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お着物が好きになってからの変化

昨日から、中島要さんの着物始末暦を読み始めて、途端に少し江戸っぽいイントネーションが言葉の端に混じる様で、どうしたの?と言われました。笑

高田郁さんのご本を読んでいると、船場言葉で生まれ育ったわたくしには目に優しく脳内再生されて、本当に楽しいのです。江戸の言葉はどうでしょうと思いましたが少しずつ慣れてきている様です。

わたくしの生家はお洋服に関する商いを何十年もしておりまして(小売ではありません)、良いものかどうかは別にして身の回りにお洋服がたくさん溢れているところで育ちました。

そのおかげでしょうか、お洋服は物ごこころついた頃から新しい、その時期の流行のものを身につける生活でした。ユニクロの様なファストファッションではない時代、今考えればずいぶんと贅沢でした。

ただ、大量にお値打ちなものをとにかく買うというのが苦手で、大阪のおうちでよくやる「問屋街でカード作っていろいろ買い込む」というのは苦手なタイプでしたので、母や妹とは当時から路線が違っておりました。自分でお金を稼いで買う様になってからは、好きなブランドのお洋服に随分お金を使いました。身ひとつでいろいろなところで仕事をする仕事でしたので、身なりが大事、お洋服は自分を信頼していただくための大事な要素でした。

そんな時代が過ぎまして、ひとしきりの海外生活から戻りましたときにお着物に出会いました。海外に住むと日本の良いところが本当に身に染みる時があるのです。

日舞をやりたくてすぐに習いに行きまして、その流れでお着物の世界に入りました。当初は着付けも習わず知らないことだらけでした。

居を関東に移しましてから、教えていただくところに参りまして、一通りお勉強させていただきました。驚くことがいろいろで、先生によっても千差万別、良い先生に教えていただいて、試行錯誤も経て、今ではスムーズに着付けられる様になりました。

お着物屋さんや悉皆屋さんとは以前書きました様にトラブルが多く、お店でのやり取りも良い気がせず、オンラインでの購入、メルカリで買うことがほとんどになりました。

メルカリで購入するのは同じ様なサイズでよく似たセンスの方が手放される場合はお安く良いものが手に入ることが多いからです。
それに、本当に気持ちの良い心のこもったやりとりをさせていただけることが多いのです。譲っていただいたもの大切に受け継がせていただこう、と思います。

お洋服よりもずっと、お着物の方がコスパが良いなぁと思います。スカート一枚のお値段で正絹のお着物が手に入るのですから。

そんな思いで着物や帯に触れる暮らしにシフトしていきますと、お洋服が大好きで、楽しんでいておりましたのにとんと興味がなくなってきました。シンプルなものが数枚日常着としてあればそれで十分という感じです。

わたくしにとって、着るものは自分を写す鏡です。なりたい自分やあり方の表現の一端が着物の世界に足を踏み入れたことでとっても豊かになった様な気がします。日本に戻ってきた頃、「何を着れば良いかわからない」ということに陥ったのが嘘の様です。

背筋を伸ばし、美しい着物を着こなしていける自分でありたいと願っています。

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