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昭和餘年の出來事

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昭和餘年という架空の年の出來事。嘘も本當も此處では何も差がありません。
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#嘘吐き

【變格私小説】未來の自分に會ったら死んでた話

◯  愛用の化粧水が此處にしか賣って無いから、僕は三ヶ月振りに橫濱みなとみらいのワールドポーターズに來て居る。  エスカレーターを上って二階に着くと「未來の自分に會える」と云う體驗型のゲームイベントが開催されて居た。此處も良く入れ替わるよなーと思いながら僕はお目當ての化粧水を買う爲に昇りのエスカレーターに足を踏み出すのだが、その瞬間出て來た男女が「凄いね」「ちょっとヤバいな」と沈鬱な表情をして居たのが目に入って仕舞い、子供騙しのお遊びだとばかり思って居た僕の興味を引いた。

煙草の味を知りたがる人には、煙を吸い込んだ時に接吻してあげれば良いんだね。さう云つて僕は甘ひ香りの煙を吐きます。

死にかけの蟬を助けた話。

8月の盛夏の頃で在つた。 洗濯物を干さうとベランダに出たら蟬が死んでゐた。灰色の蝉だつた。 此れはニイニイゼミと云ふ蝉で、餘り鳴かないと言ふことを昨年調べて知つてゐた僕は、萬が一生きてゐたとしても大きな音は出さないだらうと思つて、輕く箒で履いた。 その瞬閒、蝉はぴくぴくっと體を動かした。 なんだ生きてるんぢやん! と予期せぬ蟲の動きに僕は心臟をバクつかせ、瞬時に2、3步ジャンプで後退りする。 さて、此れからどうしよう、と僕は考へ込む。 ところで僕は、前の人生で人閒の生を終へ

幾島溫くんに就いての詳細。

名前:幾島溫(いくしまをん)/on 転生した昭和2年のモダンボーイ。嘘吐き。文章をたくさん書きます。 偏愛する渡辺温から名前を戴きました。お話する時ややこしいので僕は旧漢字の溫にしました。好きすぎて「溫」を名乗るのはタブーかと思い込んで居たのですが、知人に軽く「温にしないの?」と言われたのを契機に溫にしました。 自分の前世を澤山思い出して仕舞いました。前の人生は渡辺温としか思えない事ばかりなので、僕は自分を渡辺温の生まれ變わりだと思って生きて居ます。 ↓出來るだけ冷静に書