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240605【本編】グリンカ『ルスランとリュドミラ序曲』『ヴィオラソナタニ短調』など_FM八女

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オープニングトーク
FM八女の開局記念日が6月1日 12年前に開局したFM八女午後の番組に遅れること1年ちょっとくらいで始まったきらきらミュージックBOXこれからもよろしくおねがいします

今日の音楽の話 6月にまつわる作曲家 ちかごろ その月に生まれた 亡くなったっていう方を なんとなく中心にご紹介する まぁそうしたほうが取り上げる作曲家の バランスがよくなるんじゃないか みたいな話
6月の作曲家たくさん並んでる中で 一番に書いてあった方 なんでそんな一番にその人が書いてあるかっていうと 6月1日 はじめの日に生まれたっていうだけ FM八女と同じ誕生日 あまりビッグネームとは言えないかもしれない知らないという方もいるかも 一発屋とも言われる方なのだけどまずはその一発聴いてほしい

M.グリンカ オペラ『ルスランとリュドミラ』序曲

さきほどから一発屋と言ってるグリンカ 今頻繁に演奏される音楽がこちらの音楽 舞台は ロシアからベラルーシ ウクライナ 今はすごく難儀な地域ですが 昔9世紀から13世紀 そのあたりの時代に存在したキエフ大公国 
主な登場人物は 騎士ルスランと リュドミラ王女 結婚式の場面で物語が始まる 結婚式の最中 あたりが真っ暗に その後明かりが灯ると花嫁 リュドミラ王女がいない 悪い魔法使いにさらわれてしまった たいへんだ助けに行くぞ リュドミラ王女を取り戻しに行く物語  最終的にはハッピーエンド すごくわかりやすい英雄譚
ものすごく忙しい弦楽器の疾走感が感じられる音楽 今日はこちらの曲 ルスランとリュドミラ序曲 ミハイル・グリンカという名前をご存じなかった方には名刺代わりに

フリートーク
ルスランとリュドミラ序曲 ミハイル・グリンカ ピカ一のヒット曲CMとかテレビ番組とかでもよく聴く曲
グリンカ 僕にはグリンカに注目しちゃう理由がもう一つあって 一発屋的な方なので他に有名な曲はあまり無いが 一部の方に人気の高い音楽聴いていただく ピアノと1本だけの弦楽器の音楽

M.グリンカ ヴィオラソナタニ短調 第1楽章Allegro moderato
演歌ですよね 泣きのヴィオラ  僕が演奏する楽器 ヴィオラっていうんですが それと同じやつで弾く音楽
ミハイル・グリンカ ヴィオラソナタニ短調 第1楽章
グリンカの音楽は ルスランとリュドミラを除くとあんまり演奏される機会がない 実際 僕もほかはほとんどグリンカ作品なんて知らない
今井信子さんっていう日本のヴィオラ奏者がいらっしゃる その方の ヴィオラのディスクを聴いたら この曲が収録されてて ほほうグリンカですかと 美しい カッコイイ と思って で その曲について調べ始めて  楽譜手に入れて それが今年のはじめくらいだったでしょうか
ちょうど僕は 近頃 ずいぶん長い事ほったらかしてた楽器をあらためて弾き始めたところで なんだったら弾いてやろうって思った  僕の今年の目標 みたいな感じで 今の僕のTwitterポストの一番上に 固定Tweet こいつを練習してます って 楽譜の1ページ目の写真が固定してあるのがこの曲です

未完成作品とされている 第2楽章までしか残っていなくて 中途半端なもんだからその今井信子さんのディスクにも第1楽章だけしか収録されてない 録音によっては1楽章だけにされてたりもするくらいの音楽 存在感としてもちょっと中途半端 その後第2楽章まで収録されたディスクを手に入れまして 今日はそのディスク ミヒャエル・クーゲル っていうウクライナのヴィオラ奏者 のディスク
要するに僕が今楽しく練習してる音楽 CDも あんまり売ってないんで まぁラジオの電波に乗るなんてことは ほとんど無いし なかなかレアな音源

グリンカの話に戻る 一発屋とバカにしてるけど ロシア音楽 その後もちろん盛り上がって ムソルグスキー ボロディン チャイコフスキー ラフマニノフ ストラヴィンスキー ショスタコーヴィチ と今に至る栄光の系譜は出来ていく グリンカはロシア西洋音楽の開祖とまで言われる方
ざっというと グリンカ 1800年代初頭の生まれ 地域が遠いので世代が比べにくい 世代としてはモーツァルトの50年くらい後輩 生まれた年がBeethovenの第3番英雄が初演された年 Beethoven全盛期の生まれ ヨーロッパの中心地は西洋音楽花盛り それに対してロシアはまだ民謡の時代

そんな時代の ロシアの西のはじっこ スモレンスク っていう町の 大金持ちの地主さんの家の生まれ ロシアからヨーロッパへの街道と言ってもいい場所で 少年時代 10歳くらいでナポレオンのロシア戦役があって グリンカが生まれた地域は戦場になったはず

グリンカが子どもの頃 イギリスに二人の音楽家がおりまして クレメンティとフィールド その二人 作曲も演奏も その上 まだ民族楽器の時代のロシアに ピアノを持ち込む グリンカはフィールドからピアノの手ほどきを受けたとも
それからグリンカは一応就職して 4年ばかり務めて退職して当時の音楽の先進地イタリアとドイツに10年ほど 音楽の修行 グリンカのおうちが金持ちだったおかげで 西洋音楽を身に着けたロシア人が初めて生まれた
そして民謡民族音楽だけがあったロシアに Beethovenが亡くなった数年後になってはじめて西洋音楽の風が吹いてくる

M.グリンカ ヴィオラソナタニ短調 第2楽章Larghetto ma non troppo

この音楽 売ってる楽譜にはヴァイオリンの楽譜がついてるものもある その他にも テナーサックスとかトロンボーン ファゴットとかでも演奏されたりしている。 ヴィオラ用の曲っていうだけで希少 ヴィオラなんて他の楽器用の楽譜を借りて弾いてること多いから ヴィオラ用の曲を他の楽器でも演奏されるっていうのもちょっとうれしいような
この曲 グリンカの曲の中では だいぶ若書き まだイタリアに修行に行く前 たぶん就職するかしないかくらいの頃に書かれたもの

グリンカのその後の活躍について グリンカはその後 父親が亡くなったのを期にロシアに帰った 当時の音楽芸術の最高峰 民衆のエンターテインメントの王様といえばオペラ 外国を知ってあらためてロシア民族のアイデンティティを発揮したグリンカは ロシアで最初のロシア語のオペラを作曲する 今はイワン・スサーニンって呼ばれるオペラ 当時のタイトルは『皇帝に捧げた命』当時はロシア最後の王朝ロマノフ朝ニコライ1世の時代で 今は政治的な理由で その後ロシア革命起きる あれで最後の皇帝になって一族まるごと銃殺処刑されたのがひ孫のニコライ2世で 要するに 共産党員から見ると皇帝は敵 だから一時的に ロシアでは演奏されなくなって その後 皇帝を賛美する部分を改作されて ロシアの大地と民衆を賛美する形にして スターリン時代の愛国プロパガンダに利用されたとか

その後グリンカはロシア人としてのロシアの音楽を目指し始めます オペラの第2作が さきほど聴いた 一発屋の一発 オペラ ルスランとリュドミラ この作品でロシア国民学派的な作風を確立した
グリンカの歩き出したロシア国民楽派はその後後輩たちに受け継がれる ムソルグスキーやリムスキー=コルサコフなどが参加したロシア5人組と呼ばれる音楽集団に受け継がれ ちょっと流派は違うがチャイコフスキーへの路線をたどるロシアの音楽に多大な影響を残した

今日は6月1日 FM八女と同じ誕生日の ロシアの音楽の始祖ともいわれます ミハイル・グリンカという方の 超有名な曲 ルスランとリュドミラ序曲と 誰も知らないかもしれないけどヴィオラソナタの2曲


ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。

(放送した音源とは違う音源です)

先週 嵐大好き君 のメッセージに この曲のことが書いてあった 聴いてるのもある意味カバー曲 これはオカリナの演奏で聴いていただいている
中学校とかで合唱で歌ったっていう方も多いんじゃないか タイトルは モルダウ と呼ばれていたはず

この曲自体はこの番組でたくさん取り上げるし たまには聴いとかないとと思う曲なので本来のオーケストラでの音楽はまたあらためて聴いてもらうが もともとはスメタナという方の作曲した 6曲からなる交響詩集 全曲演奏すると1時間20分にもわたる大曲の 2曲目の交響詩を指すのがモルダウ 今はスメタナが生まれたチェコの言葉で 同じモルダウ川をブルタヴァ側と呼ぶことから 作曲者の意図に合わせて 交響詩ヴルタヴァ と呼ばれる場合も増えてきた

この曲のカバー
ちょっと久しぶりに持ってきたかもしれません。
さだまさしさん クラシック音楽の 一部を印象的にカバーすることが多い方ですが この曲は このメロディ完全カバー 作詞:さだまさし,作曲:スメタナ・補作曲:さだまさし とタイトルされている

さだまさし 男は大きな河になれ


フリートーク
グリンカ最大のヒット曲 ルスランとリュドミラ序曲と 僕が練習してるヴィオラソナタ 泣きのヴィオラのド演歌っていう感じのなかなかのエモ曲 いずれ誰かにピアノ弾いてもらえたらどこかで演奏したい

こないだの土日 田代のほたる祭りがあって ナカジとかがやってるオープンマイクが2日にわたって開催されて 日曜日僕も演奏してきました 田代でお会いしたみなさんありがとう

今日の番組後半は こんな曲用意してみました

番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。BGMなどで使用した楽曲はこちらです。

プシュケ / COBA

半年前までのきらきらミュージックBOXのテーマ
曲は日本のアコーディオニストCOBAさんの音楽 プシュケ  古代ギリシャ語で 息 とか 生きることを意味するそう

(YOUTUBEに動画ありませんでした)
スカボロフェア / Kryzler & Kompany

サイモン&ガーファンクル でご存じの方が多いはず 元はイギリスの古謡 伝統的な音楽をサイモン&ガーファンクルがカバーしたもの
縫い目のないシャツを作れとか それを あの枯れた井戸で洗え とか意味不明の歌詞


(番組ではOrchestra Ver.聴いていただきましたが溝口さんのオリジナル動画がありましたのでそっちです)

おわかれの音楽

世界の車窓から~Orchestra Ver. / 溝口肇


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