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U-23は若手に非ず。五輪は負けてもいいからU-21で戦うべし

 大相撲中継を見ていたら、解説の北の富士さんが「最近は高校出身の力士が増えている。いいことだね」と喜んでいた。高卒、中卒が主体だったかつての世界に戻りつつある。入門する力士の年齢が上昇する傾向が、最近は収まりつつあると言うことらしい。

 条件反射的にサッカーはどうなのか、その現状が頭をよぎった。選手として実際に活躍する期間が短ければ、出世を意味する昇りの階段の総数も減る。欧州の上位クラブから声が掛かる前に、いい年齢に達してしまう。日本にとってこれは好ましい話ではない。

 22、23歳でJリーグに入り、選手として一定の評価を得るまで最低約2年。日本代表に選出され、知名度が上昇した後に欧州を目指すという常識的な選択をすれば、もう20代後半だ。たとえば三笘薫は、代表チームで活躍してから、という工程を飛ばし、大卒2シーズン目の途中、24歳でユニオン・サンジロワーズ(ベルギー)へ移籍した。その後、代表チームに招集されるというステップを踏んでいるが、言ってみればこれが、大卒選手が欧州へ移籍する最短の例になる。

 最短で24歳。順調にステップを踏んでも25、26歳。27歳を過ぎて欧州組になっても遅いとは言えない。これが高卒になると可能性は4年早まる。

 たとえば冨安健洋は、アビスパ福岡から19歳2ヶ月でシントトロイデン(ベルギー)に移籍している。その1年半後、ボローニャ(イタリア)へ。さらにその2年後、22歳と10ヶ月で、現在プレーするアーセナル(イングランド)に移籍した。

 選手の商品価値は年齢と密接に関係する。冨安はまだ23歳。アーセナルで活躍すれば、チャンピオンズリーグ(CL)級のチーム=アーセナル以上のビッグクラブから声が掛かる可能性がある。アーセナルにとって冨安は、購入価格より高値で売れそうな商売的にもうま味のある選手なのだ。

 ボローニャ、シントトロイデンも同様。それぞれのクラブは冨安を獲得したことで、懐はそれなりに潤った。お互いがウインウインのハッピーな関係を築くことができた。

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