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240626【本編】L.V.ベートーヴェン交響曲第6番『田園』他

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オープニング
好きな芸能人のアカウントからフォローが来てちょっと騙されそうになったなっちゃんのはなし
梅雨用のリクエストっていうことでジルコンさんからベートーヴェン交響曲第6番『田園』第4楽章『雷雨・嵐』のリクエストがあったんだけど交響曲ってその流れ自体が大事なんで今日は『田園』全部聴きます 過去にない5楽章構成の第4楽章

(放送に使用した音源はヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニーオーケストラでした)

L.V.ベートーヴェン 交響曲第6番作品68『田園』 第1楽章『田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め』Allegro ma non troppo(冒頭CUT)

ベートーヴェン先生 ここ2ヶ月位で交響曲いくつか3番7番とかご紹介してて 彼のすごかったところの話をまたしたい

その一つ ベートーヴェンはそれまでの交響曲の伝統にのっとって交響曲を第1番から書いていく。そしてベートーヴェンのすごいところは もっと新しいものを求めてその過去の決まりを変えていったところ 最終的に 交響曲第9番では交響曲に合唱隊を連れてきて歌わせる みたいな 過去にない取り組みを 試しては成功させていった その一つがこの曲 交響曲第6番『田園』 大幅に過去にないことを持ち込んだ音楽 この音楽が 過去に例がない5楽章構成 

もうひとつ ベートーヴェンは 基本的には 絶対音楽の作曲家だと言われる ベートーヴェン以前の交響曲には絶対音楽じゃない交響曲って無かった  基本的に音楽は音楽の美しさ悲しさが全てであって 心情表現とか具体的な風景を表すものではない という考え方
当然 歌詞のある歌なんかがそれに対抗してしまう 具体的なイメージを持った音楽を 標題音楽と言ったりする その後 ベルリオーズが革新者だと言われる 具体的な風景 劇のワンシーンみたいなものを表現した交響曲をつくる人が現れることになる

この第6番 歌手も出てこないし かろうじて歌詞は無いが 非常に表題的な音楽 ベートーヴェンが初めてこんなことをやった っていう交響曲

それぞれの楽章にタイトル この第1楽章は 『田舎に到着したときの穏やかな感情が目覚める』 この音楽で我々は その題名を知って そんな風景を思い浮かべて聴いていい



第2楽章『小川のほとりの情景』Andante molto mosso(冒頭CUT)

非常に優しいゆったりとした音楽 第2楽章 小川のほとりの情景 アンダンテモルトモッソ

優しい流れを思わせるようなサラサラという感じの弦楽器の川の流れ この曲に関してはベートーヴェンの交響曲の中で唯一そんな楽しみ方が許されてる 


第3楽章『田舎の人々の楽しい集い』Allegro

よくこの番組でも説明する言い方をすると 第1楽章かっこよくてでっかい楽章が過ぎて さっきの第2楽章で ゆったりの楽章 第3楽章で出てくるの この番組ではよく 変化球の楽章と説明する これも 以前舞曲が置かれていた部分に スケルツォ っていう ちょこまかした音楽を置くっていうベートーヴェンの発明

この楽章に表題として置かれている言葉は 『田舎の人々の楽しい集い』 広場で集まってお祭り スケルツォの前身であった舞曲に聞こえるという方もいるかも 村人たちの踊り といったところ

たとえば交響曲第3番 英雄では ベートーヴェンは第3楽章に 『スケルツォ』 とちゃんと書いてる この第6番では 書いてなくて 単に 『田舎の人々の楽しい集い』 と書いてあるだけ

この第3楽章から第4楽章 第5楽章というここからの3つの楽章は全部アタッカで全部つながってるので つながってるところを今日はつなげて聴いていただく

この楽しい集いが終わったら 一天俄にかき曇り ってなる

※番組で言えなかったところ※この第3楽章の終盤戦 第5楽章の ちょっと予告編みたいなメロディ出てくる 

リクエストいただいた 梅雨の音楽 第4楽章 副題が 雷雨・嵐 とされている第4楽章 短い楽章 せっかくのリクエストなので解説無しで聴いていただく



第4楽章『雷雨・嵐』


第5楽章『牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち』Allegretto

嵐がやんで 雷も次第に遠くなる 第3楽章のいちばん最後でちょっと匂わせ風に現れた幸せな主題 第5楽章の第一主題として帰ってきて迎えるのが第5楽章 フィナーレ

アルプスの少女ハイジの ペーターがいる山 とか思い出しそうなメロディ 牧場に響くホルン 牧場の音楽

ベートーヴェンが提示しているこの楽章の副題が 『牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち』 のびのびとした弦楽器が 4楽章の嵐が過ぎた喜びを表していく

ベートーヴェン 交響曲第3番 英雄 を取り上げた時 ベートーヴェンが遺書を書いた っていう話をしたことがあった ハイリゲンシュタットの遺書

ハイリゲンシュタット 場所の名前 ウィーン郊外 車で行くと30分くらいなんで 八女から黒木とか星野とかくらいの距離 歩くと2時間位とか

音楽家として名声を得始めたベートーヴェンの身に不幸が訪れたわけです 具体的には音楽家として命とも言うべき 聴覚に障害があらわれる。 聴覚を失ったら自分には残されたものはないと死ぬ前提に遺書を書いた ベートーヴェンまだ31歳 1802年。 二人の弟に宛てた手紙で 具体的には 自分が死んだら 少ない財産はお前たちで分けろ みたいなことを書いたもの

その遺書を書いた時 田舎のハイリゲンシュタットに居たっていうのも 耳の養生のために 自然豊かな場所へ静養に出たということだったらしい

交響曲はまだ第2番を作曲したところ そこでベートーヴェンに死んでもらっちゃ困る なんとか踏みとどまってくれて その後ベートーヴェンはちゃんと復活して いろいろと頑張って聞こえにくい耳で作曲を続けてくれたからこそ ありがたいことに作品が聴ける

ハイリゲンシュタット その後も毎年のように夏場に訪れていたそうで その伸び伸びとした空気を浴びて作曲したのがこの田園って言われてる ベートーヴェンはお散歩みたいに野山を歩きながら音楽を作るのが常だったと言われていて ハイリゲンシュタットの野山を歩いている肖像画も描かれてる

宮沢賢治が 全身写真では一番有名な たぶん岩手の野山で撮った写真があるんだけど あれはベートーヴェンの ハイリゲンシュタットを歩いてる肖像画に似せて撮らせた

宮沢賢治もいちばん好きだった交響曲は第6番だったとか まもなく第5楽章も終盤戦 この曲の終わり方 こうね みんなが嵐が過ぎたことを喜んでる田舎の広場を ドローンで撮影してるとして そのドローンがこう 後退していって 映画が終わっていくような感じに曲を閉じていく気がしてて そんなイメージで聞いていただけると楽しいんじゃないか


ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。

先々週くらいに依頼が来たんですが 横浜だったかからメッセージいただくもぐら猫の誕生日が近いってことで 誕生祝いをなんか用意しろ って言われてて 彼女が好きな曲とかいくらか考え合わせたんですが 今日のディスカバーを生誕祭にしようと思いまして この曲をカバーしたい

マオさんっていうボーカリストの楽曲 『夢をかなえてドラえもん』  ドラえもんのテーマソング 12年間にもわたって使われた 聴いたことのない方のほうが少ないかも

今日は いつもと逆で 現代の音楽をクラシック音楽の楽器でカバーしたパターンの 弦楽四重奏団 カルテットフレスコヴェッセル  桐朋音大 まぁ日本で一二を争う名門音楽大学 そちら出身の4人 弦楽四重奏っていうと ヴァイオリンが二人 ヴィオラが一人 チェロが一人 チェロだけ男性で残りは女性の弦楽四重奏団 カルテットフレスコヴェッセルの演奏で この曲 夢をかなえてドラえもん


フリートーク

セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治の作品
宮沢賢治ってチェロ弾く人で チェロ買って 東京に習いに行って 先生に3日で教えてくれって言って習ってきて毎日弾いてたって話がある

不思議なのは宮沢賢治って名前が内側に書いてあるチェロが今も岩手県 花巻 の宮沢賢治資料館に残ってて 内側に誰が作っていつ作ったって書いてあるラベルがある なんで内側にあるかっていうと 簡単に書き換えたり張り替えたりできないように

そこに 1926K.M. ケンジミヤザワね って書いてある

普通は楽器って開かないし開けないのよ どうやって書いたんだろ

これから後の音楽
先週 ロシアのリムスキー=コルサコフっていう人の スペイン奇想曲 っていう曲聴いた その中で スペインのアストゥリア地方っていう場所の音楽がたくさん使われてるっていう話で少し出てきた アルベニスのスペイン組曲の アストゥリアスっていう音楽お聴かせしたいって言ったので そいつを聴こうと思って持ってきた


番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。BGMなどで使用した楽曲はこちらです。

I.アルベニス スペイン組曲作品47より アストゥリアス 河野智美によるギター版

この曲 僕はギターで弾いてるイメージがすごく強かった アルベニスってピアノが得意な方で もとはピアノ曲  今日はあえて僕が持ってたギターで弾いてるバージョン

お別れの曲

F.タレガ アルハンブラの思い出

スペインのギタリストで作曲家 20世紀のクラシックギターの基礎を作ったと言われる フランシスコ・タレガ 突出した人気を誇る アルハンブラの思い出

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