アリペイ未来ドラッグストア

薬剤師不要。顔認証により処方薬の購入を可能にしたアリババ系の薬局|アリペイ未来ドラッグストア

【一言で言うと】顔認証による処方薬の購入を可能にしたセルフ式の薬局

基本情報

主に展開する国:中国
設立:2018年
店舗数:1店舗(2018年5月時点)
ジャンル:薬局
売上高:不明

なにが特徴か

アリペイ未来ドラッグストアは、アリババグループの金融関連会社であるアントファイナンシャルが張仲景大薬局とパートナーシップを締結し、2018年5月に河南省鄭州市に第一号店が誕生した新しい形の薬局である。アリババグループはテクノロジーで小売業界にイノベーションを生むOMO/ニューリテール構想を掲げており、アリペイ未来ドラッグストアには薬局のビジネスモデルに変革をもたらす存在として期待がかかっている。

これまで薬剤師の助けが必要だった処方薬の購入も、アリペイ未来ドラッグストアでは店内に設置された端末からひとりで購入できる。その他にもアリペイやアントファイナンシャルの最先端テクノロジーが多数採用されているため、効率的で確実なオペレーションが実現可能となった。

1. 最先端技術を駆使した決済方法

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顔認証システムで商品を購入/Photo by Health Products Association China

店内にはアントファイナンシャルの顔認証技術を駆使した端末が設置されており、利用者はカメラに向かって顔を見せるだけで商品を購入することができる。決済処理はアリペイのアプリケーションを介して行われ、現金やクレジットカードを持っていく必要すらない。また、アリペイのアカウントに自信の身分証明書や社会保障カードを紐づければ、本来、店頭での身元確認が必須な一部商品も簡単に購入可能となる。これらのテクノロジーを活用することでほぼ無人での店舗運用が実現し、セルフレジを通して利用者が24時間いつでも処方薬を購入できる利便性の高いサービスを提供することに成功している。

また、アリペイ未来ドラッグストアはアリババグループが開発する信用制度である芝麻信用スコアを導入し、効率的な医療機器のレンタルサービスも提供している。1日単位で期間を指定して料金を支払う仕組みになっているが、芝麻信用スコアが600点以上ある利用者はデボジットが免除される特典がある。これらのサービスも全てスマホで完結するようになっていることに加え、レンタルした機器の返却にはデリバリーを使用することができるため、利用者は気軽にサービスを利用することができる。

2. モニターを通じた医師とのコミュニケーション

処方薬を購入するには医師の診察が必要となるが、忙しい現代人にとっては通院時間を確保すること自体が難しい。アリペイ未来ドラッグストアは、遠隔での医師とのコミュニケーションを可能にするモニタースペースを用意することでこの問題にアプローチしている。利用者は簡単な問診や症状に関する相談を行うことができるため、再度、同じ薬を処方してほしい際などに重宝されているようだ。このサービスを利用するにはオンラインでの予約が必要だが、利用者にとって診察までの待ち時間がゼロになるメリットは大きい。

Banner Photo by Health Products Association China

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【アリババニューリテール戦略の全貌】第7回 アントフィナンシャルが「アリペイ未来ドラッグストア」をオープン! | GloTech Trends
https://glotechtrends.com/alipay-future-drug-store-180527/
【Alipay(支付宝)が薬局とコラボして未来薬局(アリペイ薬局)を立上げ | SeeChina365
https://seechina365.com/alipay_medical/

鄭州で全国初となる支付宝「未来薬店」第一号店がオープン | J.people
http://j.people.com.cn/n3/2018/0525/c94476-9464222.html

アリペイが第1陣に 中国が初の個人情報セキュリティー認証を授与| AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3209681

参考

Alipay opens Future Pharmacy:https://technode.com/2018/05/25/alipay-future-pharmacy/

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