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#13 種を蒔く 芽吹くか芽吹かないかはひとまず脇に置いておくとしよう

 一般社団法人Omoshiroが立ち上がるときに、あれよと巻き込まれた。いや、もしかすると焚き付けた側だったのかもしれないけれども。

 私は、横浜と京都に事務所を構える建築設計事務所を営んでいる。いわゆる建築家と呼ばれる職業を生業としている。それだけであるならば、特筆するところもないのだけれども、どっこい、少々毛色が変わっている。

 私自身の頭髪も、年齢にしては白く変わっているのだけれど、私の事務所の在り方は、それよりも幾分、毛色が変わっているのではないかと思う。

 ややもすると、毛色が異なっていたがゆえに、こうして、いま、Omoshiroに関わることになったと言える。


 申し遅れました。


 一級建築士事務所秋山立花の代表と
 NPO法人全国ひとり親居住支援機構の代表理事
 をしている秋山と申します。

 どのような事務所であるかは、こちらのホームページをみていただければ、幸いです。



 月に1度、Omoshiroのnoteで、こうして拙い文章を書かせていただけるとのことなので、私の立ち位置からみたOmoshiroを書かせていただきたいなと思う。

 なので、まずは私自身がどの立ち位置に立っているのかということを自己紹介を兼ねて記す。

 私は2012年から母子家庭のための住まいの新しいあり方を模索せんがため、母子家庭専用のシェアハウスの企画と運営に携わってきた。住まい、というのは当たり前にあるようであるけれど、その実、得ることが大変困難をともなう場合がある。
 高齢者の一人暮らしや、外国籍の方、障害を持たれている方、そして母子家庭。不動産業界、大家の偏見のために、住まいを借りるときにいらぬ不利益をうける人たちがいる。
 そも、住まいとは生活の基盤であり、安心して安全に暮らせるために必要なものであり、それはつまるところ基本的人権である。しかし、この国は残念ながら、その思考が抜け落ちており、住まいに対する意識が低い。

 誰もが安心して安全にそして健康に暮らすことができる住まいに、住むことができる社会。

 そんな社会を実現させたい。

 そうした思いで活動を重ねていたところに、偶然にも知り合えたのがOmoshiroの代表である勝呂氏である。

 母子家庭のための住まいを考えるにあたり、住まいだけではなく、心のケアや生活基盤を整えるためのサポート、働き始めることへの応援などが必要となる場面は多い。

 そのためには、私だけではなく、さまざまな専門家や制度を組み合わせて、協力をしながら仕組みをつくらなくてはならない。

 まさに、そうした人や団体がいないものかと思っていた時に、出会えた。


 私からみれば、これこそ、鴨がネギを背負ってきたといえよう!

 と思っていたのだけれど、

 向こうからしたら、飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのこと!

 と思っていたかもしれない。


 何かが始まる時というのは、えてしてこういうものかもしれない。

 とにかく、まずは種をまいていく。

 それが芽吹くか芽吹かないかは、その時はひとまず置いておく。

 芽吹こうが、芽吹くまいが、種をまく。

 種をまかねば、芽吹きようもない。

 蒔いた種が、ときおりこうして、思いもよらぬところから、ひょこっと芽をだすことがある。

 ひょんなことから芽吹いたこのOmoshiroが、どんな成長をとげるかはまだわからないけれども、この芽が成長する分だけ、社会は確実に良いものになるであろうことを信じている。


一般社団法人OmoshiroのHPはこちら