見出し画像

「豚しゃぶ甘きな粉白玉臭たくあん」

年末年始、家族や親戚が集まると鍋をすることも多いだろう。

今年の正月、私の母は世紀の大発明レシピを考案した。

鍋も終わりに差し掛かり、食後のデザートでみんなでお汁粉を食べ、余った白玉をきな粉で食べていたその時に生み出されたもの。

それは、

「豚しゃぶ甘きな粉白玉臭たくあん」


全然まとまりきれていないメニュー名。

一応略すことや、何かに例えて名前をつけることも考えたが、このレシピの魅力を存分に伝えるには、何にも訳せず、端折らずそのまま伝えるしかなかった。

作り方は簡単。

材料
砂糖入りきな粉
しゃぶしゃぶ用豚肉
白玉
田舎のたくあん(臭ければ臭いほどいい)

作り方
お皿に砂糖ときな粉を1:2で入れる。(たっぷり)
その中に白玉を1つか、口が大きい人は2つか3つ入れる
しゃぶしゃぶした豚肉を白玉に巻き付けて、なるべく砂糖きな粉も多くまとわりつかせて急いで口の中に入れる。
※むせないようにしっかり呼吸整えて、水分も事前に取っておく
5回ほど咀嚼したら、たくあんを口の中に突っ込む。
たくさん噛んで、食感と味のマリアージュを楽しみ、息を吐いて風味を存分に楽しむ。


このレシピは、お皿で完成するわけではなく、自分の口の中で完成する。


目を閉じてたくさん息を吸って、たくさん咀嚼して存分にこの料理を味わっていただきたい。

まず、きな粉の風味と、お肉の旨味、白玉のもちもち食感が最初にきます。
その後、砂糖のじゃりっと食感に甘さが追いかけてきて、お肉の旨味もさらに追いかけてきて、白玉は食感以外に風味も楽しめるようになります。

そして、程よくこれらが混ざったタイミングでたくあんを口に入れます。
たくあんのぼりっと食感と風味がこれらに猛烈なパンチを与えてくれて、たまらなく最高なのです。

ポイントとしては、たくあんはできれば手作りの田舎たくあんがいい。

匂いが強烈で、超いい意味でくさ〜〜いやつ。なるべく硬めでたくさん咀嚼する必要があるものの方がいい。

豚肉は、私は脂身多めで薄いものが好みだが、ここは好みの問題なのでなんでもいいと思っている。
肉の脂身と白玉の今まで別世界で生きてきたけど、ツルツル・テカテカという共通項がある白同士。生き別れの兄弟のよう。この組み合わせは本当に最高。

鍋といえば、お腹も心も温まる優しい料理のイメージ。
そこに、この料理を食べることで舌も脳もびっくりして超ハイ状態になれる。

そして、超ハイ状態で食べるというのも大きなポイント。
超ハイ状態だと呼吸が荒くなるので、匂いが体内に早く循環し、より風味を感じられる。


とにかく、一度食べてみてほしい。
とにかく、とにかく、食べてみてほしい。


私は最初、母の発明と興奮度合いを見て冷めた目で見ていたが、一度食べると虜になった。今はこれを食べるためにしゃぶしゃぶをするくらい。


健康を意識し出してから、砂糖の摂取を控えているのだが、このレシピに限り、砂糖は必ず使う。自分の中の強いルールを破ってでも食べたい一品。


そして、この料理はたくさん噛むし、驚きやワクワクなどのエンタメ要素もあるので少しの量で満足できる。そのため、ダイエットにも最適なレシピなのではないかと思っている。

これほど、考えるだけでワクワクできるレシピが他にあるだろうか。

考えるだけで幸せになるレシピ。あまり母に感謝を伝えた機会はなかったが、この場で母に感謝を伝えたい。

よろしければ、サポートお願いします!頂いたサポートでシュークリーム買ってシュークリームみたいになりたいです。