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▽ 使える確率の学び方

  ▷ 条件付き確率からベイズ推定へ
  ▷ 期待値から機械学習へ
  ▷ Excel に人工知能を実装せよ

 確率と統計は似ています。けれども、確率と統計はむしろ真逆だとも言えます。確率の問題では通常「サイコロ= 1/6 、じゃんけん= 1/3 、コイン= 1/2 」から話が始まります。つまり中学・高校の確率では「大元が 与えられて、そこから具体例を計算する」わけです。それに対して「周辺情報から大元を探る」のが統計です。その意味で真逆なのです。
 「周辺情報から大元を探る」のは、高校数学でいうと「条件付き確率」にあたります。その考え方はネット社会で多く使われています。例えば、Amazon のお薦め本など。限られた情報(=与えられた条件)から、ある事柄がどの程度成り立つのかを見込む(=確率を計算する)わけです。
 もう一つ、高校の確率の中で人工知能を理解するために大事なのは「期待値」です。さて、数学の授業で期待値を扱うときも「サイコロなら 1/6 、ジャンケンなら1/3 、コイン投げなら1/2 」が大前提になっています。 大元が変わることはありません。けれども、将来必要になるのは「大元の確率を変えることで、期待値を最大化する」ことです。
 そして人工知能がやっているのは、実はそれなのです。ビッグデータを元にして、期待値が最大になるよ うに情報に重み付けしているのです。情報の重み付け とは、一律に受け取るのではなく、強弱をつけて受け取ること。生物の脳も人工知能も同じです。忘れることやぼんやり見ることは大事な機能です。そうやって情報に重み付けをすることから意味が出てくるからで す。
 高校数学の教科書で「条件付き確率」も「期待値」 も扱いが小さいのですが、それこそが人工知能につな がる部分であり、かつ将来最も役立つ部分です。

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