森山貴士@公民館プロデューサー

一般社団法人オムスビ代表理事。 人口4000人弱の地域で、カフェと小売とシェアキッチン、コワーキングスペース、イベントスペースなどが複合した私設公民館「アオスバシ」を運営しています。 公民館的施設を運営を通じて過疎地域で事業をどう成り立たせるかについて情報を提供しています。

森山貴士@公民館プロデューサー

一般社団法人オムスビ代表理事。 人口4000人弱の地域で、カフェと小売とシェアキッチン、コワーキングスペース、イベントスペースなどが複合した私設公民館「アオスバシ」を運営しています。 公民館的施設を運営を通じて過疎地域で事業をどう成り立たせるかについて情報を提供しています。

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  • 一般社団法人オムスビの中の人

    Odaka Micro Stand Barの運営などをしている一般社団法人オムスビの中の人のnoteをまとめています。

最近の記事

地方子育ての問題点と新しい学びの共助のコミュニティをつくる「小高モデル」の取り組み

今回の読者ターゲットこれからの地域づくりに関心がある方 特に教育に関心がある方 あるいは地方への移住を考えているが教育面について不安感を感じている方 方などに読んでいただけることをイメージして書きます。 地方子育てには問題点もある都会のせせこましく「常に競争させられている」ような環境に大して、地方での子育てはのびのび子育てができる、というイメージもあると思います。もちろんそういう側面もありますが、地方の子育て環境が良いかと言うと必ずしもそうではありません。 競争意識

    • 地域おこし協力隊のトラブルのことと地方に移住10年の私からみた必要な対応力

      この記事で想定している読者イメージこの記事は 地方への移住に興味があったり、検討している 移住者や地域おこし協力隊のトラブルの話などを耳にしており、自分もそうならないか不安を感じている という人に向けての記事をイメージしています。その他、地方移住のリアルなところを知りたい方や20代ー30代の価値観の変化について興味がある人も少し楽しめるかもしれません。 27歳で移住-> 10年経ちました2014年、27歳で移住し10年が経ちました。この間に地方創生のムーブメントは盛ん

      • 地域移住事業でよくある課題と乗り越え方

        地域移住が注目されるなか、さまざまな移住支援や地域づくりの事業が立ち上がっています。しかし、実際に事業を進めると多くの課題が見えてきます。そこで今回は、地域移住事業を事業タイプ別に分け、ありがちな難しいポイントを解説していきます。 想定している読者地方移住に興味がある 多少のビジネス経験値があるが、100人に1人になれるような強みや特技があるわけではない そういう人がそれでも移住して地域に関わりたくなったときにどんなことを意識すれば良いかの参考になれば、というイメージで

        • 【無料で読める】「こんなはずじゃなかった」を乗り越えて、小さな成功体験を積み重ねていく

          前回の記事はこちら 「こんなはずじゃなかった」という思いおもえば、オムスビとしての活動も、そもそもで言えば私が会社をやめることとなった体験も、その後教育や地域づくりに関わりたいと思った理由もこの「こんなはずじゃなかった」というような思いが根幹にあったことに気づいた。 社会に出た若者の「こんなはずじゃなかった」 私が新卒で入った会社は、成長まっただなかのITベンチャー。入社時は1000人ちょっとの会社で、同期は191人。次の年の新入社員は約600名、また次の年は900名・

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        • 一般社団法人オムスビの中の人
          38本

        記事

          【無料で読める】データと行政の動きで読む当時の旧避難区域(2017-2020年頃まで)と、後ろ暗い感情も一緒に動いた話。

          前回の記事はこちら シリーズとしてはこちらの内容の続きになります 解除1年で人口は2000人を突破。生活インフラが充実していく避難指示が解除されて1年後には人口は2000人を超えた。この規模になってくると民間でも様々な商店が再開していく。 避難指示解除直後は最小限でスタートした生活環境だが、公共施策をはじめ、徐々に生活環境が充実していった。 2018年12月 公設スーパー「小高ストア」オープン 2018年には、小高復興拠点施設の機能不足を補う形で公設の商業施設がオープ

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          【無料で読める】データと行政の動きで読む当時の旧避難区域(2017-2020年頃まで)と、後ろ暗い感情も一緒に動いた話。

          【無料で読める】地域に対して無力感を感じた話と、そこから諦めずやったこと

          前回はこのような記事を書きました。今回の話はこの続きです。とは行っても時間軸レベルではちょっとだけ遡る話になります。 勢いが失速したOMSB手作り委員会としての私たちの活動はOdaka Micro Stand Barというキッチンカーを中心に、ソーラーライトのキャンペーンや青空市の開催によって勢いづいた。かに見えた。しかしこの勢いはまもなく失速することとなった。 1. メンバーのライフスタイルの変化 まず発起人だった花岡さんは、応援職員としての人気が終わり、杉並区に帰る

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          【無料で読める】地域に対して無力感を感じた話と、そこから諦めずやったこと

          【無料で読める】キッチンカーで聞いた声に対して動いた話と、今振り返ったときに思う痛みと課題

          前回はこのような記事を書きました。今回の話はこの続きです。 はじめたことで聞けた声、見えた課題前回、キッチンカーを開いて営業したことで、以下のような声を聞くことができた、という話をした。 小高にこの辺では飲めないような美味しいコーヒーが飲める場所があって嬉しいという声 自分たちもなにかしたいと思うけど何をしたらいいか・・・という声 買い物できる場所がほしいという声 なんか食うものないか、という声 私たちは、こうした声の一つ一つに対して、やれることをやってみようと考

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          【無料で読める】キッチンカーで聞いた声に対して動いた話と、今振り返ったときに思う痛みと課題

          【無料】避難指示解除後の小高でキッチンカーを始めたらいろんな声が聞こえてきた話

          2016年7月、南相馬市小高区を中心とする南相馬市の原発から20km圏内の地区の避難指示が解除された。 解除に至るまでの主な動きについては以下にまとめたので、もし状況が知りたければ見てほしい。 人口1000人弱でスタート避難指示解除から3ヶ月後の人口は約900人。当初5000-6000人の帰還を見込んでいた状況からはややスロースタートだったといえるかもしれない。 詳細な人口推移については以下のページを参考にしてほしい。 生活インフラの状況としては郵便局、銀行、ガソリン

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          【無料】避難指示解除後の小高でキッチンカーを始めたらいろんな声が聞こえてきた話

          データと行政の動きで読む当時の避難区域(2014-16年の解除頃まで)

          ※有料ですが最後まで読めます。よかったら投げ銭してください。 前回はあまりに「自分が何をしたか」によりすぎて、何を得てもらうかというのがぼんやりしていた。 今回はもう少し当時の輪郭をはっきりわかってもらうために、データなどを用いながら当時の状況を説明していきたいと思う。 2014年には全体の4割が帰還意向を示していた私が南相馬市に来た2014年当時、避難指示区域(小高区と一部の原町区)の市民意向調査が行われていた。このときのデータによると4割強の人が帰還意向を示していた

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          データと行政の動きで読む当時の避難区域(2014-16年の解除頃まで)

          避難地域で希望を持ってもらうためにハッカソンとフリーペーパー作った話

          私は福島県の南相馬市に2014年7月に移住した。南相馬市の中でも小高区は福島第一原子力発電所から20kmに立地していたことから、ほぼまるまるが避難地域となった。私がはじめてこの場所に来た2014年2月は、「避難指示解除準備区域」という、ざっくりいうと「避難解除に向けて事業とかは初めていいけどまだ寝泊まりとか居住はしちゃだめよ」という指定がされていた。 当時は市民と国や市の行政を交えていろんな意見交換会がいくつか実施されていた。たびたび「俺達のまちをどうしてくれるんだ!!」と

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          避難地域で希望を持ってもらうためにハッカソンとフリーペーパー作った話

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          「当事者意識」を地域に持てる幸せ?

          ※この文章は小高幻流に掲載している寄稿文に一部加筆修正を加えたものです。 国連の2018年世界幸福度報告書では、日本の主観的幸福度は54位と低位だった。それはなぜなのか?  神戸大学・同志社大学の研究によると、所得や学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えているそうだ。 自己決定とは、進路や人生の決断を自分の考えで行ったか、それとも周囲のすすめで決めたかということだが、個人的には決定をしてきたかどうかよりも「周囲の環境を自分の決断で変えていくことができる」と思えるか

          「当事者意識」を地域に持てる幸せ?

          アート=技術と知恵で新しいものを生み出す営みと、過疎地域での新しい営みの可能性

          ※この文章は小高幻流に掲載している寄稿文に一部加筆修正を加えたものです。 アートの本質を探る アートというと絵画やオブジェのようなものを想像する方がほとんどだと思います。私もそうです。しかしながら、「アート」の歴史を辿っていくと、「技術を知恵で新しいものを生み出そうという営み」そのものではないかと考えています。 アートの語源とその変遷Artの語源であるArsは手仕事の技術全般を指します。これがもっぱら芸術方面のことだけを指すようになったのは、「テクノロジー」が分かれた産

          アート=技術と知恵で新しいものを生み出す営みと、過疎地域での新しい営みの可能性

          そもそも「何者かになる」必要はあるのか問題

          前回こんな記事を書いた。我ながらひどい殴り書きなのだが・・・ 若い時分はついついサクセスストーリーやマンガやアニメの英雄譚にあこがれて「自分も何者かでありたい」と思い描いてしまうものだ。そしてこれは私はすごく良いことではあるし、今も私もできることなら多くの影響を及ぼしたい。不出来ながら私は諦めていない。諦めの悪い衛宮切嗣なのだ。 何者かにならなくても社会に影響を及ぼすことはできるそもそもの前提として、我々は「何者かにならないと社会に及ぼしたい影響を及ぼすことができない」と

          そもそも「何者かになる」必要はあるのか問題

          どうしようもない「自分という乗り物」を乗りこなしていく

          この投稿を見て自分も似たようなエントリーを書こうと思って一度消したのだが、読みたいと言ってくれたので書いてみようと思う。 でも似たようなエントリーというか自分の性質がこんなんだ、と整理したうえで折り合いをつけていこうね、と言い聞かせるためのエントリーかもしれない。 私のどうしようもない性質私という人間の一番厄介な性質は、何をするにも根源的に脳の容量満杯までワーキングメモリーを消費してしまうこととだ。何か頭の中が埋まっていないと脳が不安だとアラートを出してくる。「何か考える

          どうしようもない「自分という乗り物」を乗りこなしていく

          南相馬市小高区のまちづくりへの提案

          提案に至る背景 現在の小高区を取り巻く状況として、南をみれば双葉郡が復興財源をベースにした圧倒的なパワーでのインフラ整備や企業誘致を行っており、北をみれば原町の利便性の高い生活が横目に見えているのに、南相馬市全体としての平等性を図ろうとする圧力もかかる中で「小高だけが取り残されている」という不安を感じる方も増えてきている。 実際に帰還人口は頭打ちとなり、移住者や起業家が集まっているといっても地域の状況を変えるようなインパクトには乏しく、実際の日中のまちなかの人流は誰の目にも

          南相馬市小高区のまちづくりへの提案

          【第2回】バックオフィス業務でまず考えるべきIT化とDX 中小企業のDXをはじめよう。

          こんばんは。連載2回目からは、大まかな業務部門別に確認ポイントを提示してみようと思います。まずはどの会社にもあるだろうバックオフィス業務から。 今やほとんどの企業が、会計士さんや税理士さんを通して会計ソフトを使用していると思います。 IT化が十分だ、と思っている事業者さんは多くないでしょうが、とはいえ専門家やソフトウェアがあることで「それなりに効率化出来てる」という認識でいる事業者さんはそこそこいるような気がしています バックオフィス業務では、事務処理に回すまでのデータの

          【第2回】バックオフィス業務でまず考えるべきIT化とDX 中小企業のDXをはじめよう。