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「保身に走る監督」対「サッカー競技の発展、繁栄を考える監督」という対立軸

 サッカーはGKで決まる。劣勢の試合をGKのファインセーブでモノにした時など、特にそう言いたくなる。瞬間、GKの力量は結果に3割ぐらい影響しそうな印象を与えるが、一方で、GKの活躍がスコアに関与しない試合も同じくらいある。攻められる機会が少なく、GKが活躍せずに勝利を飾れば、GKの重要性は忘れがちだ。

 センターフォワードの重要性もGKに似ている。3割と言いたくなる場合もあるが、それほどだと思わない場合もある。

 僕がたびたび指摘する「サッカーはサイドバックで決まる」も、試合展開に左右される。接戦になるほど重要視したくなるポイントだが、毎試合あてはまるわけではない。

 それは、すべてのポジションに付いて言える。重要となる箇所は展開次第で変わる。

 どんな場合も高い影響力を保持するのは選手ではない。監督だ。結果や内容に監督が影響を及ぼす割合は平均3割。1割の時もあれば5割の時もあるが0であることは全くない。

 その割合は、あらゆる競技の中で断トツの1番ではないかと思われる。なによりサッカーには、選手の善し悪しを示す具体的なデータがない。監督は自らの主観を頼りにメンバーを決める。監督交代を機に、スタメンの顔ぶれが一変することはよくある話だ。

 布陣も選択する。採用可能な選択肢は少なくとも10通り。守備的な布陣もあれば、攻撃的な布陣もある。中庸な布陣もある。どの布陣を選択するかでサッカーは激変する。

 メンバー交代も大きなウエイトを占める。どのタイミングで誰を下げ、誰を送り込むか。ベンチに下げる選手と異なるポジションの選手を投入する戦術的交代という選択肢もある。

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