見出し画像

雨のあと-推しが詩選集を持っていること-

日なたにも日かげにも眼差しを向けてくれるひとがいるからもうちょっと踏ん張って頑張れるというのもあったりするのかもしれない。

研修中の合宿の最後のインタビューがあって、そのときに「どんなアイドルになりたい?」って聞かれて。人生って選択の連続だと思うんですよ、そんな選択の連続でたぶん迷ってる人ってたくさんいると思うんですね、私もそうでしたし。「そんな人たちの背中を押していけるアイドル」っていう風に、私の個人的な意見なんですけど、私はそういうときに隣に誰かいて欲しかったんです。私はもしそう思ってる皆さまが誰か1人でもいるならば、そんな方の隣にいられるようなアイドルになりたいなって思っています。
日向坂四期生おもてなし会にて

これは日向坂四期生おもてなし会で、最後に四期生一人ひとりがスピーチした時の正源司さんが語った言葉。
わりと淡々とした表情でお話ししていたのが印象的だった。でも、その目にはまっすぐな意思が灯っているようにも見えました。そんな意思のようなこの言葉は、雑誌のインタビューを読んでいて感じるところもあり、わたしの中で残しておきたいと思いました。

BOMB3月号で、正源司さんがBOMB賞を受賞して特集に登場しています。とってもおめでたい。発売日まで楽しみで、スケジュールにメモって忘れないようにもした。
テレビ番組とかにはない楽しみというか、インタビュー記事は先輩メンバーとの交流やオーディションの裏話など書いてあり、そのひとの"らしさ"みたいなものを手にとって垣間みれる気がします。なにより撮影が楽しかったんだなというのが読んでいると伝わってきてどこか嬉しい。
もちろんアイドルのときとは違う一面だったり、苦しくなるくらい可愛い姿もあったりするから買うという理由もおおいに大いにあります(大事なことなので2回言いました)。

そのBOMB3月号を手に入れて読みました。
その中で印象的というか、わたしのなかで驚きを感じたページがあった。それは、"金子みすゞ詩選集『雨のあと』"を手に持った正源司さんが載っているページでした。その何に驚いたのかというと、『雨のあと』という詩が、正源司さんの語っていたアイドル像とどこか重なるところでした。驚きというより感動に近かったかもしれない。

日かげの葉っぱは
泣きむしだ、
ほろりほろりと
泣いている。

日向の葉っぱは
笑い出す、
なみだの痕が
もう乾く。

日かげの葉っぱの
泣きむしに、
たれか、ハンカチ
貸してやれ。
金子みすゞ『雨のあと』

この詩は優しくて心が解けるような感じがする。
"日かげの葉っぱ"が悩んでいる人や落ち込んでいる人だとしたら、この日かげの葉っぱにハンカチを差し出すような陽を当てる存在は太陽なのかもしれないな、と想像しました。そうして、泣いていたのかもしれない"日向の葉っぱ"の涙をぬぐってくれたのもまた暖かい光のような存在なのかなと思ったり。
正源司さんが悩んでいる人と手を取り合って歩いていけるような人になりたいと語っていたのは、これまで歩んできた経験からだったのかもしれないですが、正源司さんの明るさには、見ていて思わず笑顔になってしまう無邪気さと目に澄む真っ直ぐさがあると思っています。

ページをめくり、その詩選集を持った正源司さんが目に飛び込んできた時、"あっ!"と思いました。
本当のところ、正源司さんがなんでその本を持っていたのかはわかりません。編集部の人も、そこまで意図してないんよ。て言うかもしれない...。なにかを追いかけているとMVにしても何かと考察して深読みの生きものになってしまう。(それをご本人に感想として伝えていいものなのかはわかりません。)曲を聴いたり雑誌を見たりしては、自分だけの一方的な発見ばかりで、それを伝えたところで当のその人はなんと言えばいいのか分からないようなことなのかもしれないなとも思う。

正源司さんの初のshowroom配信楽しすぎました。はるはるさんからの無茶ぶりをやり切るところ、自分のアクスタをじっと見つめて嬉しさを噛み締めているお顔とか、話してるあいまにみせる神がかりな笑顔がかわいかった____話がずれました。そのshowroomでサイリウムカラーをレッド×オレンジにした理由をお話ししていました。

赤色が太陽
オレンジが太陽のこども
"太陽のこども"で"陽子"
暗闇で赤が目立つから、私のことを好きって仰ってくださる方のことをすぐ見つけられるかなて思って
2月3日SHOWROOM配信

選んだ理由を聞いて妙に"なるほど...."と感心したことを覚えている。それと、夜に高層ビルの屋上で点滅している赤いランプがふと頭に浮かんだ。人が眠りに落ちる深い時間になろうともひかり続けているその明かりは、飛行機などに高層ビルの存在を知らせるための明かりらしいです。
まるでそのひとに向けて"応援してるひとがここにいます!"と、どうにか届いたらとペンライトを振る自分みたいだと思った。影山さんのお話しを聞いて参考にしたと語っていました。暗闇のなかに赤は目立つこと初知りだった。高層ビルの形や高さによって、その明かりの種類も変わるというから、ライブをみるたびに変化してゆく心持ちとも重なりました。レッド×オレンジを灯すたびその赤い明かりを思い出しそうだし、どうしようもなく刻み込まれて走馬灯の背景に流れるのはレッド×オレンジの光の残像になりそうな予感がする。

そんな太陽みたいな子が日向坂にはいるなんて物語にさえ感じました。その詩がそのひとのアイドル像に似ているようで、そこになにか鮮烈なものを感じて詩に寄せて書きました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?