。中学の時に、制服がセーラー服になって、セーラー服が一番似合う髪型は昭和初期の女学生風のショートボブだ!って思って、昭和初期の女の子のコスプレ感覚で過ごしていたのだ。それ以来なんかずっと女装。
思えば小学生の時はモダンボーイになりたくてできる範囲で男装のような格好をしていたものだよ。

自分が男だって気がついてから、女装はもうやめよって思った。そう思って、ボブだった髪の毛の分け目を変えて前髪をあまり出さないようにした。気分はロン毛の男だよ。
そしてこの前やっと髪の毛を切れた。
気持ちよかった。
そしてもうボブの髪型はやれないなーって思った。
そして「女装」をしていたことがもうあり得ないという感覚にまでなってしまった。遊びやイベントとして、コスプレはできても自分としてはもう認識できない。

ずっと自分になりたかった。「何者かになりたい」という感覚はまったくわからなくて、ただずっと自分になりたくて、どうしたら自分になれるかなあとあれこれ手探りで試行錯誤していた。
「あ、男に戻ろう」と自分が男なことに気付いて認めたら、やっと自分になれたと思った。ほぼ自分。勿論まだ完成形ではないけれど。これだと思った。
驚くことに、自分に戻った瞬間から街の人たちが全然ぶつからなくて向こうから避けるようになってきた。今までずっとずっと、背が低いから舐められていると思っていたのに。そうではなかった。
自分を偽っていて、ずっと自分じゃなかったから、魂が此処になくて存在感がなくて、幽霊みたいな感じだったのかもしれない。

そういえば、女装を始めた中学生の頃から存在感がなくて「え、いたの!?」と驚かれることがたくさんあったな。先生にも名前覚えられないことなんてしょっちゅうだった。

自分じゃないものを生きようとしていたから、自分が薄くなって存在感がなかったのかもしれないね。

思えば20代の頃から冗談めかして何度も言ってたっけ。

「おじさんが転生したら女の身体を手に入れた件」みたいな感覚でずっと生きてる。って。

自分の体というより「女の体」っていう感じで、女の体だから珍しくて遊んじゃうし、おっぱいはえっちだから直視できない。ずっとそんな感じ。女の自分が認められないんじゃなくて「おっぱい!?きゃーえっち///」の方が強いよね。ピュアなおじさん……。

そういう感覚だからなのか、見られることの羞恥心も極端に薄くて……それ以上に「こんな汚いもん見せてしまってすいません、申し訳ない!」と隠す方で。まあ、それは単に僕が消費された経験が極端に少なくて理解できてないからかもだけど。
でも半分くらいは「おじさんが転生したら女の身体を手に入れた件」だからなんだと思っているよ。

社会的に男として認められたいとかじゃなくて、自分の周りの人がなんとなくそれを知っていてくれたら満足かなーという感じ。

それからまたややこしいことに、性嗜好はやっぱりバイセクシャルなので、バイセクシャル男子が女の身体にインストールされてる状態です。
だから、自分が男だって気がついても今のパートナーが好きなことには変わりないし。だからこれに気付いたところで、周りのみんなには何の変化もない。
ただ、自分の服装とかそういうのが少し変わるだけ。
でもただそれだけのことが、自分をすごくほっとさせるし、いろいろなことを楽にさせるなあって感じる。

ここでこの話するのどうかなあと思ったけど、この前朝に、つらつらと連ツイしてたらふらっと吐き出してしまって、そのツイをまとめているうちに、補足しよ……と思ったら補足の方がめちゃくちゃ長くなってしまった。
性自認の話はここまでで、性嗜好の話はまたいつか。

こんなところまで読んでくれる人は、きっと僕に興味がある人だと思うし、そんなあなたにだけ伝われば、僕はそれで良いのです。

よんでくれてありがと!


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