見出し画像

Vol.27 妊娠判定後、体外受精と自然妊娠で過ごし方に違いはあるの?

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。
(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

不妊治療を行ってきた多くの人が、妊娠した後に次に抱える不安は、順調に妊娠が継続できるだろうか、ということではないでしょうか。
ここからは体外受精を行い、妊娠した方にフォーカスを当てて、妊娠した際の注意点をお話していこうと思います。


そもそも体外受精と自然妊娠でなにか違いってあるの?

体外受精や顕微授精によって妊娠し出生したこどもが、発達障害や内臓疾患、内臓奇形になる確率が自然妊娠で生まれたこどもよりも高いと言われることがありますが、はっきりとはわかっていません。
これまでの体外受精によって生まれてきた子どもの多くは順調に発育し、成長をしており問題なく出産できる方が多くいます。

例えば、世界で初めて体外受精にて出生した女性は今では母親となっています。
その妹も体外受精児ですが、ふたりとも自然に妊娠し子どもを授かっています。
体外受精で妊娠しても、自然妊娠で妊娠しても、妊娠過程に違いはありません。
ただ、体外受精で妊娠すると出生時、体の大きさが自然妊娠で妊娠した子どもより少し大きくなる傾向があると言われています。
ですが、これもはっきりとしたエビデンスは分かっていません。

また、高齢になればなるほど染色体異常や流産を起こす確率は高くなりますが、これは年齢に起因するものであり、妊娠方法によるそれらの発症の確率に差はないと言われています。

インターネットなどで調べると怖いことがたくさん書かれている記事や、不安をあおるように大げさに書かれているサイトがあります。
知識を持って気を付けるべきことは気を付け、健康に気を配って過ごすことはもちろん大切ですが、ストレスを抱えすぎてしまうのも精神的に負担になってしまいますので、心配があれば信頼できる医療機関へ問い合わせてみてください。

前置きが長くなりましたが、ここからは体外受精にて妊娠した後はどんなことに注意して過ごしたらいいか、生活上での注意点・薬品の二つに分けてお話していきます。

生活上での注意点って?

体外受精で妊娠しても、妊娠経過は基本的には自然妊娠と同じだと上記でお話ししました。
ですので、自然妊娠の妊婦と注意点は重複してきます。
例えば妊娠初期の一般的な注意点として、過度な運動は避けることが望ましいですが、日常生活や就労に大きな制限は必要ありません。

性交渉については妊娠が安定する12週頃までは避けるのが望ましいです。
妊娠による身体の変化(つわり)として、乳房の張り、口の中の不快感、吐き気、嗜好の変化、便秘や下腹部の満腹感、眠気、だるさを感じることがあります。
これらは生理的な変化であるため、過剰に心配する必要はありませんが、もし不安や心配がある場合は、通っている不妊治療のクリニックや産科に問い合わせてみてください。
また症状の出方には個人差があるため、症状が出ない方もいらっしゃいます。
妊娠初期のつわりの症状と、妊娠経過(胎児の発育)に関連があるわけではないことを覚えておきましょう。

また、つわりの際は食がすすまない方も多くいます。
お腹がすいても、満腹でも体調が優れない場合もあります。
においがないもの、冷たいものが比較的食べやすいとされていますが、つわりがあるときは食べられるものを無理せず食べるというのが基本です。

出血や下腹部痛は流産の際によくみられる症状です。
このような症状がみられた場合は、出血を助長するような入浴や性交渉は避け、医師の指示を仰ぎましょう。

薬剤について

薬剤の中には妊娠中に禁忌の薬剤もあるため、妊娠成立後にはそのまま服用していて問題ないか、投与量の変更は必要かなど主治医に確認する必要があります。
薬局等に売っている市販の薬剤も、妊娠中は禁じられているものや注意喚起のあるものもあります。
つわりがあったとしても、安易に使用することはやめておくのが望ましいです。

以上のことをまとめますと、
・体外受精と自然妊娠で、妊娠過程に違いはない。
・日常生活や就労に大きな制限はない。
・12週頃まで性交渉は避けるのが望ましい。
・妊娠初期症状として吐き気や眠気、だるさを覚えることがあるが、それは生理的変化。
・心配があれば問い合わせてみるのがよい。
・症状が現れない方もいる。
・出血や下腹部痛は流産症状の可能性があるため、入浴や性交渉は避け、医療機関を受診する。

ここまで妊娠初期の注意点や過ごし方のポイントをお話してきました。
表参道ARTクリニックでも体外受精の末にご妊娠され、つわりに悩んでいる方も多数いらっしゃいます。
つらいときは一人で悩まず、医療機関へご相談してみましょう。

============================
『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。
その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。
検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。
「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。

表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?