見出し画像

空き家問題

高齢化社会をむかえている日本、核家族化が加速する日本。地域には若者がいなくなり、70歳を超える高齢者が昔からの土地に住んでいる。70歳くらいまでは元気な人も75、80と歳を重ねてくると、体力が衰え、できていたことができなくなる。かといって息子や娘が帰ってくることはなく、やがてその家は空き家となる。すでに都会での生活基盤のある息子たちは、帰ってきて住むこともない。大きな木造の家は、立派だが、不便で寒い。老朽化も進んでいる。そんなふうに空き家になってしまった家は山のようにある。最近自治体では空き家バンクというものを積極的に取り入れ、空き家対策に乗り出している。先祖代々の土地を、家を手放すというのは、思った以上に難しいものだ。それが全く知らない相手となるとさらにハードルが上がる。

自分たちでデザインして工務店に頼んでリノベを行った。

面白(おもじろ)で見つけた空き家

私たちは偶然、通りかかった大多喜町の空き家バンクに乗っていた古民家に出会った。平屋で地区は30年程。古民家というほどの家ではないが、昔ながらの日本家屋だった。元々大工さんが住んでいた家だということで、その人が建てたわけではないが基礎から、建て付けまでとてもしっかりしており、状態はとても良かった。

買い付け当時の状態
いわゆる基本の日本家屋だった

確認済み証

空き家を改修して宿を始めようとすると建築基準法やら旅館業法やら色んな法律が絡んでくる。旅館業の取得には確認済み証といって、ちゃんと建築基準に沿って建てられたものですよ、という証が基本必要だ。古い家には大体なくていつも困る。困るたびに管轄している保健所に行って、ないものをそうすればいいか相談する。今回は建築士さんに診てもらって、大丈夫ですよとお墨付きをもらってそれを報告した。いい建築家さんに出会えて私たちはとてもラッキーだった。

古民家を甦らせる

意外に昔に建てられた家はしっかりしていたり、立派な柱があったり、今では考えられない高級な材木を使っていることもある。そんなものを活用しながら、今風に、昔の良さも残しつつリノベーションをしていく。電気工場や水道工事は専門家にやってもらうのがいいだろう。難しい施工も大工さんに任せた方が安心。自分たちでできることは壁を塗ったり、家具を作ったり、下手なりに味のあるモノができるものだ。

リノベ後のハウス。
リノベ後の一部屋。漆喰は自分たちでDIYした。

バタフライ効果

小さな出来事が広がって、大きなうねりになる。古びた空き家も、綺麗に掃除して、いたんだところを修理すれば、いまの資材では作れない味のある魅力のある建物に生まれ変わる。そんな活動をしている人が増えている。ヨーロッパやアメリカでは当たり前のように、中古の物件をリノベする。日本の家も時代の変化に合わせて変えていくことで、その良さを発揮できる。それが私たちが空き家を買って千葉に一棟貸の宿を始めた理由だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?