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働きながら研究したいどこかの誰かに少しでも役に立てばいいな

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基本的には私の社会人院生としての振り返り+これから研究活動をしてみたいという方向けに役立ちそうなものをここに放り込みます。あくまで個人的な経験に基づく書きなぐりですので、過度に参… もっと読む
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意外と簡単?にクリアできる(かもしれない)社会人博士のハードル

前回の記事は実は4月頃に8割くらい書いて「いい加減出さねば」と思って書き足したために、いささか冗長な文章となってしまいました。また、「俺はこんな大変なことをやり切ったぜ」マウントを取った文章になっていないか大変気がかりでしたが、概ね好意的に読んで頂けたようでほっとしています。 一方で、「やはり大変なのですね」という印象を強く持たれた方もいるようですので「そそそそ、そんなことはないですよ」ともう少し突っ込んだことも書いておこうと思います。この記事では、ぱっと見キツそうだけど意

「MBAに行ってみたい」という社会人の方への長い手紙。

博士の話を書いたら「MBAはどうですか?」って聞かれるようになってしまったので、こちらについても少し書いておこうと思います。なお、これは私が通った神戸大学MBAをベースにしたお話しであり、他校だとどうかは分かりません。これについてもある程度共通してるんじゃないか、と言うところをかいつまんで書きますが、最終的には皆さん自身で説明会に行ったり卒業生に話を聞いたりしてご判断ください。 MBAホルダーの実態 これを読んでいるあなたがMBAに行きたいという理由は何でしょうか。昇進が

「なるほど、MBA取ってから博士に行けばいいんですね!」と言われたので「それは違う」と言った話。

さて、成り行き的にですがnoteに博士課程とMBAの事を書いた通り、これまでこういった質問やご相談を受けることがありましたので自分の経験をもとに回答してきました。そうすると、タイトルのようなことを我が意を得たり! のようなテンションで言われることがあるので慌てて訂正することがあります。確かにMBAは修士号相当の学位(専門職修士)が得られますので、博士課程後期課程を受験することができます。できますが、そんな簡単なノリで考えていると撃沈します。ARMS読んでたらその点について補足

博士号取得への道(という講演をしたのでメモ)~問いの話~

ご依頼をいただき、そんなお話をしました。最初に書いた記事がいまだに見られており、しかもフォローまでいただくことがあるようなので、博士ネタとして書いておこうと思います。例によってn=1の個人的経験のお話ですのでご了承ください。 ケース:私の博士号に至るまでのマインド変化 ※ここは読み飛ばしてもいいですw※ 前回の記事が大変エラそうな内容でしたので「さぞこの人はちゃんと勉強したのだろう」と思われたかもしれませんが、実際は全くそんなことは無く、私の5年間はこんな感じでした。

先行研究を読み進められない時に迷い込んでいる迷路の正体

来月また博士課程での過ごし方について話して欲しいというご依頼が来たので、少し肉付けを考えています。一番最初に躓くのはやはり先行研究だと思うのですが、本日師匠である鈴木先生のゼミを聴講しながら考えたことをメモ代わりに3つのステップにまとめてみました。 ※ろくに論文も書けてないのにPh.D取っただけでエラそうにこういうことを話したり書いたりするのは大変恥ずかしく思っています。ただ、自分も先輩の経験談に助けられたことがとても多く、一部の方にはSNSでこういう情報を目当てにフォロー

企業勤めでも研究者として暮らしていきたい、暮らしていく。

中園先生の記事を見て、「研究職にある人もそうなのか…」と思ってしまった。きっとどの世界も恵まれた環境とそうでないところの格差は大きい。大学勤めですらない者として、何かを書かなければならないような気がした。これから二足の草鞋を履いてでも研究活動を続けていきたい人に、何か参考になれば嬉しいなと思いながら。 企業勤めが大学で博士号を取った後に待っているもの ビジネスパーソンが博士号を取るまでのお話は、結構大変だけどとても実りのあるものだよという思いを込めて書きました。ではその過

「博士課程に行ってみたい」という社会人の方への長い手紙。

そろそろ博士課程の振り返りをしようと思って、これを機にnoteを書いてみることにしました。最初の記事としては相応しいのではないかと思って。 ※本記事は2023年6月に書いたものです。文中にAIを使うことについての記述がありますが、LLMの進歩は目覚ましいものがありますので、お読みになっている時点の状況に応じて読み替えていただければと思います。なお、私はAIは適切な用法を理解して使う上では非常に有用だと考えています。 おかげさまで2023年3月に博士号を頂くことができました