糖とは!【補足】

前回の糖とは!⑤で解糖系についてお話をいたしましたが、

ATPについての説明を少し補足したいと思います。

①ATPはいつ使われるのか?

ATPは筋収縮のためのエネルギー源であるといいました。

それを少し掘り下げて説明します。

そもそも筋収縮はどうやって起きているのか?簡単に説明します。


①まず筋収縮の指令は、脳から神経系を通じて出されます。

 指令を伝える信号が、神経伝達物質を伝い筋繊維へ。

②筋繊維の表面の膜で信号を受け取ります。

③②をきっかけに、筋小胞体内のカルシウムイオンは放出。

④カルシウムイオンがアクチン・ミオシンフィラメントに作用し、筋収縮を起こす。カルシウムイオンが筋小胞体に戻ることで筋は弛緩する。

この④におけるカルシウムイオンの出入りはかなり素早い速度で行われており、ミオシン・アクチンが動くのにもエネルギーが必要。これを動かすのにATP分解によるエネルギーが使われます!


前回GLUT4のところでAMPKが出される合図として、ATPの減少とCa⁺の放出というのがありましたよね。

骨格筋収縮でカルシウムイオンが放出されるということはATPが利用される、繰り返されることでその数が減る、、、という構図になります。

なのでグルコース自身は筋収縮の際ミオシンやアクチンに関与しないものの、無いとATPが足りない。カルシウムイオンが出入りできない。筋の収縮・弛緩ができない!ということになります。

②解糖系以外ではATPはどうなるの?

骨格筋のエネルギー代謝機構は、大きく二つに分けられます。

無酸素性と有酸素性といわれるやつです。

無酸素性は

①もともと骨格筋内に存在するATPとクレアチンリン酸によってATPをリン酸とADPに分解する時のエネルギーを得るATP-PCr系

②前回説明した、グルコースを分解してATPを得る解糖系

があります。

これらは比較的短時間でエネルギーを作ることができますが、長時間運動になってくるとグルコースも足りなくなってくるよ、という話をでしたね。

そこで運動強度の低い長時間運動の際は有酸素性エネルギー代謝でATPが作られます。解糖系で最終的に作られたピルビン酸を利用し、ミトコンドリア内でATP産生をします。

どの機構でも、ATPを作ります。その供給すべき速さと材料によって違ったやり方をしている、といったところです。

図式化するとこんな感じですかね!

画像1

ATP-PCr系ではADPからのATP再合成(ADP+Pi→ATP)もされますが、クレアチンリン酸の数に限りがあるのでずっと循環する、ということにはならないようです。


画像2


以上が補足でした!

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