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せんちめんたる・なんせんす

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嘘吐きは夜の海を散歩する。嘘吐きの僕の日常のことです。
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#作家

前の人生を思い出したと云う友人の話(1)

「僕の產まれる前の人生は、明治生まれの男で閒違ひないやうだ」 さう言つた幾野君は手に持つた白いマグカップに口を付けた。 「小さな弟たちが居たり姉が居たりとそんな夢を見る事がある。皆んな着物を着て居たよ」 「突然呼び出したと思つたらそんな話かい?」 僕は首を些か右に傾けて、彼に向かつて歎息とも笑ひともつかない聲を溢す。 「否、それだけでは無いんだけどね。ここ最近、生まれてこの方體驗した筈が無い事を思ひ出し續けてしまひ、氣持ちを持て餘して居るんだ。けれど此樣な事を誰彼構はず話した

僕は嘘吐き

●A面 僕の肩書は「[嘘吐き]」。英語で書く時は「fabulist」。 嘘吐き(うそつき)と云う肩書にしたのは、僕には「小説家」や「作家」「文筆家」……等々、そう云うものがどうもしっくり来なかったからだった。 僕が書いて居るものなんて、小説や文芸、随筆エッセイ評論等々、どんな文章作品にも当てはまらなくて、「嘘」位なものなんです。 僕は君たちを氣持ちよく騙せるような、質の良い嘘を沢山吐きたいと思って居ます。 ●B面 「嘘吐き」と云う名称に思い当たった時すごくしっくり來る