見出し画像

Vol.4 不妊と加齢の関係は?

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

※こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

妊娠しやすい人、しにくい人の違いは?

年齢、体質、かかった病気、生活習慣などの違いと言われています。その中でも年齢が子宮、卵巣、卵の質に大きく関わっています。

なぜ、年齢が関係する?

女性は、出生時に約200万個の原始卵胞を卵巣に蓄えて生まれてきます。
原始卵胞は、お母さんのお腹にいる時に作られる特別な細胞です。

特別な理由は、数を増やすことはできないということ。
そして、とても長生きできるということ。

この原始卵胞が、徐々に成長しやがて排卵される月経周期を迎え、月経周期中のホルモンの変化に反応して成長し、成熟した卵胞から卵子が排出されます。
卵子は排卵される直前まで細胞に取り込まれた状態で卵巣内にいます。
その細胞と卵子をセットにしたものが卵胞と呼ばれます。

一般的に細胞は、日々新しい細胞が生まれ、古くなった細胞は垢として剥がれ落ちます。
このターンオーバーが繰り返され、常に新しい細胞に入れ替わっています。

一方で、卵子は、新しく増えることはありません。
出生後より自然に減少し、初経が始まる頃には約20~30万個にまで減少すると言われ、日本人の平均閉経年齢である51歳頃には卵巣にある卵子は1000個程度と言われています。
この減少は、自然な流れなので、女性全員に起こることです。

年齢を重ねるごとに自然に卵子の数は減少し、卵も同じように年をとります。
女性が妊娠に臨む時の年齢と卵子の年齢は同じなのです。
つまり、個人差はありますが、外見とは関係なく卵巣の機能は正直に年を重ねています

なぜ、老化した卵子だと妊娠しにくい?

年を重ねるごとに身体の老化現象があるように、卵子にも老化現象があります。
卵子の老化といっても見た目が変わるわけではないので、想像しにくいかと思います。
それでは、卵子の老化による影響はどのようなことなのでしょうか。
卵子の老化とは、卵子の質の低下と捉えることができます。
卵子のまわりの細胞は機能していても、うまく受精しなくなることが多くなってきてしまうのです。

卵子は、成長していく過程での失敗が一定数あり、染色体異常を持つ卵子が排卵されることもあります。
この染色体異常の確率が、女性が38歳を超える頃より徐々に高くなります。
これにより、妊娠率が低く、流産率が高くなります。
また、不妊症、不育症、流産、先天性異常、ダウン症といった部分に大きく関わってきます。
このことが、卵子の質の低下を示唆しています。
年齢が若いほど妊娠がしやすいと理解いただけた上で、今ある卵子の数を知れたら今後の人生プランを見直す機会になるかもしれません。

卵子の数はわかる?

これまで述べたように、卵胞は年齢とともに減少していきます。
毎回、射精後に新しい精子が作られる男性の精巣と違って、女性はお母さんのお腹にいた時に原始卵胞という形で卵が作られると、その数は増えることなく減少していくのです。

自分の卵子の数が知りたい。知れるのかな?
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査により卵巣予備能を知ることができるとされています。
卵巣予備能とは、卵巣に残っている卵子の数の目安です。

原始卵胞は以下のように成熟していきます。
 発育卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞

AMHは、前胞状卵胞から分泌されるホルモンです。そのため、卵巣に残っている原始卵胞の数をみる目安となります。
AMHに正常値はありませんが、年齢とともに低下していきます。
しかし、個人差も大きくあり、若くても数値が低い方もいます。

ただ、AMHは卵子の質とは関係がないので、この結果がよくないとしても妊娠できないわけではありません。

卵子を若返らせることはできる?

これまで、卵子は年齢とともに減少していくと説明してきました。

それでは、増やすことは不可能でも、若返らせることは可能なのでしょうか。
人間がしわやたるみを気にしてアンチエイジングをするように、卵子も何かできるのではと考える方もいるのではないでしょうか。
 
残念ながら、人間も年齢を若返らせることができないように、卵子も若返ることは現在の医学ではできません。また、卵子の減少を止める方法もなく、1か月で1,000~2,000個の卵子の多くが成熟せず消えていきます。

これまでの述べてきたことをまとめますと、
年齢は妊娠に大きく関わってくるということ

人が年をとり老化するのと同じように、卵子も年をとり減少していくということ。
つまり、卵子の質は自然に低下していきます。
これは、自然な現象で数を増やすことも、老化を止めることもできません。
卵子の老化により染色体異常を起こしやすく、不妊、不育症、流産やダウン症の発生率が高くなってしまいます。
「今すぐ子供が欲しい」「これから数年後にいずれ子供が欲しい」など、人それぞれ、ご家庭それぞれ人生プランがあるかと思います。
当院では、AMHのみ検査(5,500円)することも可能です。
血液検査になりますので、所要時間は5~10分程度です。
結果は、一週間程度でお伝えできます。

今現在のAMHを知ることで、自身の年齢から今後妊娠しやすいのか考える良い機会になるかもしれません。

============================
『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。

表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?