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下北沢、前撮り

前撮りをしてきた

スタジオ撮りを断固拒否で、知らない人も嫌で、
高2の頃からの知り合いに頼んで撮ってもらった。

私とそのカメラマンは下北というカルチャーが好きだ。
バンド、食、古着、たくさんの刺激がそこにある。
初めて会ったときに撮った下北の踏切で、同じ画角で、
電車が交差する瞬間を振袖を身に纏ってとった。
何度も2人で訪れた来慣れた街なはずなのに、
久しぶりだったからかわからないけれど何故だか
新鮮でトキメキが止まらなかった。

親の思う前撮りと私の想いの前撮りは別物で
下北での撮影は大反対だったけど、親の納得しそうな
庭園で先に撮影して交通機関のみで下北へと向かった。
私にとって下北沢という街は他にない特別な場所だから
絶対に撮ると決めていた。中学の頃、散々練習で通っていた北千住の河川敷でも撮りたかったけど今の私には
野球もソフトボールも生活にない。手放した。

綺麗なものを撮ったらそれは綺麗で、だけど私は
何か近さを感じる懐かしさや暖かさや光が美しいと
なんとなく思う。日常の一部をまた記念に残せたら
当たり前だったそれがそうじゃなくなったときに
写真を通じて生活の変化を感じられる気がする。
言葉には表せない何かがきっと写真には写せると思う。


路地裏や自販機の間、ただの白い壁。
私がいなかったら誰かにとってのそれは日常の景色、
そこに私が写ったから私にとって特別な場所。
なんでもない日が少し楽しくなるような、トキメキと
ワクワクを私は常に見つけたいし感じたい。


カメラを握れなくなってしまったあの半年間、
日常のトキメキを感じないどころか恐怖を覚えた。
あの人と一緒に行ったな、で苦しむこともあったし
ファインダー越しに見る世界が真っ暗で絶望した。
またカメラを握れるようになったキッカケは
今回前撮りしてくれた人がついてるバンドのライブ。

音楽に全力を注ぐバンドマンの姿、歌詞、mc、
私が本当に大事にしてたものってなんだったっけ。
そう気付かされた瞬間だった。未練も捨てれた。


下北沢という街でまた私は動き出す。

アイスのあたりがでたときのようなトキメキを
これからも私は写真を通じて誰かに届けたいと思う。

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