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20221011

泥の雨はひとしきり降り注ぐと
雲は割れ、
空の隙間から光が差し込んだ
そう思ったのも束の間
赤子の叫び声のような大きな音と共にざっと雨が降る。
けれどもそれは
幻のように即ぐに消え去り

ぼくは森の方へ足を踏み出す。
濡れた草が革靴の裏できゅっきゅと鳴き声を喚げ
土や草のあおくてこもった匂いがむっと立ち上る。

泥や何かはもう雨ですっかり流されてしまっていた。
昨日までのことが嘘みたいに。
ぼくは振り返ってあめちゃんを見る

あめちゃんは両手を後ろに組んで
「だから言ったでしょう?」
と笑みを浮かべていた。

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