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エクセルのAI「Copilot」日本語化!しかし企業向けと個人向けで機能の「格差」発生?

エクセルのAIアシスタント機能「Copilot」が、ついに日本語に対応しました!

ただし、法人向けプランのみが日本語対応しています。

・個人向け(Copilot Pro)
・法人向け(Copilot for Microsoft 365)
どちらも契約して試してみたところ、現在、機能に差が出ていることがわかりました。

具体的には、
・Excelの操作や数式についての一般的な応
・VBAのコード生成
などに機能の差が生まれています。

今回はそれらについて図を用いて詳しく整理します。


以下のVoicyの放送のAI文字起こしをベースに記事化しています。
詳細はVoicyの放送をご確認ください。


第1章 はじめに

Excelの生産性を高めるために、最新のAIサービスであるCopilotに大きな期待を寄せていました。

Copilotの導入当初は、個人プランのCopilot Proを利用しておりました。機能面で法人プランとの差異があるということは把握しておらず、同じように活用できるものと考えていました。

しかしながら実際に法人プランのCopilot for Microsoft 365を試用してみたところ、考えていた以上に両者の機能に差があることが判明いたしました。

そこで今回は、個人プランと法人プランのCopilotを比較し、機能の違いやできることの差について整理・検証した結果をご報告できればと考えております。

第2章 Copilotの個人向け/法人向けプランの比較


Copilotには個人向けのCopilot Proと法人向けのCopilot for Microsoft 365の2つのプランがあります。

料金の違い

個人向けプランのCopilot Proは月額課金で3200円とリーズナブルな料金設定ですが、法人向けプランのほうが月額 4125円程度と少し高めです。ただし法人向けは年間一括払いが前提で、1人あたりこの料金で利用できます。

Excelでできることの違い

個人向けのCopilot Proでは、決まった処理に対してのみ対応が可能ですが、フリーフォーマットの質問には対応できません。一方で法人向けのCopilot for Microsoft 365では、より高い自由度でさまざまな質問に対応可能です。

具体的には、Excelの一般的な操作や関数に関する質問をした場合、個人向けプランでは回答が得られませんが、法人向けプランなら柔軟に対応してくれます。

同様に、VBAを用いたマクロコードの生成を要求した場合も、個人向けでは拒否されてしまいますが、法人向けプランであれば可能となっています。

第3章 日本語への対応状況(2024年2月8日現在)

Copilotは当初、英語対応のみで日本語には非対応でしたが、つい最近対応するようになりました。

ただしこの日本語への対応は法人向けプランに限られており、個人向けプランではまだ日本語非対応です。

法人向けプランが個人向けよりも機能面で優れているため、まず法人向けに新機能を提供し、後に個人向けへも展開していく戦略が Microsoft で取られているようです。

日本語対応したのも想定より早く、2月中旬に実現したスピードの速さが伺えます。今後個人向けでも順次対応していくことが予想されます。

第4章 Excelの一般的な質問や数式・関数について


Excelに対する一般的な質問

Excelの一般的な操作や関数に関する質問をCopilotに投げかけた場合、個人用プランでは応答が返ってこませんが、法人用プランならば柔軟に対応して回答を表示してくれます。

例えば、セルの書式設定の方法を尋ねたり、数値に円マークを付ける方法を聞いても、個人用Copilotでは拒否されてしまいます。

一方で法人用ならば、ChatGPTのように丁寧に操作案内してくれたりします。

Webと連携しているわけではなさそう

ただし、法人用でもウェブ上の情報を検索しているわけではなく、単に自身が学習しているデータからの回答に限定されていると考えられます。

これに対して、Microsoftの検索エンジンであるBingが提供している「Bing Chat」の方が、Excelの操作質問に対してより適切な回答が得られます。

Bing Chatでは質問内容に応じてウェブ検索を行い、参照した情報源を明示しながら回答を生成してくれるため、より信頼性が高い場合もあります。

第5章 マクロ(VBA)のコード生成


VBAのコード生成

VBAを用いたマクロコードの生成をCopilotに要求した場合、個人用プランでは全て拒否されてしまいますが、法人用プランならば問題なくコードを生成してくれます。

Copilotの提供当初は、セキュリティ上の観点から意図的にVBAコードの生成が制限されているものと考えていました。

しかし実際には日本リリース時点で、法人用プランに関しては既にVBAコード生成が可能な状態だったと推察されます。

ただし法人用でもウェブ検索は行わず、参照情報の提示もしないため、Bing Chatを使う方が開発効率面で望ましい場合もあります。

第6章 総括と、今後への期待

個人用と法人用で機能の差は当面残ると考えられますが、法人向け機能が順次、個人向けにも開放されていくことが予想されます。

売上予測などシミュレーション機能への期待

ExcelのCopilotで予告されていた機能として、What-If分析(シナリオによる分析)も期待しています。

特に注目したいのが、過去の売上データから将来のシミュレーションを自動で行ってくれる機能です。

この機能が実現すれば、売上データさえ揃えておけば、誰でも容易に売上予測とその分析が行えるようになり、ビジネスシーンでの有用性が大きく高まることが期待されます。

過去のCopilotの発表はこちらの動画でレビューしています。


Python in Excelとの連携の期待

特に期待したいのが、「Python in Excel」との連携です。CopilotにPythonコードを実行する処理を命令すれば、高度なデータ分析を自動的に行ってくれる機能が発表されています。

これが実装されれば、Pythonコードが書けない人でもCopilotを介して活用できるため、エクセルの分析能力が飛躍的に向上すると期待されています。

著者もこのPython連携機能に大きな期待を寄せているところです。


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