時代によっての造形・塗装の移り変わり

時代の流行というのは造形や彩色にもあります。

特に「これが最新です」みたいな、ファッション誌などが取り扱うような話でもなく、なんとなく時代に合わせて玩具の世界も、造形や彩色が変化し続けています。

漫画やアニメのほうが時代にあった作画や演出、見せ方や色味の使い方を理解しやすいかもしれません。
例えば「巨人の星」のような漫画は、今の人が見たら一目で古い作品であると理解するでしょう。アニメにしても動画や曲を聴けば時代が大体わかるような感じです。

造形はというと、漫画やアニメ。または作者の影響で形状やデザイン・等身などが変わります。
その時代に合わせた造形を形作っているのですから、時代に合わせて造形も変わっていくのです。そこに原型師それぞれの味ある表現が加わっていき、最終的な形・味となって世に出ているのです。

現在の造形の流行といえば、情報量の多い造形が眼を引く時代かなと思います。昔はゲームやアニメ、PCゲームのキャラクターからの立体化が多かったのですが、時代はソシャゲ。1枚絵からの立体化が増えると同時に、1枚絵の情報量に合わせる形となっています。
ちょうど3Dデジタルによる原型制作。デジタル彫刻ソフトウェアが主流になったことで、この多彩な情報量を捌ける時代だからとも言えるでしょう。


では彩色はどうかというと、眼の塗装だけはその時の作者さんの描き方に合わせての表現となります。
それ以外の身体などは原型と同様にその時のイラストに合わせて色味が変わっていく感じです。現在は全体的にパステル調の淡い色味が流行りかなと感じております。

こちらもイラストなどによって多種多彩なのですが、昔より数多くの造形を皆さん見ていると思いますので、それに伴ってお客さんの眼が肥えているからこそ、淡い些細で繊細な塗装にも興味と魅力を感じているのだと思います。

今売れている商品のはどちらかというと原色よりはパステル調かなと私は思っておりますので、商品化の際、なんとなくその方向性を踏まえて塗装をお願いしたりします。


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