見出し画像

鎌田大地。4−2−3−1の1トップ下もいいが、4ー3ー3の「0トップ」も見たい

 鎌田大地という切り札をいかに有効に使うか。カタールW杯に臨む日本代表にとって、これこそが最大のカギだと考える。


 今回のアメリカ戦、エクアドル戦に、従来の4-3-3ではなく4-2-3-1で臨んだ森保監督だが、その変更理由に鎌田は深く関わっていたと思われる。1トップ下という鎌田にとって最適解が存在するかしないか。ポイントはここになる。


 南野拓実もポジション的な適性は鎌田に近い。サイドに適性がないという点で両者は一致する。南野は加えて鎌田より中盤的だ。4-2-3-1の1トップ下より、4-3-3のインサイドハーフの方が適役に見える。極端に言えば4-2-3-1にしか居場所がない鎌田に対し、南野は4-3-3にも居場所がある。そうした中で森保監督は4-2-3-1へ移行した。鎌田に寄り添う選択をした。


 エクアドル戦に4-2-3-1の1トップ下として先発した南野は、実際、前戦(アメリカ戦)で同じポジションを務めた鎌田より、低い位置取りをした。


 そこで1トップと1トップ下の関係を気付いた古橋亨梧との距離も、アメリカ戦でコンビを組んだ前田大然と鎌田より離れていた。


 古橋が前田より孤立して見えた理由である。布陣は同じでも、実際の陣形はその分だけ異なって見えた。その4-2-3-1は4-3-3的だった。


 4-2-3-1と4-3-3を比較したとき、差が顕著になるのは、1トップとその周辺の関係だ。4-3-3の1トップとインサイドハーフは、4-2-3-1の1トップと1トップ下に比べ、離れた距離に位置している。つまり、1トップにサポートが来るまで時間が掛かる。

ここから先は

1,524字

¥ 140

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?