240925【本編】D.ショスタコーヴィチ『舞台管弦楽のための組曲』 ほか
このNOTEに関する基本情報はこちら
【本編】のYouTubeリアルタイム配信動画がこちら(放送局による著作権違反対策のため音楽は流れません)
オープニング
やっと暑くなくなった 9月すごく早く過ぎた気がしてる 昨日佐賀に映画『ボレロ~永遠の旋律』見にいって 明後日 久留米青年会議所の式典にオーケストラとして参加させてもらったりする予定でバタバタ過ごしている
今週の音楽 今日9月25日記念日誕生日の方ドミトリ・ショスタコーヴィチ この番組に出てくる中では近ごろのひと まつおが生まれたときはまだ生きてた人 舞台管弦楽のための組曲 って呼ばれる音楽 曲の冒頭はゴキゲンな行進曲から始まる
リンク先のJAZZ SUITE NO.2が今日の曲。内容でも話してますがいまだにJAZZ SUITE No.2って呼ばれるんでホンモノのNo.2が探しにくくてしょうがないっていうくらい浸透しちゃってるニセモノ、というか 勘違い
D.ショスタコーヴィチ 舞台管弦楽のための組曲
1.マーチ
この組曲、2~3分の音楽が8個セット 聴いていただいている音楽 ドミトリ・ショスタコーヴィチ 舞台管弦楽のための組曲 ステージオーケストラのための組曲
音楽 映画だったり オペラだったり ショスタコーヴィチは舞台音楽も映画音楽も手掛けた方 過去にショスタコーヴィチが残した作品から いろんな音楽を集めてきて 曲集にしたような音楽 今となっては何のために作られたのかはわからないんだと思う
組曲の頭に行進曲を置くというのは昔のセレナードとかに見られる 楽団が行進して登場する様式にも見える 意図は不明
2.リリックワルツ
この組曲 ワルツが3回 と ダンスが2回 出てくる はじめに出てくるワルツ リリックワルツ リリック 歌詞っていう意味もある ここでは たぶん叙情的ワルツ っていう意味
アコーディオンの音など聞こえてくる
この組曲 すごいいろんな楽器が使われていて 普通のオーケストラに加えて 多数の打楽器と ギター アコーディオン チェレスタ ハープ ピアノ2台 ステージに乗るのか心配になるほどの楽器 聴いた限りでは弦楽器は少し少なめの人数かも
3.ダンス第1番
2回出てくるダンスのうちの1つめ 第1番ダンス タンブリンが 目立つ役目 今の教科書にはタンブリンと載ってるかも 昔はタンバリン
さきほどから言ってるとおり ショスタコーヴィチといえば交響曲 15番まである交響曲が当然の代表作というくらいの 我々にとってはなんというか 大規模音楽の重厚な作品の作曲家
今日聴いてる曲全体のタイトル 舞台管弦楽のための組曲 実はこの音楽 長い間別の呼び方をされていた
ショスタコーヴィチの 比較的小さめな代表作としてよく取り上げられる ジャズ組曲第1番 曲のタイトルからして お手軽そう 敷居が高くない雰囲気
第1番のジャズ組曲に関して言うと 1曲目にワルツ 2曲目にポルカを置いて 3曲目にフォクストロット 3曲目にはハワイアンギター スライド・ギターをフィーチャーして ブルースを書いてる
ショスタコーヴィチの頃のジャズというと 今のジャズのイメージはそんなに強くなくて どちらかといえば ダンスミュージックっていう意味に近かったのかな と思うような ジャズ組曲第1番
今日聴いているこの舞台管弦楽のための組曲 長い間 『ジャズ組曲第2番』って呼ばれてた
4.ワルツ第1番
3つ出てくるワルツの2つ目 ワルツ第1番っていう名前 チャイコフスキーのオペラの中のワルツを思い出すような伸びやかなワルツ
なんでこの音楽が ジャズ組曲第2番と呼ばれていたか
ジャズはアメリカ発祥の音楽 ソヴィエトにもジャズが伝わってきた当初 1910年から20年代くらいまで ジャズをソヴィエトでも受け入れようとした その ソヴィエトジャズ委員会 に 望んでか望まずにか 所属していたのが今日の主役ショスタコーヴィチ
自分の作品としても 自分のジャズを表現してみたのが さっき言った ジャズ組曲第1番 これはけっこう簡単にレコードも手に入る 非常に軽妙で タイトル通りライトに楽しめる音楽
そしてジャズ組曲第2番 ホンモノのほうが 1938年ほとんど第二次世界大戦の開戦とときを同じくして作られて 演奏の記録がある そのホンモノのほうは 戦争の影響でスコアが散逸してしまった
5.小さなポルカ
5曲目 小さなポルカ 非常に諧謔的な かわいい音楽 ディズニー映画のバッググランドミュージックのような雰囲気
今日聴いてる 舞台管弦楽のための組曲 おなじような流れで作られていて 曲調としても ジャズ組曲のような非常に聴きやすいライトクラシックっぽいということと こいつが2番なのかもよ っていうなんとなくの伝承で 長らく ジャズ組曲第2番と呼ばれ続けた
その後 スコアが無くなっちゃったジャズ組曲第2番のホンモノ 1999年に オーケストラにする前のピアノスコアが発見されて 現代の作曲家によるオーケストレーションも施されて演奏可能な状態になった 2000年に初演
この音楽 舞台管弦楽のための組曲 については いまだにジャズ組曲第2番だと思ってる人もいるもんだから 僕のディスクにもItunesが 舞台管弦楽のための組曲(ジャズ組曲第2番)って書いてくれていて ホンモノのほうのジャズ組曲はとても探しにくくていまのところ聴いたことがない
6.ワルツ第2番
この組曲全体の明るさからすると 少し暗い寂しい感じ こういうのが挟まってるのもいいですよね第2メロディは少し雄大に広大になって 明るく朗々と歌う感じに。
この音楽は 黒色すみれがカバー曲作ってるくらいで けっこう有名なメロディと思った ちょっとみなさんがどう思われるかはわからない 軽く有名メロディだと思ってる。
7.ダンス第2番
8.フィナーレ
2つあるダンスの2つめ ダンス第2番。
ダンスというとこんなちょこまかしたイメージだったのか この組曲の3曲目 第1ダンスもすごく無窮動的な 動き続ける!!!っていう感じの音楽だった この7曲目もそんな始まり方 曲の途中で少しスピードは収まって ちょっと感傷的な雰囲気になったり その後元の雰囲気にまた戻って来る感じ
さっき説明したような経緯で この作品はまず 長らく勘違いされていただけで この曲がジャズ組曲第2番ではない 歴史としてロシアがアメリカのジャズを受け入れようとしていた時代の作品というのが面白い 今の耳で聴くと 決してジャズっぽくはないっていうのも興味深い ダンスミュージックっぽい感じ ショスタコーヴィチはソヴィエトジャズ委員会っていうところに所属していて 海外からやってきた新しい音楽に対して ソヴィエト国内のジャズバンドの演奏技術や 作曲技術などの向上を目指したらしい
というのも 共産主義国家ソヴィエト アメリカで生まれたジャズはアフリカ系の黒人の音楽から生まれた 元はと言えば労働者層 富裕層から虐げられた人々の音楽 言ってみれば プロレタリアの音楽として受け入れていたフシがある
その後 第2次世界対戦期から 次第に ジャズ自体が プロレタリアというよりはその逆 アメリカの ブルジョワの音楽として非難され始める
ショスタコーヴィチ本人についても よく 当局の体制に迎合して 共産国家のための音楽を書いたとか言って非難されたりした また今度ショスタコの交響曲でも聴きながら話しましょう
第2次世界大戦が終了しても 東西冷戦時代 長かった 冷戦が終わるまでソヴィエトでのジャズへの風当たりは強くて ジャズプレイヤーの入国が許可されなかったり 今ようやく普通にロシア人ジャズプレイヤーが活躍できるようになって アメリカのジャズプレイヤーが入国も普通にできるようになった と思ったら また戦争 早く戦争抜きで幸せに音楽楽しめる国になってほしいと願いつつ
今日は とても親しみやすくて聴きやすいショスタコーヴィチ 『ジャズ組曲第2番』だと長い間勘違いされっぱなしだった 『舞台管弦楽のための組曲第1番』
2分ほどの華々しいフィナーレでこの組曲は幕を閉じる
ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。
D.ショスタコーヴィチ 交響曲第7番ハ長調作品60 より 第1楽章より『戦争のテーマ』
ショスタコーヴィチ 交響曲第7番ハ長調作品60 第1楽章の途中
このメロディを最弱音から 最強音まで 15回も繰り返すっていう執拗さを見せる交響曲第7番の第1楽章 『戦争のテーマ』と呼ばれる主題
まつおが昨日見てきた映画のテーマになった音楽 モーリス・ラヴェルの ボレロ から着想を得て 今日は途中から聴いてるけど 本格的に聴くと 最弱音から始まる ボレロもたった2つのメロディを17回も繰り返す音楽
今日のディスカバー曲 1990年のCMソングだそうです このメロディ とあるCMに使われた
アーノルド・シュワルツェネッガーが出演した アリナミンVのCM
ちちんぶいぶい だいじょうぶい のCMで流れていた歌の元曲がこの交響曲第7番
というわけで聴いていただきます
ちちんVVの唄
CM動画以外でネット上で見られる音源が見当たらないようです
今日はショスタコーヴィチ 長い事ジャズ組曲第2番として親しまれてきたと言うか そう呼ばれてた その第2番ホンモノが1999年に発見されて たぶん英語とかでYouTubeを検索したりすると出てくるかもしれないんだけど ディスクとかはすごく探しにくい 今日聴いたやつのほうがヒットしちゃうので 僕らの感覚でいうと まだ勘違いされっぱなしな感じ
今日はショスタコの本領 交響曲の話は ディスカバーのときに少しだけしかしてないけど そっちが本番なので また今度
番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。
G.ガーシュウィン アイ・ガット・リズム
あしたお誕生日 ジョージ・ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー パリのアメリカ人 キューバ序曲 とか オーケストラ作品もすごく有名
今日は ブロードウェイ映画 やら ミュージカルで使われた 歌曲作品というか 当時の流行ソング 今ももちろん親しまれていて すでにスタンダードナンバーになっている作品がたくさんあるんですが そんなやつを聴いていこう まず一曲目は アイ・ガット・リズム
G.ガーシュウィン サマータイム / DOS DEL FIDDLES with 山中惇史
G.ガーシュウィン サムバディ・ラヴズ・ミー
先週のこの番組は 中秋の名月の次の日の朝で メッセージにあわせてジルコンさんからリクエスト
ドビュッシー 月の光 カプレ版とストコフスキー版のオーケストラヴァージョンが知られてる中 カプレ版で
C.ドビュッシー 『ベルガマスク組曲』より 『月の光』オーケストラヴァージョン
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?