たかがテロップ、されどテロップ・・・

ぼくは普段あまりテレビは観ない。しかしそんなぼくでも、現代のテレビにはテロップが溢れていることくらいは知っている。もう音声をゼロにしたって、演者さんが何を語っているか全て分かるほどだ。

妻のYouTubeは「羊毛フェルト」の制作過程を見せるチャンネルなので、一番重要なのは羊毛フェルトを針で刺しているところをしっかりと映すことである。しかし、ただそれだけだと何が何だか分からない。今何をしているのか?そこにはどんな技術があって、何に気をつけているか?それを伝えるためにナレーションとテロップを入れることにした。

しかし、この作業には思いの外の苦労が待っていた

ナレーション収録自体は、妻が話すことが得意であった上に、ぼくが録音に関してはプロであったので、滞りなく進んだ。しかし、問題はその先にあった。テロップ入れに必須の文字起こし作業をしたのだが、これが時間がかかる・・やったことがない方は是非一度チャレンジしていただきたいのだが、テレビの編集マンの労力に触れることが出来るのでオススメだ。

これは修行だ

そう思って作業するしかなかった。録音された妻の声を聴きながら、ひたすらタイピング。しかもそのフォントや、文字の大きさ、色、配置等、様々な事を考えなければならない。ぼくはフルテロップで制作をする事にしていたので、たった10分程度の動画であるが、途方もない時間がかかった。ようやく完成た。ぼくとしてはとにかく自分が入れたテロップが表示されるのが嬉しく、満足であった。しかし・・・

テロップ入れすぎじゃない??

完成した動画を観てくれた妻から言われた一言である。テロップがずっと入ってて、羊毛に目が行かなくなるという事だった。YouTubeの攻略法にあった「ジャンプカット」という、余計なシーンを大胆にカットして動画のテンポを良くする手法を使っていたので、本当にずっとテロップづくしになってしまっていたのである。

これでは本末転倒である

演者の語っている内容を分かりやすく伝える為に、テロップを入れたはずなのに、その情報量のせいで、逆に伝わりにくくなってしまった。適度なバランスが重要だったのだ。テロップ入れをしていた時は苦労していたが、「仕事している感」という謎の充実感をに酔いしれてしまっていた。これでは大切な事を見失ってしまっている。

視聴者が最も理解しやすく、観やすいものを作る

どこまでもユーザー視点。それこそが、妻の「影響力」を獲得するという一番大本の目的を達成することに必須だったのだ。何事もそうだが、目の前のことに囚われて全体を見失いわない様にしなくてはならない。大変貴重な経験であった。

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