2023/03/06

先日久しぶりに短い作文を書いたのだが、これが3千文字書いた当たりで非常に疲れてしまって回れ右早くこの作文を終わらせなければと思い良く言えばスピード感を持って、悪く言えば諦め半分でシュババッと書き上げてしまった。
日記を書く筋肉と長文を作文する筋肉は全く別のところで俺は日記でうだうだと「筋トレしている人間は筋繊維と欲求が肥大化しモンスターになっている筋肉が偉いのであってお前が偉いのではない筋肉が勝つのであればアメリカ人の勝ちではないか」などと愚にもつかない冗談を垂れ流すのに慣れてしまったが、いざ長文作文をしてみると体のあちこちが痛んできてしんどいのでもう終わりですと自分の作文を投げ捨てるハメになってしまった。

前回書いた作文は頭の中ではまだ続きというか別の長い展開があって4人のうちの1人が殺されてサスペンス風にするつもりだった。俺が最近よく考えている殺人とか罪とかそういう感覚を書きたくて途中まで書いてたのだがオチが思いつかなくてやめた。それなりに文字数書いたのでこの日記の最後に登場人物とかは分かりやすくする為に変えただけの下書き載せておきます。
俺はこんな事ばっか考えているわけではありませんよ。もっと金玉とかの事も考えてます。金玉に毛はいらない…They paved paradise, and put up a parking lot…

では、さようなら。


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「俺、ヒガシを殺そうと思う。」

そう言ったのはヒガシという男に彼氏を取られ彼氏を取られたついでに家を追い出されたのでつまり住居を取られ住居を取られたということは家財道具一式を取られた男であるキタだ。

「人を殺すってのがどういうことか分かってるのか?」

こう言ったのは俺で俺はヒガシに対して特に恨みはないのでヒガシを殺そうと思わない。だからガンガン行こうぜみたいになっているヒデを止めようと思っているのだがこいつってばもう目がイっちゃってて、目がイってるってよく聞く表現だけどどういう事かいまいち分からなかったけどこいつは確実に目がイっている。なんか瞳孔がデカいのだ。

「どういうことだよ。人を殺すってのは斧か、斧に近しいなにかで頭を割るってことだよ。それくらい俺は分かってる。斧で頭を割ったらきっと血が出る。割れ目にはきっと脳みそとかも見えんじゃないのか。そこまでは知らないけどとりあえず人を殺すってのは斧で頭を割ることだよ。」

「方法じゃなくてさ。人を殺すってよりも人を殺した後どうなるか知ってる?って言った方が正確かな。人を殺した後だよ。俺たち人間は人を殺す事は容易いけど人を殺した後が大変なんだ。」

「人を殺した後はそりゃ捕まるでしょう。捕まるという事は移動を禁じられるという事だよ。禁錮というのは実に理にかなったシステムで俺たち人間は移動の民族で、ホモ・サピエンスが爆誕した後は移動によってその数と文化を紡いできた。だから俺たちは移動大好き。そして罪を犯した者には移動が禁じられる。俺が現代社会で唯一完成されたシステムだと感じられるのはここだけだよ。だからこそ俺は人を殺した後に移動を禁じられてもいいね。何故ならそれは美しいから。」

明らかに冗談を言っているキタだが果たして殺そうという意思までは冗談か分からないところが恐ろしいところだ。それくらいヒガシはキタという男に散々やられていてこちらから見ても本当にどうしようもないくらいである。

「移動を禁じられるのが辛くないのだとしても、人を殺してしまったという意識は永遠に残り続けるんだぞ。何かの為に殺しても結局後から後悔する。それが殺しだよ。寝られないんだよ。生きてたのが死ぬのは意味もなく苦しいんだよ。」

「罪の意識ってのは覚悟のない者が感じる事であって俺は既に覚悟完了している。俺はジョルノもビックリなくらい人を殺すということを冷静に見れているよ。人の為とか世の為とかそんなんじゃなくて俺は俺の為にあいつを殺すよ。」

「結局お前はヒガシを殺すって事しか考えてないんだよ。殺した後なんだよ。なんでも全ては後が大事なんだよ。罪は忘れちゃいけないって事をお前はまだ分かってない。人を殺したお前は死ぬべき人間で、それでもなお生きようと思う恥ずべき人間ならお前は一生自分が死ぬべきだと自分の中で唱え続けないといけない。それが苦しい。それを本当に分かってるのか?」

「分かんねーよ。そんなの人を殺した事がないから分かんねーけど、そんなの俺が決めるべきことだろ。ヒガシを殺して俺が気持ちよくなれてあいつは死んでよかったで終われたら一番良いだろうが。なんでそう嫌な事を言うかね。俺は嫌な話はもう聞きたくないよ。」

「分かんないやつだな。これは俺の優しさだよ。お前を少しでも美しくさせようとしてるんだよ。誰かの為に殺せる人間ならそれだけで美しいけどお前はお前の為だけに人を殺そうとしている。ならせめて殺した後に美しくあれよ。」

「俺は俺の為だけに殺すよ。それで結構。美しくありたいけどそれは殺しの中で美しさを魅せるよ。具体的に言うとヒガシの頭を二つに割る。これ以上美しい殺し方はないだろ。作品の為なら俺は俺すらも排する覚悟はあるんだよ。」

ああこいつには何を言っても通じないのだろう。ヒガシへの恨みと殺しを成す自己陶酔でもう頭がおかしくなっている。こいつがヒガシを殺すとは思わないが、しかし同時にこいつは人を殺せるだろうなという確かな予感もある。予感というか、こいつと俺は人を殺せるというところでは同じなのだ。

「よく考えてみろ。俺たちがヒガシの事を殺す殺さないと言っている間にもあいつは幸せに他人の幸せを踏み躙った事など気づかずに、ここ重要だぞ、あいつは忘れてるとかじゃなく気づいてないんだ。他人の幸せをボールを蹴飛ばすようにポーンと遠くに追いやる癖にそれに気づいてないんだ。なら俺がそのボールをあいつのとこへ持っていってやる。これが俺の幸せだったものでお前が蹴飛ばしたんだと教えてやる。そして殺す。こんな美しい流れがあるか?」

「非常に美しい流れではあるけど俺はキタの事が心配だよ。お前は確かに人を殺せるよ。そして殺した事を過去にして昔の意味のない事だと勝手に脳で処理できる。けど意味のない事に苦しむ人もいるんだよ。俺がそうだよ。」

「臆病な事は結構だけどな。今からしようとしてる殺しは必要な事なんだよ。」

「臆病で結構だよ。苦しむのも俺だけでいいと思ってるけどさ、けど何で俺だけこんなに苦しいんだよ。人は時間がたてば他人を殺したことすら忘れていくのに俺は人を殺したことでこんなに苦しんでいる。苦しまなければと思っている。海を見ても星を見ても昔殺したことを思い出して俺は感動すらしてはならないと思ってるんだよ。」

「もういいよ。お前は自首しろ。お前は俺とは違って忘れられないんだよ。美しいよ、お前は。」

「俺が自首なんて出来ないの知ってて言ってるだろ。そういうところがお前はずるいよ。気持ちよくなってるんだろ。それで。」

「なんにせよ俺は殺すよ。」

「分かったよ。ここまで聞いたんだから俺も殺しに賛成して殺しに協力するよ。それが俺の美しさだよ。」


おしまい

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