見出し画像

「動物園」へ「人間」を見に通う夫婦のちょっといい話

神奈川県のとある動物園に毎週必ずお越しになるご夫婦のお話です。

アミーゴはその動物園の一画で毎日写真撮影をしていますので、七日に一度顔を合わせるご夫婦とはすぐ顔なじみになりました。

出会ってからの数週間は会釈だけして通り過ぎていく関係でしたが、ある日珍しくお二人とも撮影にご参加いただけることとなりました。

「手荷物は荷物置きへどうぞ!」

アミーゴの声に合わせて旦那様がカバンをのせた瞬間、偶然にも中身が外に飛び出しました。

A3サイズくらいの、真っ白な本のようなもの。思わず指さしアミーゴは尋ねます。

「それはもしかして、アルバム? お客様が撮られた写真が入っているんですか?」

その言葉を聞いた途端、旦那様の目が輝きました。顔いっぱいに笑みを浮かべて、アミーゴの質問に答える代わりに本を広げて見せてくれました。

開かれたアルバムから出てきたのはこれ以上なく素敵な… それはまさしく「動物園」でした。

たくさんの動物たちの写真。それはご夫婦が長い時間をかけて、日本全国の動物園を歩き回って撮影してきた貴重な動物たちの写真。

アルバムの中にあったもうひとつの動物園にアミーゴは深い感動を覚えました。

それからというものご夫婦とアミーゴはとっても親しい関係になりました。お二人はご来場のたび、アミーゴのいる撮影ブースを訪れてくれるようになりました。

新しく撮影してきた動物の写真をアルバムいっぱい詰め込んで自慢気に見せてくれるのです。

それはアミーゴにとって、かけがえのない素敵な時間でした。アミーゴは毎週、お二人がいらっしゃる日を首を長~くして楽しみに待っていました。ご夫婦のことを本当に、本当に大好きに思っていました。

ある日は旅行のお土産を持ってアミーゴの元を訪れてくださいました。お正月には年賀状を頂いたり、時にはアミーゴとご夫婦で三人一緒の記念撮影をしたこともあります。その写真がどんな時でもご夫婦のカバンに入っていることをアミーゴはよく知っていました。

晴れの日も、雨の日も、曇りの日も、ありがたいことに毎週のように、ご夫婦はアミーゴに会いに来てくださいました。


ある日アミーゴは、悪天候のため写真撮影が出来ず、動物園を不在にしたことがありました。

いつものように来園されたご夫婦は、撮影ブースにアミーゴがいないことに気がつきます。

すぐインフォーメーションに問い合わせました。

「今日はアミーゴさんは見られないの?」

施設の方は事情を理解していたので、

「アミーゴさんは展示物ではありませんので…」と笑顔でご対応。

「そういえば、そうだったわねぇ!」

スタッフさんとご夫婦は、三人で大笑いしたそうです。

アミーゴはこの様子を後日スタッフさんから聞いたのですが、とっても胸が熱くなったのを覚えています。

何より嬉しかったのは、アミーゴと同じくらいに、ご夫婦がアミーゴとのコミュニケーションを大切に想っていてくださったこと。

このような心温まるコミュニケーションが、アミーゴたちの心の支えになっています。


全国各地のアミーゴたちは、お客様の記念写真を撮影するだけではありません。

観光案内・お手持ちカメラでの撮影方法・たわいもない世間話(笑)などなど…。

お客様の想い出作りを幅広――――――くお手伝いさせていただきます。AMIGOを見かけたら、ぜひともお気軽にお声がけくださいね!