好きな歌:未完成デイジー/UNISON SQUARE GARDEN

 こんばんは。夜なので好きな歌の話をします。今まで書くのを避けていたユニゾンです。

 なんで避けてたのかというと、そもそも歌詞を解釈しにくいし(そこも良い所なのですが)、好きすぎて書くのをためらっていたというのがあります。自分の中で大事な部分を占めていて、うまく言語化できるか不安だったのです。今その不安が払拭されたというわけではありませんが、夜なので書こうと思います。書こうと思ったんで、書くのです。

 今日話をするのは、「Populus Populus」に入っている「未完成デイジー」という曲です。少し古い曲ですし、そんなに有名でもないのであまり聞かないかもしれませんね。ユニゾンはオリオンなぞったりするだけじゃないんだよ。

 僕はこの曲に、控えめであたたかく優しいというイメージを持っています。あれ、前にも歌のことで優しさの話をした気がする。

 うん、冒頭から思いっきりしてますね。想定しているやさしさがちょっと違うので、別の話はできるんですが、なんだか自分に芸がない気がしてきて悲しい。まあただ、僕はきっと、どんな種類であれやさしさが好きなんだと思います。(各位、やさしくしてください)

 まあはい、前回書いたやさしさは相手に寄り添いながら積極的に肯定していくものであったのに対し、この曲に出てくるのはある種消極的な、近づきたいのをぐっとこらえたやさしさだと感じます。こういうの、ユニゾン本当に上手ですよね。大好きです。いきなり違う歌の引用になるんですが、

もしも僕が君の前まで来て なにかできることがあるとしても
この手は差し出さない きっかけは与えたいけれど

 というフレーズが「さわれない歌」という曲の中にあります。この距離感、この距離感ですよ分かりますか。君が苦しんでる、目の前にいる、自分にはできることがある。それでも手は出さない。自分で乗り越えて欲しいから、そこを見守りたいと思うから。そういう、誰かのもがく姿や涙を全部見たうえで、自己満足の手助けなんか与えず、きちんと乗り越えるまで寄り添うことを投げ出さない。そんなやさしさなんです。

 未完成デイジーには曲全体にこういったやさしい雰囲気が一貫して存在すると思います。はい。僕がそう感じたので。

 あ、この曲の中で一等好きなやさしい歌詞書きますね。書きたいです。

いつか僕も死んじゃうけど それまで君を守るよ
頼りないけどそれなりに 笑わせてあげれるから

 ここの控えめなやさしさ最高じゃないですか?「いつか死ぬという絶望はあるにせよ、それまでは側にいますよ。頼りないかもしれませんが少しくらいは楽しくさせてあげられますよ」…自分もこんな素敵な言葉が書きたい。

 最初には控えめだと言いましたが、これはかなり誠実なやさしさでもあるなと思います。自分の分をわきまえていて、その中でできるだけやってみるよというのは、「絶対に幸せにするから信じろ」って言うのよりも好ましいです。そもそも僕は絶対って言葉が嫌いなんですよね、だって嘘になっちゃいますよね、絶対なんて言えば。そういえば、この曲の中でも「絶対」は安っぽいとありますね。そんなところも好きです。

 なんか書いていて、一つの曲だけじゃなくてユニゾンのこんなやさしさが好きって話になっちゃいましたね。まあ許してください。

 僕も、自分が生きているうちは、こうして何かを書いて、それでなんとなくいろんな人に寄り添えたらと思います。じっと見守りますよ、じーっと。どうせろくにできることなんかありゃしないので、できる範囲で、少しだけやさしくさせてください。

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