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独善とポリシーの間

「僕は延命治療にしかならない治療は勧めません。」
自分のポリシーは明確に患者さんにもご家族にも伝えるように心掛けている。
何を希望するか、何を選択するか、それを決めるのは患者さん自身としても、その決断をするのに必要な情報を提供するのはプロである我々の務めだ。
その意味で、自分の基本スタンスはこうですよ、と伝えなければフェアではないと思う。
プロであっても僕らはバイアスに塗れている。
評価はバイアスフリーであるように心掛けるがプランを提示する以上、自らの価値観無しではいられない。

「こうして欲しくない、もしくは、こうして欲しいと言う希望や期待はありますか?」
同時に、相手のニーズは極力早期に把握できるようにと心掛けている。
良かれと思って提案したことが時に不快にさせたり、抉ってしまったりは、人と人がコミュニケーションを取る以上、必ず発生するだろう。
人間は間違いを犯す生き物であり、これに対するプロとしての応対がニーズの把握と前提条件の共有である。

医療の主役は僕達ではない。
アウトカムの尺度は、本人達の価値観にあったものでなければならない。

#医療 #救急 #ポリシー #人生会議

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