年末年始の賛否両論

2023年12月31日。
例年であれば大晦日は家族で『紅白』を見るのだけど、今年の司会者である有吉さんが、どうも母親が不得手ということで他局のバラエティを見ていた。
今年はジャニーズの出場者が皆無で出場する歌手も特に目を引くわけでもなく、なんなら最近の歌ってどんなんですか?レベルの人間なので特に見たいとも録画することもしなかった。
明けて2024年1月1日。
目が覚めてすぐの日課、ポイ活を始めた。いつものようにCM動画視聴から始まり、ポチポチと画面をタップしながらチラシを見ていく。
動画視聴でポイントが貯まるタイプのアプリはいつもように最後に回し、その日のノルマをこなしていた。

特に興味のない動画はスワイプして飛ばしていく中、昨日の『紅白』の映像でふと指が止まる。
YOASOBIさんの『アイドル』という曲の動画だった。
見た最初はスマホの小さい画面からでも、その豪華さは伝わった。
が、終わり頃にふとした疑問感。

このコーナーの主役って誰?

ダンスパフォーマンスグループ(すんません、名前わからんす)が、最初からステージ前方でボーカルを隠すくらいの勢いでワラワラと動いてるかと思いきや、その曲のタイトルにあわせてなのか、その日出場しているアイドルグループ達が紅組・白組関係なく、次々と紹介されるかのように、楽曲に合わせたパフォーマンスを披露している。

歌、唄ってる人ほぼほぼ見えてないし。

案の定Xには賛否両論の意見が見られた。
豪華に見える反面、主役が隠れてるという、興味があまりないからこそ中立な立場で見た、賛否両方の感想。
今年ジャニーズが出ていれば大半が神演出ってなったかどうかは定かではないけど、歌番組の特番だからこその演出は一方でコアなファンの反感を買う。
ダンスパフォーマンスがカッコいいのに、やたら動き回る画面酔いしそうなカメラワークで、躍動感が異常すぎて逆効果になったり。
周りで盛り上がってる他の出演者のどうでもいいアップとかいいとこで入ったり。
その場の雰囲気を伝えたい気持ちは痛いほどわかる。

けど評価は毎年あんま良くない方が多いかな?

日課を終え、初詣へ出かけ正月という休日を満喫し、その日もあとは夕食を食べ寝るだけと思った夕方。正月恒例のバラエティ番組に流れたニュース速報。

北陸地方で起きた大規模な地震。
間髪入れずそれに伴う津波の警報。

テレビ画面が報道生中継に変わった瞬間、かなりヤバイ規模の地震だと推測するのは容易だった。
映し出された映像は海岸付近を遠くから捉えており、まだこれから大きな波が来るだろうと思わせるものだった。
それでも津波はすでに到達しているところがあり、アナウンサーは命を守る行動を呼びかけている。
東日本大震災の時は事が起きてから、報道は被害状況を伝える様子がほとんどだった。その後も自然災害は各地で多数起き、速報の時点で命を守る行動をと、必死に呼びかけるアナウンスは、被害を少しでも大きくしたくないと、全ての国民(ではないかもしれないが自分はそう思いたい)の思いを伝えているんだと感じた。
詳細がわからないからこそ同じことを繰り返すしかできないのかもしれない。
報道が始まって何分経ったろうか。アナウンサーの口調が明らかに変わった。

「今すぐ逃げること!」

女性アナウンサーが強い口調で訴るその言葉が、
危機的な状況なんだ、多くの命を救いたいんだ、その気持ちが強く伝わった。

断続的に起こる地震情報、津波に関する速報。
Xにはとにかく逃げることを伝えたり、救助方法を教えたり、津波の恐ろしさを訴えたり。
その場の現状を伝えたり、無事を知らせたり、救助を求めるものも。
過去に自分も地震の被災こそは直接しなかったものの、電話が非常用に回線が制限され、救助を求めるのも困難になる状況を理解している。

SNSの素晴らしいところは知らない人同士が繋がってその場にいなくても助け合えることだと思う。
悪用する人間がクローズアップされて不安になったり怖い印象もあるけど、それ以上に人を助けたいと思う人達が多くいることが良く分かる。
その中で見つけたポスト。

必死で危険を訴える女性アナウンサーを非難するものだった。

普段の丁寧な言葉遣いではなく、強い口調で命を守ることを訴える。
過去の経験を十二分に活かされている必死の叫びを非難するのはどうなのか?
これには流石に賛否両論あれど、アナウンサーが絶賛される意見が多く、自分も同じく評価すべきだと思った。
魂の叫びとは大袈裟かもしれないけど、それだけ必死な叫びに似たアナウンスが届かないはずはない。多くの命を助けたに違いない。

必死に叫んだアナウンサーは賛であって否ではないと自分は思いたい。

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