足立健

教養がないと適切にマ○コを舐めることが出来ないと言われている

足立健

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  • 悪魔、岩、存念

    何が違うの

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電車に乗っていたら、街がビュンビュン流れて行ってそれがとても綺麗で、終点なんてないまま景色が続いていくような気がしていました。貴方とはどんどんはなれていって、私はすでに、色づきが変わり続ける景色からしたらまるで異邦人のような気分でいました。ああ、これが希望なのか。私は直感しました。流れていく時間のなかで、貴方に背負われていくこと、これこそが希望なのでしょう。今こそ私は確信を持って言えます。子供の時代は終わったのだ、と。途中の停車場で私は降りて、そこがどこかも知れないままに運賃

    • ジョージ、夏の空。①

      自意識が変な女に自意識が変と直接伝えるのではなく、それは不器用なんだねと慰めることで今まで女を獲得してきたが、そういう淫売のような真似はもうやめようと思い、髪を短く切って就活を始めて3年が過ぎた。 私はその後一度もモテると言うこともなく、プルデンシャル生命に入るということもなく、ただひたすらに薄暗い部屋で座り込んだまま、緩慢に断罪の日を待っていた。 2024年、夏。 薄暗い部屋に突然ジョージが現れた。ジョージはこの村で唯一の「男」だった。 ジョージは、 「そんなくだ

      • 星降るまではどうか手を繋いでいてくれないか。(2021-5-14)

        手に透かして触れようとした瞬間に、風船のように、銃で撃ち抜かれた頭部のように拡散する、昼間時の光を見ていた。滅びが顔を覗かせる真昼の真白に揺れる空。星降るまではどうか手を繋いでいてくれないか。 ふざけあう川辺で突然に湧いてくる、あなたの笑顔の裏に隠れた深い深いからっぽ。真っ赤に染まった水に足をとられるその一歩前に思ったのはそういう類の光だった。星降るまではどうか手を繋いでいてくれないか。 焦点に入ったところで奥深くに消えていくか細い光の線達。悪魔に魅入られたかのように消え

        • 紫(2021-5-14)

          不意に世界が暗転した後に残るあの綺麗な朝日の輪郭をもう一度掴みたい気がして僕は町を歩いていた。木洩れ日に町が揺れる音を体感して、光るビルの隙間の奥を慈しむ君の目が好きだった。木立は死んであとには何も残らない。紫色の匂いの不定形さを隣におけなくなったのは僕のせいだ。

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        • 悪魔、岩、存念
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          灯火(2020-7-6)

          7月9日の夜のことだった。あたりにちらつく、小雨というには少しばかり強すぎる雨はまだ耐えきれるくらいで、もっていた傘をささずに少し小走り気味で走る男がいる。濡れそぼったアスファルトにタイヤを擦りつけるときに生じるあの独特な、衣擦れのような音は、まだまだ静けさに覆われるには早いだろう夜の繁華街を演出するには十分すぎるほどだ。汚染された街と汚染された人々はそれでも誇りを失っていないように見える。矜恃という名の言い訳とは人間を最も人間らしくするもので、僕は幼いころ誰よりもお父さんの

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          都市(2020-5-23)

          揺れるひかりが鼓動するたびに、鮮血のように舞いあがる滞留する街の体温 黒々しい雑踏は流体のように回遊運動を続け、のぼせ上がった空気を外に外に吐き出そうとしている ルービックキューブの狭間に小宇宙を拵えたたんぽぽが、ゆらゆら揺れて真っ赤な街に放たれるころには まるで神様に並べられたかのように身を横たえるジオラマたちも眠りから醒めて、自分の美しさを知るために光を放ちはじめる あの都市がいちばん輝くとき一番多くの人が死ぬだろう 雑光でおかしくなりそうな頭を慰めながら坂を下る

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          終わりの鐘と等高線に降り積もる白石灰(2020-5-4)

          いつかあのゴミ置き場で見たCDみたいな光の粒が ゆがんだアスファルトの上で気化して 僕らの街に雹を降らせくれればそれでいい 僕らが寝て起きるこの街ではいつもこんなにもわからず屋たちが燃えるような愛を散乱させているけれど 大丈夫いつか冬が来て僕らの真実だけが枯れ残るから

          終わりの鐘と等高線に降り積もる白石灰(2020-5-4)

          人間に擬態する化け物(2019-12-14)

          山の頂上に小さな墓標がたっていました。 毎年午後6時半、蒸気船がうなりをあげます。 公園の灯りが消えていました。 電池の故障でしょうか? 僕達の空元気が街の光をかたどります。 やはり山の頂上では、鐘の音が響いていました。 僕がいました。 僕の名前はだれかを助けます。 僕の名前には、光、という感じが入っているみたいです。 運河に到着しました。 天頂には魔が差しています。 空気は岩のようにかたく僕におそいかかり、そのまま夜が消えました。 やはりやはり山の頂上では、鐘の音が響いて

          人間に擬態する化け物(2019-12-14)

          直感に反する統計的事象についてのメモ

          コムドットのやまとは馬鹿にされているが少なくともクラス1レベルのイケメンで、日本国民の90%よりかっこいい 国会で妄言を喚き散らしている議員たちはあれで大抵早慶以上は出ており、日本国民の95%より賢い あんなに馬鹿にされている日大生は日本国民の80%より賢い こんなに馬鹿ばっかりに見える日本社会は実は世界一IQの高い国民で構成された最も理知的な社会集団である いわゆる『平均的な男(最低限の清潔感と見れる顔面、身長170以上、GMARCH以上、年収500万以上)』を全て

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          お伽の庭(おそらく中学3年生から高校1年生の頃に書かれた没小説の断片)

          前書き これが書かれた正確な時期を申し上げますと、歳がバレますが、2017年の10月頃から2018年の7月頃だったはずです。後で出てくる『9月19日(*ラスト2)』を最初に書き、その後空き時間に他の箇所を書き進めていました。あらすじは確か、現実と虚構が入り混じりながら、主人公が最後かなわぬ恋に自殺未遂して……みたいな感じだったはずです。たしか当時は、村上春樹の『ハードボイルドワンダーランド』とフィッツジェラルドの『グレートギャツビー』を読んで、デュアルに進む前衛的な物語構成

          お伽の庭(おそらく中学3年生から高校1年生の頃に書かれた没小説の断片)

          挽歌

          ¥50,000

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          【短編】デズネイ・ランドに住もと思うんだべ👵

          「デズネイ・ランドに住もと思うんだべ」 おばあちゃんが突然そんなことを口走った。最近はめっきり歩くことも少なくなり、スプーンもうまく持てなくなっている。箸だけはまだちゃんと持てるみたいだ。もう日取りなんて覚えてないくせにゴミ捨てをやろうとするから、毎日迷惑している。そんなおばあちゃんは、口調は穏やかなまま、しかし私たちを切りつけるような剣呑な雰囲気で話を続けた。 「今まで ふづぅの幸はせに拘泥ぃして、じ様と結婚して、お前らみてぇなシャバガキと暮らしてきだの、もうこりごりな

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          『ひろゆき』になりたい中学生・高校生・すべての人は何を勉強すればよいのか

          近年の日本でひろゆきほど過大評価されてきた言論人はいない。馬鹿っぽいレトリックを振りかざして鼻につく知識人を「論破」する彼の姿は、ちょっと目端が利くものが見れば唾棄すべき光景だろう。 ただ、筆者はこうも思う。近年の日本でひろゆきほど『過小評価』されてきた言論人もいないのではないか。ひろゆきは凄い。凄くなければそもそも2chという化け物を産み出して旧メディアの権威を失墜させることはできなかっただろうし、『論破』芸で荒稼ぎすることもできなかっただろうし、アフリカの果てで東出とピ

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          行かないでくれよ、シンゾー【プロットメモ】

          なあ、行かないでくれよ どこへ? 世界の真ん中へ……(ここで咲き誇った桜の演出を背景に『彼』とともに過ごした日々の追憶が流れる) 追憶シーン終わり でも、◼︎◼︎◼︎◼︎(ウラジーミル、ドナルド、ボリス、ナレンドラ、そしてもしかしたら『最愛』となるかもしれなかったクネの名がオーバーラップする)。わたくしは、もう行かなければならないんだ。そして…… そして? 永遠に輝く光へ……(チープな核爆発のシーンがサブリミナル的に挿入される そして鮮血 ブレジネフとホネカーが濃

          行かないでくれよ、シンゾー【プロットメモ】

          闇サウナ繁盛記【実録潜入ルポ】

          みなさんご存知の通り、3年前にサウナは禁止となった。ふつうに健康に悪いからだ。サウナの効用とは「死」により近づくことそれ自体だ。「死」に近づくことで、「その先」にある「約束」を垣間見ること、これを私たちは「ととのう」と呼ぶ。健康に良いわけがない。常世と隠世のあいだに自ら向かうことほど、愚かなことはない。その愚かさが私たちの文明を駆動し、月までロケットを飛ばしてきたのは紛れもない事実だが、GPT-6と売春婦たちの時代にあっては、もはや無用の愚物だ。それで、サウナは禁止になった。

          闇サウナ繁盛記【実録潜入ルポ】

          5/3

          ミュージシャンの小沢健二はかつてこう言った。 「誰もが知っていることだけど、夜が明ける朝は必ず来る。」 そう、夜は終わり朝が来ることを、僕たちはいつでも知りすぎるほど知っている。それなのに間抜けな僕たちは、夜が来ないものと決め込んで日中を喰らい尽くしたり、永遠のような夜に絶望したりする。永遠なものなど無いということは、希望だ。『さよならは悲しい言葉じゃない』これも昔のポップスの歌詞にあったような気がする。 思い出は、それが終わって思い出したときに初めて再帰的に美しさが色