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5.=in the sky=における「おっさんずラブ」の固定概念を覆す

「おっさんずラブ」チームは意味の無い設定や演出、作品作りは絶対にしない!
今見ているもの、これまで「なんで?」と思ってきたことには、全て必ず意味がある!
私はこの信念のもと、これまでの「おっさんずラブ」の固定概念を取り払う作業を開始しました。

まず、我らシノ成推しを苦しめている「おっさんずラブシリーズにおいて春田の恋が成就しないなんてありえない」という概念。

単発、2018年連ドラ版では、キスが恋物語の起点となっていて、最終的に春田とそのキスの相手との恋が成就しているから、=in the sky=においてもその可能性が高いのでは?と考えていました。
でも=in the sky=におけるキスの意味を考えると、=in the sky=では「春田の恋がキスの相手と成就する」という考えの方自体が間違っているのではないか? という考えが湧き上がってくるんですよ。

春田を軸にキスの意味を考えると
1:巻き込まれ事故(成瀬のことを意識し始めるきっかけ)
2:自分の気持ちを押し付ける(成瀬がほしい)
もし3つめがあるのなら3:合意 かなぁ…。
これでも物語は成り立つけど、なーーーんかしっくりしない。

でも、キスの軸を成瀬に変えると、
1:キスなんて誰とでもできる
2:キスは好きな人でないとだめ(成瀬のパラダイムシフト)
3:好きな人とするキス
と、その変化の過程にしっくりする。

そのため、本作品のキスの意味は恋の起点ではなく、成瀬の心のパラダイムシフトを描いているのではないか。
そして、キスが恋物語を示しているのであれば、=in the sky=の恋物語の主人公は春田ではなく成瀬なのではないか?と。
そう考えたんです限界シノ成推しの私は!

 では、=in the sky=において春田の存在は一体何なのか?私は思い切ってある仮説を立ててみたのです。

「=in the sky= において春田は、武蔵とダブルヒロインなのではないか?」

この仮説を立てたのは、公式HP人物相関図の春田の紹介文に違和感を持ったから。
=in the sky=の春田の紹介文は、2018年連ドラ版の春田と異なり、細かい設定(家族構成、趣味、家事の能力など)が記載されていません。
はじめのころは、シリーズものだから細かく書かなくても分かるでしょ!と公式様から言われているのかと思ってたけど、1話を見て分かる通り、=in the sky=は明らかに単発・2018年連ドラ版と全く異なる世界観なので、恋物語の主人公として春田が存在するのであれば、=in the sky=の春田としてもっと細かい設定があってもいいなと思ったんですよ。
しかし、それが書かれてないということは=in the sky=の春田については、そこが重要ではないということなのではないかと考えました。

そこで、全員の紹介文を再確認すると、春田は「グレートキャプテンである黒澤に、人として憧れ、自らもグレートCAを目指して奔走」し、武蔵はそんな春田を指導する人物(「“チームの絆”を重んじるため、初日から遅刻してきた春田をフライトから外すなど、後輩への指導にも余念がない。」という文章からの曲解)として設定されているように考えたんです。

そこで、この設定の裏を考えてみます。

黒澤武蔵は本作品でもヒロインとして設定されています(公式HPより)。この人物紹介文が裏設定も反映しているのであれば、本作の春田は、グレイトヒロインである武蔵に憧れ、新米ポンコツだがグレイトヒロインを目指し、武蔵と共に本作のヒロインとして=in the sky=という物語を動かしていく人物として描かれていくのではないのか?と考えることもできるのだ。

※ちなみに、2018年連ドラ版の春田のように公式ホームページで細かい設定がなされているのって、成瀬とシノさんだけなんです。

次に、今回の舞台と春田と武蔵の職業の設定について。
舞台は航空会社。武蔵は機長、しかもグレートキャプテン。
春田はCA。なんで今回の舞台は航空会社なんだろ?と、ずーっと思ってたんです。というのも、単発(アイデアグッツの商品開発)も2018年連ドラ版(不動産会社)も、なぜそこを舞台にしたのか、明確な理由があったからです。なので今回も航空会社を舞台にしたのには、明確な理由があると考えました。

なので、私も私なりに考察してみた!

航空会社の最大の役割は「お客様を安全に目的地までお届けすること」1)。機長の役割は、機内の最高責任者で、フライト中や機内でトラブルが発生した場合に、冷静で的確な指示を出すことが求められています2)。飛行機の操縦を主に行なうのも機長で、飛行機を予定通り安全に操縦・運航するための責任者であるため、自分が操縦する飛行機の点検や操縦前のさまざまなチェック、スケジュールの再確認やフライトの打ち合わせも機長の役割です2)。そしてCA(客室乗務員)の役割は、乗客の快適な空の旅をサポートすることもですが、最も重要な任務は、飛行中に緊急事態が発生した場合、乗客の安全を守ることです1)。(ドラマ内でも武蔵が言ってた)

そこでこの舞台と武蔵・春田の職業設定の裏を考えてみる。

まずこの物語において「お客さま」は、我々視聴者もだけれども、併せて=in the sky=という物語に登場する武蔵・春田以外の登場人物たち、特にシノさんと成瀬を指しているのではないかと思うんです。つまりこの物語は、シノさんと成瀬を最終目的地(シノ成推しの解釈としては「シノ成エンド」としたい)まで、本来であれば、安全にお届けする物語なのではないか。

機長である武蔵は、物語の最高責任者として、予定通り最終目的地(シノ成エンド)まで物語を動かしていく主たる舵取りを、そしてCAの春田は二人が歩み寄れるように適切にサポートする役割を公式から任ぜられているのではないか。その過程に支障が出る緊急事態が生じた場合、武蔵は春田に状況に応じた冷静で的確なアドバイスを出し、また春田は緊急事態に陥った二人を支え守る役どころとなっているのではないかと考えました。

=in the sky=では、武蔵も春田も「中途採用」です。
武蔵・春田がやってくるまでは、シノさんと成瀬しかいませんでした。
二人は互いに仕事人としてリスペクトはしているものの、各々が抱える問題ゆえに、踏み込んだ関係にはならず、一定の距離を保ったままの関係だった。
そこに武蔵と春田、特に春田がやってくることによって、二人が抱える問題を、不器用ながら、時に武蔵のアシストも受けながら、その圧倒的優しさによって解決していく。
結果、シノさんと成瀬が思い切って恋ができる状態まで、ひとまず運航してきた、ように見える。しかし、その過程で武蔵と春田はヒロインなので、恋をしてしまった。恋の乱気流をヒロインたちが発生させちゃったんですよ。そしてそれが、今回は、何の因果が、完全なる一方通行で、春田、シノさん、成瀬にいたっては綺麗なトライアングルとなってしまい、ヒロインたちの恋心がシノ成エンドという最終目的地までの運航に支障をきたす事態となってしまった!
物語では武蔵は春田に片思いをしているけど、役割的には武蔵と春田はバディという解釈もできる。
なので、主たる恋物語は、春田・シノさん・成瀬の三角関係なのではないかという解釈もできる。

こんな感じで2019年12月12日の私は瀕死の中、必死に=in the sky=のパラダイムシフトを行ったのです。なかなか理論が捻じ曲がっていますが(特に最後)、当たらずとも遠からずではないでしょうか?

これまでの固定概念を捨て、ドラマガイドの役割を持つ公式ホームページの情報(特にイントロダクション、キャスト・相関図)をつぶさに見ていくと、きちんと物語の骨格が描かれてあったんですよね。いやーーーー見えていなかった(笑)。

そんなわけで「春田と成瀬が結ばれる」エンドと「シノさんと成瀬が結ばれる」エンドの可能性が五分五分どころか、「シノさんと成瀬が結ばれる」エンドが公式設定なのではないかと思えるようになった私は、全国のシノ成推しの心の支えになればとこの内容をPixivに投稿させていただきました。(現在は削除しています)

瀕死の状態からなんとか生還した私は、成瀬の恋の矢印がシノさんから動かないことの確信が欲しかったので、次は成瀬の「気持ち」の移り変わりをドラマ本編から読み解いていく作業を開始しました。

この作業が、私の人生のパラダイムシフトを起こすことになるとは・・・。

「おっさんずラブ=in the sky=」は、本当にやっっっっばいドラマなんですよ!!!(もちろんいい意味で) 

誇張ではなく、本当に、死ぬかと思った(笑)!!!

〜続く〜

 

=参考=

1)ANA “ミッションと仕事の特長”

2)職業仕事の情報ポータルサイト JOBZUKAN(ジョブ図鑑)“飛行機を操縦するパイロットの仕事内容は?機長と副操縦士の違い” .

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